東京九州フェリーにはかねてから乗ってみたいとずっと願っておりましたが、この度、まとまった休みが取れたため、実行することとしました。就航後、1年を超えてしまい、新鮮味は薄れてしまいましたが、私にとっては念願成就というところです。
往路は、本航路開設のために新造された「はまゆう」、復路は親会社、新日本海フェリーの敦賀⇔苫小牧に平時は就航している「すいせん」に乗りました。新日本海フェリーグループ内では、11月より、冬期の旅客需要に合わせて船の入れ替えを実施(→
東京九州フェリー・リリース文)、この結果、異なるタイプのフェリーに乗ることになりました。
ちなみに、東京九州フェリーの新造船「はまなす・それいゆ」は、旅客定員268名、乗用車30台、トラック154台、航海速力28.3ノットに対し、敦賀⇔苫小牧の「すいせん・すずらん」は、旅客定員613名、乗用車58台、トラック158台、航海速力27.5ノットで、トラックと航海速力はほぼ同等ですが、旅客定員は倍以上、乗用車も倍となっており、冬期は旅客需要の減少する北海道航路よりは、東京⇔九州間の需要を前広に取り込む(特に正月帰省向け)ために調整した…と想像しました。
横須賀出港は23:45ですが、東関道→首都高湾岸線→幸浦ICと抜け、22:30前にはフェリーターミナルに着きました。
ターミナル内の掲示板です。
「はまゆう」は出発準備中です。柵が貼っているため、船の近くには近寄ることができません。
発着する埠頭は、自動車輸出でも使用しているため、港運業者と埠頭を管理する横須賀市間で行政訴訟も起きましたが、その後、和解、現在は共同利用が続けられているようです。フェリー発着場の反対側には、輸出用のスバル車が並んでいました。
乗船待ちの乗用車・オートバイの列です。乗用車は30台はいたような…。

昔は、フェリーターミナル到着後、車検証を持ち窓口にならび乗船券を購入していましたが、東京九州フェリーはQRコードが載ったe-乗船券を自宅PCで印刷、持参するため、窓口に並ぶことはなくなりました。当フェリーは、DX化が化進んでいるのが印象的です。
尤も、フェリー会社にとり収入のメインは貨物輸送です。
トラックシャーシも並んでいる他、
トラックの乗船待ちもまだ残っており、

系列のトラック運送会社と合わせ、そこそこ需要を掴んでいるのでは??…という気はしました。
そうしている内に、23:10に乗船開始、第三甲板に駐車しました。第三甲板は、写真でおわかりの通り、乗用車とトラックシャーシがシェアしていました。
乗用車は、最終的には計4レーンを使用しました。

次週は、文化の日があるせいもあるでしょうが、旅客需要は、多分、当社の想定以上に大きく、今回の船入れ替えに至ったようにも思えました。
ロビー吹き抜けです。
当方は、往路はツーリストSという一人部屋を予約しました。

ベット、イス、机があり、机はノートパソコンを広げるには充分な大きさでした。また、ベットは固めで、船酔いしないよう配慮されています。

テレビは部屋には付いていますが、音声は、受付で下記のヘッドフォンを借りてヘッドフォンに繫げて聴くことになります。

HDMI端子もあるので、携帯できるブルーレイプレイヤーと繫げると、ブルーレイの映画等も見ることができると思います。
そうこうしている内に、出港となりました。
お見送りがあるのは、飛行機と同じです。
三笠を見つつ、バックで埠頭から離れていきました。
この船は、夜食があります。
酢モツとビールで一人乾杯しました。

レストラン・メニューは、→
こちら です。ロードサイドの外食レストランと大差ない一方、地方性あるメニューでいろいろと愉しめるように思えました。
この後は、一旦部屋に戻った後、風呂に向かいます。当船は、露天風呂がある珍しいフェリーです(→
リンク)。
風呂に浸かった後は、部屋に戻り、爆睡してしまいました。
翌日は、新門司着は20:45であり、ほぼ船内の一日です。
フェリーの朝ご飯は、普段はコンビニで買って持ち込むのですが、今回は初乗船でもあり、お試しということで、レストランで食べてみることにしました。モーニングセットです。

