もはや全国民の悩みの種であるF11のリアの伸び側減衰力調整。
この車種は(他は知りません)伸び側の減衰力調整部分が内張りの中に入ってしまうために
伸び側の調整が容易に行えません。
調べても
、『基本外さないと調整できない』と出てくるばかり・・・
ねぇ、これみんな困ってんじゃないの?セッティング煮詰める以前の問題だよね?
ってことでどーにか簡単に調整できるようにしよう!と挑戦した顛末です。
まずはネットで情報収集。やり方パクるのが一番早い。
ってことで発見したのが、『減衰力調整ダイヤル延長ケーブル』なるものを使用する方法。
拝見した方はセダンでしたけどね!
ここから駆け足でいきますよ!
とりあえず同じものを買ってみよう、ってことで深く考えずにポチ。
それがこれです。
ラルグスの車高調用の商品です。
赤い部分がキャップになっていて、ラルグスの調整ダイヤルに被せて
横からイモネジで固定する使い方のようです。
このままでは使えないですね・・・頭ももっと小さいほうがいいし。
ってことで取ります。この赤いのもイモネジで止まってるのですぐに取れます。
はいー取ったー
本来なら先に2mmの六角が付いていればいいだけなので(KWの調整軸は2mm六角)
どうしようかと思案したところ、案として思いついたのがこちら。
『細いパイプ的な何かを中間に入れて、延長ケーブルと六角を固定する』という方法。
まずはパイプを切り出します。長さは35mmくらいかなぁ・・・(適当)
外径は6mm、内径は4mmです。
バリは取っときます。
延長ケーブルの中側の軸径は3.7mmくらいなので入ります。
それをまずは圧着で延長ケーブル側に固定。
使った工具は裸圧着端子用のペンチ。
本来は銅用なのであまり負荷かけるとダメですが、ちょっと潰れればいけそうなんで。
14sqのとこがいい感じなんでそこで潰します。
はいできたー
ここまでで10分。昼休憩中にやらなきゃなんで、はやくしないと。
そのあとは六角側。そこらへんに転がってた六角を計測。
はい2mmー
長さはそんなにいらないので、グラインダーでカット。
クランプで挟んでちーん
はい切れたー2本取れたー
そしてこれをさっきのパイプに固定しないといけません。
イメージ。
そして思案した結果、工業用エポキシ粘土で固めてしまおうと。
この粘土、硬化するとカッチカチになるので、調整のトルクにも耐えられると思います。
こんな感じでキットになってます。最近はカチカチに固まる系は色々あるので、
そちらで代用も可。これいいやんと思ったら近場の人、お譲りしますよ?笑
中身を取り出します。マゼマゼで硬化なので、色が均一に混ざるまで練ります。
こうなりました。
あとはこれを少量取ってパイプの中に詰め、そこに六角を刺してさらに隙間から押し込み、
念のため少し盛りました。
それがこちら。あとは硬化まで待ちます。
ケーブル加工編はここまでです。昼休憩もここまでです。
取り付けは後日、仕事が終わってからやります。
ラゲッジの脇に蓋があるのでそこを開けて作業します。
計画の内容としては、
・減衰調整部分(リアショックの取り付け部分)の位置の内張りに穴をあける
・そこから延長ケーブルを突っ込む
・内張りの内側に出た延長ケーブルを何かで誘って減衰調整の六角穴に差し込む
・フィニッシュ!
という感じで考えています。
そのままでは狭すぎて(防音材でまずショックの取り付け部が見えない)作業できないので
内張りを少しだけ室内側にずらします。
画像の真ん中あたりに3つ光が反射しているところがショック取り付け部です。
手を突っ込んでギリで触れますが、ほとんど指が動かないので何もできません。
まずは穴あけの為に位置を計測。
減衰調整部にスケールを引っ掛けて内張りのエンドまでの距離を測る。
575mmぐらい。
これを今度は内張りエンドからラゲッジ内で測れば穴を開ける軸(y)はとりあえず出ます。
延長ケーブルの外側の太さを計測。6.8mmぐらいだから7mmでいいですね。
高さ軸(x)を決める為に、延長ケーブルを開口部にてあてがいます。
足りないと困るのでそれなりに。
そしてX軸とy軸の交点を見てみると・・・
おおぅ・・・
後部座席の背もたれを固定する金具がほぼほぼ直撃。
まぁ延長ケーブルはフレキシブルだしね!ずらして開けちゃおう!
だいたいこのぐらいの位置に開けてみることにします。
裏には配線等が無いか確認してからズドンとやります。あーあやっちゃったよ。
画像は穴が目立つように毛足を広げたりしていますが、
実際はモシャモシャっとやったら結構目立たなくなります。
「自分以外こんなとこ見ないしね。だから失敗しても怖くない」、と言い聞かせてました。
延長ケーブルを突っ込んでみたところ。
うーんまぁいいんじゃないかな。後部シートを起こしたらほとんど目立たないだろうし。
あとは内張りの中に突き出た延長ケーブルの先を誘ってやって調整穴へ差し込んだら
コンプリートのはずです。
この先とんでもないミスが待ち受けてるとも知らずに・・・
延長ケーブルを誘う為の治具を作ります。
細いパイプの中に太めの針金を入れて、先を曲げ、引っ掛けて引っ張って固定する感じで。
作ったのがこれです。どうせ何回も使わないのでササっと作りました。
先をラジペンで引っかかるように曲げて、ここに引っ掛けてから引っ張れば・・・
こんな感じで固定できます。これでゴールは見えたね!
