
1~2ヶ月に1度程度ですが、隣県に住んでいる老いた母を気分転換でドライブや食事に連れ出すようにしています。
最近は、コロナ騒ぎで、デイサービスセンター関連の催しも延期らしく、自宅で籠もっていては、ということで、ドライブでの観光地巡りは、風通しもよく、家から離れた環境にも行けるから良かろう‥ということで、連れ合い様と母を連れて出発です。
今回は、大洗と水戸に行くことにしました。
昔、休日のドライブで常磐道の友部JCT辺り~ひたちなかまで大渋滞にはまり、以来トラウマになっていましたが、全く渋滞なく、大洗の街中に入っても、スイスイでした。自粛ムード故なのでしょう。
最初に行ったのは、
かねふく・明太パークです。新聞に全品20%オフと広告が出ていたこともあり、初めてですが、行ってみました。
入口に、出来たての明太子試食コーナーがありました。

食べてみると‥‥、美味い!!!!!。これは、ここでしか食べられないと思います。
母、連れ合いさま、そして私と3人で浅ましくも二回転してしまいました。
明太子の工場、ちょっとした博物館も併設しており、材料の
スケソウダラの漁獲、魚卵の摘出、選別工程も見ることができます。
ちなみに、明太子の材料の
スケソウダラは、ベーリング海等の北の魚ですが、何故、遙か離れた博多の土産なのかずっと疑問でした。
今回のドライブの後、調べてみました。すると、元々は韓国料理の魚卵の唐辛子漬けをルーツとしていたとか。博多と釜山は昔から行き来盛んで、博多に戦後持ち込まれ、以降、博多で日本人好みに改良されていき、今日の「博多明太子」に至ったということでした。
「ふくや」がルーツということです。
博物館では、スケソウダラの魚卵の選別に関する蘊蓄も知ることができ、面白かったです。
とは言っても、こちらも明太子の販売が主力で、いろいろな明太子が出口で売っていました。単純な明太子の他、鯖明太とかも買って後にしました。
この後、近くにある
大洗マリンタワーに登ってみました。
高さは、60メートルで、眼下に
苫小牧行きのさんふらわのフェリーターナルがあります。

我等が登った時間では、苫小牧からのフェリーは到着前で、
さんふらわを見ることは出来ませんでした。
この後、ランチで目当てにしていた店に向かい、開店少し前にお店に入ることが出来ました。
お店は、
魚留というお店で、行ってみると、お洒落でまた、小綺麗でした。
平目の漬け丼がネットで評判良かったので、これと、鰺丼にしてみました。
出てきた、平目の漬け丼はこちら↓↓。ふぐの唐揚げ、茶話蒸しも付いていました。
平目は漬け具合も絶妙ですが、平目の身も厚い‥、普段、近くのスーパーや魚屋で売っている平目の刺身とは雲泥の違いです。ふぐの唐揚げも揚げたてで美味しかったです。
鰺丼は、こちら。
母も80歳を超えていますが、美味しいを連発、完食しました。満足していただいたようで‥、良かったです。
お店は魚市場近くで、辺りには、他にも海鮮レストランが林立しています。ドライブの都度、いろいろと巡ってみるのも愉しいでしょう。
満腹になったところで、
大洗磯前神社に向かうことにしました。磯に鳥居がある神社でネットでは拝見していましたが、訪問は今回が初めてです。磯にある鳥居を目指します。近くに
無料駐車場があり、ここに車を停めました。
駐車場から鳥居方向は、こんな感じです。
この駐車場から海沿いに鳥居方面に歩道が整備されており、鳥居まで3~5分程度で辿り着くことができます。
この日はよく晴れ、先週同様、波光煌めく海を見ることができました。大洗磯前神社の辺りは岩礁地帯で九十九里浜のような歩きやすい砂浜とは行きませんが、海辺で遊ぶことも可能で、コロナの影響もあるでしょうが、そう混んでなく快適、母も久し振りの海で喜んでくれました。
さて、この後は、大洗海岸通りの松林をドライブした後、
大洗シーサイドステーション内の
大洗まいわい市場に向かいました。マツコの知らない世界でも
テーマとして取り上げられていましたが、茨城県と言えば名産品として納豆、鮟鱇と並び、
ほし芋です。
大洗シーサイドステーションに車を停め、フト建物の壁を見ると、大洗ガルパン・ギャラリーなる看板があります。
「何だ、こりゃ??」と思いつつ、お店の中に入ると、鮟鱇鍋の出汁でしょうか、アニメのキャラクターが載っています。

そう言えば、土産物店を紹介してもらった観光事務所内もアニメのポスターが所狭しと貼っていたな‥‥。
この大洗シーサイドステーションの2Fにはギャラリーがあるとかで‥‥、私はアニメ/漫画はゴルゴ13は大ファンで、こういう萌え系(?)は初めてですがギャラリーを覗いてみることにしました。看板の戦車は、何でしょうか?
覗いてみると、ギャラリーは結構混雑しています。女子高生キャラのグッズはあちこちにありましたが‥