お味は可もなく不可もなく、といったところです。\600なので、そういうものかと…。
この後は、船内探検です。
PCデスクが4席用意されていました。電源がないのが…どうかな??、とは思いますが。

船内ではPC、タブレットで作業されていたり、若い方は勉強されていたり…、シニアの方は本を何冊か広げられていたり…と、オープンスペースを利用されていました。
先頭にあるフォワードサロンへ行ってみました。

こちらも電源席辺りは、PCやタブレット作業で占有されていました。本船は、電源席が少なく、やや取り合い状態であった、という印象です。
進行方向のビューを愉しむことができます。尤も、本航路は日中は太平洋を一直線であり、大海原を見渡すばかりですが…。
と、右舷前方にフェリーらしき船影を発見しました。
徐々に追いついていき…、東九フェリー・どうご(航海速力22.4ノット)を追い抜きます。
向こうは、東京・有明フェリーターミナルを19:30発、こちらは横須賀発23:50で出港地の違いはありますが、約4時間の差を航海速力28.3ノット、約6ノット差で追いつきました。
次に、艦内放送で、僚船「それいゆ」と反航の案内があり、展望デッキに出てみました。
接近しています。
すれ違い場面です。
関東へ去って行きました。
次に、プラネタリウム・ルームへ行ってみました。これは、本邦フェリーでは、「はまゆう・すいせん」のみではないかと…。

私が乗った時は、プラネタリウムと映画上映のいずれも行っていました。プラネタリウムは真面目な学習系のものかと思っていましたが、星空に音楽のみが流れる…という展開で…、開始後、まもなく、当方含め多くの方がスヤスヤと眠ってしまいました。そういうアミューズメントなのかと…。
怠惰な生活の後、ランチでレストランへ行きました。
門司名物の焼きカレー定食です。
そもそも、フェリー旅とは、非日常を愉しむもの…ということで、昼ビールを頼みました。

肴は、蛸キムチです。
食後+ビールで、当然の如く眠くなり、部屋で暫しの間、また寝てしまいました。
目覚めた後、非日常を味わうため、昼の露天風呂に行き、その後、再びデッキに出ます。
四国沖、何も、誰もいない…、快晴、凪の太平洋です。
コーヒーを飲んで、眠気を覚まし、持ってきた本を読もうとしましたが、そう言えば、このフェリーには、電子マンガのサービスがあったのを思い出し、こちらを読んでしまいました。

船上で地上との普通のインターネット環境は難しいのかもしれませんが、船内でクローズした環境でのWi-Fiであれば、コンテンツは用意しておく必要がありますが、お客のスマートフォンを活用し、こういう形で船中のサービスを提供することは面白い試みかと思いました。
通過する見どころの時間案内も、下記のイメージで艦内Wi-Fiを通し、お客のスマホへ提供されています。
また、当フェリーではレストラン注文はタブレットで対応している他、ここは地上とのインターネット接続を確保している故と思いますが、洋上でのクレジットカード決済にも対応しています。

クレジットカード決済は売店も対応済であり、地上にいる時と変わらない決済サービスが洋上で整備されています。
この辺は、船内のいろいろな注文処理、経理処理のDX化による効率化、お客への新たなサービス提供に繋がるものとして、業界のフロンティアになるように思えました。
そうしている内、フェリーは太平洋から豊後水道に入り、夕暮れとなりました。豊後水道に入ると、強風でデッキは封鎖されてしまい、日暮れはフォワードサロンから垣間見るしかできませんでした。
最後のフェリー内の食事となる夕食は、ビーフシチューを選びました。

お味は…、まず普通というところでしょうか?
新門司前で何故かスローダウンしていたように思えますが、定刻21:00に新門司に到着しました。
上陸前の第三甲板のGraチャンです。
上陸後、今度は、船に近づいて写真を撮ることができました。
船首からです。
正直、この垂直切りの船首は、余り好きではありませんでしたが、今回乗船して快走振りを実感、悪くないな…と思えるようになりました。
上陸後は、今までフェリーが通ったルートを逆走、別府まで行きました。
夜間、アップダウンの激しい東九州道を別府ICまで辿り、ようやく着いたビジネスホテルは、温泉には浸かれたものの、部屋の空調が故障、寒くて堪らず毛布を出して貰い、散々な九州第一夜となりました。