
皆さん、こんにちは。
先日の予告に合わせ、これからコツコツと溜めていたネタをアップしていきますネ。
さて、施工から大分時間が経ってしまいましたが、念願のSmart closing 機能(キック・クローズ)のRetrofitに、成功しましたので、ここにご報告させて頂きます。
実現に際し、ミン友のnewguttiサンのご協力がありました事をご紹介すると共に、この場をお借りして、御礼申し上げます。 newサン、CAFDファイルのご提供、有難うございました。
それではまずは、結果を動画でご覧ください。
如何です?足を動かすだけで、リアハッチが閉じましたね。
さて、Smart closingの定義ですが、一般に、Comfort accessと呼ばれている機能、即ち、F34の場合は、
① FOB keyを持っていれば、ドアロックの施錠/開錠をドアノブへのタッチで行えること。
② リアゲートの開閉をリアバンパーの下で、足を動かすだけで行えること。(キック・クローズ)
の2操作を指す訳ですが、残念ながら私のMY2013のF34には、②の内、閉機能がありませんでした。
MY2014以降からは、閉機能も付属されていて、名実ともにComfort accessとなっているようです。
キック・クローズ機能の利点として、ラッゲージから重い荷物を取り出す時には、必然的に両手で持ち上げるため、テールゲートを閉じる時には両手が塞がっていてクローズ・ボタンが押せません。よって、どうしてもリアゲートを閉める時は、荷物を下ろした後、わざわざ、クローズ・ボタン操作をする必要があります。
特に、田舎へ帰った時なんかは、土産にコメや味噌を箱一杯、実家から渡されるもんですから、両手で取り出した後なんかは、足で閉めることが出来ればイイなぁと常々、思っていた次第です。
Dに変更できないか聞いたところ、こんな答えが返ってきました。
D:「そういう依頼が来ることはありますが、逆に困るケースもあるので、BMWドイツ本社でも、積極的ではなく、変更は難しいのです。」
ワシ:「困るケース?それって、どういうコト???」
D:「ハイ、荷物を積み降ろしている最中に、突然、テールゲートが下がってきて、挟まれたってケースが世界中でクレームとして報告されているようです。」
ワシ:「・・・・・」
D:「なので、miyaサンのような要求があることは確かですが、本国の指示で、対応はできないことになってます。」
ワシ「でも、現実に機能しているモデルもあるでしょ?」
D:「ハイ、それは認めますが、積極的に拡大する予定はありませんデス、はい。」
ワシ「・・・・・」 (´・ω・`)
こんな実験をされている御方がおられます。
実験車両はF31ツーリングのようですが、F34GTはこんなもんじゃないですよ。ホントに重量のあるリアハッチですから、相当な衝撃があるのは事実です。
まっ、挟まれるリスクより利便性を優先する私ですので、こうなりゃ、自力で変更するしかないじゃんと思い、いろいろ調べた結果、HKFMモジュールのファームウェア(F/W)のFlashing(書き換え)に辿り着きました。
① まずはドナー・カーのI-STEPバージョンをチェック。Smart Close機能のあるF34車両のCAFDファイルを確定します。(これはnewguttiサンからcafdを提供して頂きました。)
② 対象モジュールはHKFMです。
③ 私のcafdはCAFD_0000157F_008_000_003.ncd。一方、newサンのはCAFD_0000157F_008_001_006.ncdとバージョンが上がっていました。
④ NCD/CAFD Toolを使って自車輛のCAFDと比較してみると、HKFMでは追加パラメータがあることを発見。即ち、F/Wも異なる訳です。
⑤ 次にターゲットのI-STEPに合わせたPSDZDATAを準備。I-STEP表から該当バージョンを探すと、自車はv50.4でしたが、変更対象は54.1でした。
⑥ そこで、車両のHKFMのファームウェアを、50.4から54.1へ書き換えちゃうことに決定。
⑦ F/Wの番号は、旧がSWFL0000157C_010_001_000で、新がSWFL0000157C_010_004_000です。
⑧ ここからE-sysを使ってFlashingする訳ですが、結構細かい操作があって、とても書ききれませんので、概略だけ述べます。
⑨ 車輛から、FA,ECU,SVTを読み出して、
⑩ I-STEPのTargetをv54.1(F20_14_11_502)にセットしたらCalculateしてSVTとTALをセーブします。
⑪ “expert mode” の “TAL-processing”にて、セーブしたSVTとTALを呼び出して、“blFlash” & “swDeploy” & “cdDeploy”にチェックを入れて、Startを押す。
⑫ 途中、エラーがポンポン出ますが焦らない。Rheingoldにて後で消去できます。
⑬ こんな画面が出て、3分ほどで終了。

⑭ SVTを読み出して、HKFMのCAFDとSWFLの番号を見てみると・・・。ハイ、変わってました。
変更前:
変更後:
⑮ あとはCodingでパラメータを変更して終了です。
【所感】
・本来、Falsh作業は安全のため、バッテリーチャージャーを繋いで行うようですが、私は持ち合わせがなく、ファイルサイズから長時間はかからないだろうと決め込み、半ば博打状態で実施しました。幸い、想定通り、3分程度で終了しましたが、これがFEM_BODYやREM等の大容量の場合は、計算上、30分以上は必要になるので、その際はチャージャーが必須でしょう。
・Smart-Close機能の再現性に若干、難があります。例えば、ゲートをキック動作で開けた時は、その後時間をおかないとキック動作では閉まりません。逆に、リモートキーのトランクオープンで開けた場合は、必ずキック動作で閉まります。又、運転席下のスイッチで開けた場合も、キック動作で閉まります。きっと、電圧チェックやセキュリティと何か関連があるかもしれません。又、FEM_BODYやREMのF/Wバージョンも違うことは判っていますが、Flashはしていませんので、その影響かもしれません。
・純正のSmart Close機能では、閉まる際に注意喚起のブザー音が鳴りますが、私の場合は無音です。REMのユニットも交換する必要があるかもしれませんが、流石にそこまで必須の機能では無いので、放置してあります。
・電動式ハッチバックのモデル(3ツーリングや4GCなど)の方々と、情報交換できればと思っています。宜しければ、製造年月とキック・クローズ機能有無とI-STEPバージョンとCAFDファイル番号(FEM_BODYとREMとHKFM)をお知らせください。
とうとうFlashingにまで手を出してしまいましたが、購入依頼2年を過ぎて、Codingにより随分、自分好みにカスタマイズできたなぁと悦に浸っている今日この頃です。
では。