※この後はなにかと必死だったので画像が途絶えます。
何が必死だったのかというと、
内張り内で治具を使って調整穴に延長ケーブル先端を入れようとしていたのですが、
なんだかどーにも入らない。
よく見ていると、調整穴に対してケーブルが真っ直ぐになってくれないのです。
みんカラを覗いている方ならご存知かと思いますが、ショックの取り付け角度ってのは
進行方向を向いたときに『ハ』の字に取り付けられているのが一般的です。
なので上部の調整穴も、真上から六角を挿すのではなく、
必然的に車両内側から斜めに挿さります。
それは分かっていたのですが、内張りの裏に補強で横サンとか入っててぶつかるんですよ。
なのでパニクっていた(疲れてきていた)私はずらしていた内張りを更にグイグイずらし、
どうにか調整穴に挿したのでした。
(ここでお気づきの方もおられるかと思いますが・・・)
そして延長ケーブルを回してみて「お!いける!」と喜んでいた私。
そこで悲劇(というか当たり前)が起こりました。
さてホッとして内張りを元の位置に戻そうとしたその時、
『延長ケーブルが挿さってると内張りが元にモドラナーイ』
もうね、当たり前過ぎて鼻水出ました。
無理してずらして挿してるんですから戻したらそりゃ干渉するわな。
強引に内張りを戻すと、今度は延長ケーブルが外れる。
先ほどx軸とy軸で話をしましたけど、z軸が完全に抜けてました(笑)
だって内張りの中に普通に調整部分が出てると思ったんですもん。(思い込み)
z軸をザックリ測って内張りを戻したら、内張りにメチャ干渉してると思われる。
マジですか・・・こんなところじゃ何も入らないじゃないか・・・
内張りとのクリアランスがなさ過ぎて、何かをつけておくという感じではないのです。
たぶんクリアランス15mmぐらいしかないぞ。KWの調整ダイヤルでもどの道無理か・・・
もうこの際100φぐらいの大穴開けてしまおうか。
そこで。
ん?これドンピシャで穴開けちゃえばそれだけで調整できるんじゃね?
と、アイディアの神が降りてきました。
早く気づこうよ・・・
~~第二部~~
ということでもう一度寸法を詳細に取り直すことにしました。
今度はy軸とz軸だけでいいはず。
y軸は先ほど同様、ショックの調整部分にスケールを引っ掛けて、開口部の内張りエンドまで。
その後内張りエンドからラゲッジ内にその寸法を移せばOK。これは問題ない。
問題はz軸です。手もろくに入らないのに寸法が測れない。
内張りを一旦外してしまえば、手前のラゲッジの床収納の蓋から
基点出しでy軸同様に測れるのに・・・なんかパズルみたいで取れない。技術とやる気不足。
仕方ないので『目分量』で始めの基点までの寸法を出します。
※参考画像
・一度また内張りをずらして覗き込みます。
・ショックの調整部分の位置を凝視します。
・同じ軸上にありそうな手前の目印(穴の真ん中、とか1/3ぐらい、とか)に意識をずらしていきます
・それを何度も繰り返して、開口のすぐ手前まで目印を移動させたら内張りを戻します。
・その目印から手前のラゲッジの床収納の蓋の端までの寸法を測ります。
・出た寸法で今度は蓋の端から追えば位置が出ます。
こうゆうの仕事柄得意なほうなんですが、やったら結構誰でもいいとこにいくと思います。
そうして出たy軸とz軸の交点に穴を開けます。六角が2mmなので2.5ぐらいで開けました。
穴に六角を挿したところ。さすがドンピシャ(自画自賛)
でも多少ずれても2.5mmの穴なんて目立たないんで、そこから仮に六角を差し込んでみて
中の六角がぶつかる感覚を頼りに修正した位置に開け直せばいいと思います。
実際左はそうしましたし。
それにホントに穴が毛足で隠れてわからなくなるので、私は目印に3mmのワッシャを
瞬間接着剤で貼り付けて目印としました。
これでいつでもここに六角を挿すだけで調整可能!すばらしい!
深さはホント15mmとか20mmとかなんで、私のように長い六角じゃなくてもいいです。
もう少し外かなーと思ったのと、差込の角度が起きてたら長くないと届かないんで
TIGで連結して長くしてあります。杞憂でしたが。
更に言えば六角がボールポイントのものなら穴あけももっとファジーにいけます。
多少ずれてても入りますし、調整のトルクなんていらないんでボールポイントで問題ないです。
完成系。
前半が全く意味の意味のない内容になってしまいましたが、
結果としたらとても満足いく結果になりました。
困っている方も絶対いると思うので、少しでも参考になれば幸いです。