コーナリング中の後輪操舵車の後輪は常に前輪の軌跡より内側を通る。舵角や速度にもよるが内輪差が生まれる原因。外側前輪はターンイン時に最も負担を強いられコーナリングが始まればさらに負担が増える。アンダーステアが発生する要因だ。
ターンインの瞬間には後輪に遠心力が働いていないから、後輪にスリップアングルが付くのは後輪が「前輪のいた位置」に到達した時になる。後輪にはホイールベース分遅れてスリップアングルが生じることになるから、ターンイン時のステアリング操作を工夫し前後輪にかかる負担の差を軽減することができれば、理論的にはアンダーステアを出さないターンインも可能になる。
そんなことができるか?間違いなく誰にでもできる。発進から停止までの前後輪のスリップアングルの合計が等しくなるような運転を目指せば、4輪を均等に使ったコーナリングが見えてくる。
フォーコントロールは、人間が目標にしてきたニュートラルステアのコーナリングを人為的に達成してくれるシステムだ。逆位相では内輪差を排除し、同位相では前輪にグリップ増加の源になるスリップアングルがつくと同時に後輪にもスリップアングルを与え、前後輪のグリップバランスをとる。逆位相でヨーモーメントの中心をホイールベース内に収め回頭性を向上させ、同位相では前後輪に疑似的に二つの回転中心を与えロール量を減らし4輪でのコーナリングを可能にしている。
4コントロールがついていないクルマでも、どうすれば4輪操舵装置がついているかのごとく運転できるようになるか考えて工夫を重ねると運転がますます面白くなる。
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Posted at
2021/07/21 15:39:04