一方で、戦車/装甲車の類いもチラホラあったような‥。女子高生と戦車‥‥??で、「何のことか分からん!!」と、早々に退散しました。
後で、調べると、ガルパンとは、
ガールズ&パンツアー(Girls & PANZER、PANZERはドイツ語で戦車)の略称の由。
ガールズ&パンツアーなるアニメは、大和撫子の嗜みとして、華道、書道、戦車道があるという世界で、戦車道の全国制覇を目指し、大洗にある大洗女子高の生徒の奮闘を描いたアニメだとか。故に、大洗はこのアニメの聖地になっている‥ということが分かりました。このアニメ、Youtubeでチラッと見ると、戦車自体は結構凝って描かれている一方、戦車道の対戦自体は、血なまぐさいシーンはなく、スポーツ的な感じを受けました。好きな方は、多分多いのでしょう。
また、大洗町もバックアップというか協業しているのがよく分かりました。
さて、干し芋も買えましたので、次の目的地、水戸は
弘道館へ向かいます。
水戸駅から近くの丘の上、県警等の行政機関が並ぶ三の丸の一角にあります。
徳川斉昭が創設、儒学、歴史、天文、数学、地図等の他、剣術、馬術、兵学等も対象とした総合大学のような藩校であったと入口の案内にはありました。
なかなか立派な史跡です。残っている藩校としては、日本一ではないでしょうか?
教育方針としては、「弘道とは、弘道とは何ぞ。人能く道を弘むるなり」(幕末のリーダー的思想家、
藤田東湖の起草の由)というところと、「神儒一致」「忠孝一致」「文武一致」「学問事業一致」「治教一致」というところで、神道への傾倒が窺われるのは、大日本史を編纂した水戸藩ならではでしょう。
弘道館の周囲は、
水戸学の道として整備されています。尊攘の掛け軸は、徳川斉昭の命で書かれたものとのこと。
さて、今回の弘道館訪問で「
水戸学」なるものに対し、私は水戸界隈で歴史好きな方が幕末史の史跡等を明らかにしている、地方史的なものと勝手な思い込みをしていました。
藤田東湖やその系譜に繋がる
天狗党は知っていましたが、
大日本史から始まる水戸藩の尊皇志向と相俟って彼ら改革派の思想が
水戸学として、藩内だけでなく、吉田松陰を初め、幕末の志士に影響を与えた、全国レベルの思想であることを、帰ってからネットを徘徊して初めて知りました。お恥ずかしい限りです。維新、
国体、といった言葉は、
水戸学から日本国内に広められたそうです。
藤田東湖が一時罷免、冷遇された時に詠んだ「
正気の歌」は日本中の志士が吟じたとか‥、然程に水戸は幕末をリードしていました。明治維新に水戸藩は、思想面では先鞭を付けた功績者だったのでしょう。
しかしながら、尊皇攘夷も、
将軍継嗣問題、開国/攘夷で、德川斉昭が政敵の
井伊直弼と対抗するために使ったとも私には映りますし、一方で
水戸学で意識高揚した心純粋な若き志士は、
桜田門外の変、
天狗党の乱を引き起こし、以降は、水戸藩は、幕府支持の
諸世党、天狗党の流れを汲む改革派で、血で血を洗う凄惨な藩内抗争に明け暮れ(
水戸の狂気と評している向きもあります)、疲弊していった由。
弘道館も戦場になったそうです。
明治維新の原動力となった思想を生み出した功績があるにも関わらず、水戸藩は人材は皆殺され、明治政府には誰も送り込めなかったとのこと。悲劇の学問でもあります。
尤も、明治維新後は、天皇制維持の観点からも、
水戸学は国体の概念付けや
教育勅語に
水戸学も影響を与えたともネット内では見かけました。尊皇を唱えるという点では、本意だったとも思えます。
とは言え、
水戸学で気になるのは、テロリズムを肯定しているのではないかと‥。
昭和維新を叫んだ若き篤い心の将校、天誅を叫んだ志士も私にはダブリました。そういう点では、
水戸学は、是非は兎も角、結構影響力の大きい思想ではなかったかと感じました。
最後は、
偕楽園です。ここも、弘道館と同じ、德川斉昭が造ったものです。
偕楽園駅前の駐車場に停め、偕楽園を目指しますが、この上り坂は辛かった‥、老いた母に千波湖を一望してもらおうと思ったのですが、失敗でした。ここは、老人連れには向かない施設です。
何とか登って千波湖を一望しました。
梅は僅かに残っていましたが、殆ど終わっています。桜には少し早く‥というところで、中途半端なタイミングとなってしまいました。
この後、園内の
好文亭に入りましたが、2Fに上がるのも大変そうなので、退散しました。
帰りは、常磐道で事故渋滞に遭ってしまい、谷和原~柏で1時間近く掛かってしまいました。
ニュース等で報道されていないので大したことのない事故なのか、分かりませんが、何にせよ、多大な経済的損失です。
愉しいドライブで終わる筈が、ちょっと嫌なエンディングとなってしまいました。
ドライブへ行き、美味しいものを食べることと、行き先の史跡等に関わる歴史等、見聞きしたものを調べるのは愉しいものです。今回は、図らずも
水戸学の奥深さ知ることが出来たのと、
ガールズ&パンツアーなるアニメ世界の片鱗に触れることができました。趣は異なりますが、どちらも私にとっては新世界です。
ということで、お終いです。
長文、最後まで、お付き合いいただき、ありがとうございました。