
【前回のあらすじ】
阪九フェリーで九州へ。
* *
翌朝。

新門司港着まであと1時間。

入港が近づくと、おもむろに船首に旗を立てる。

そのまま入港し、接岸作業へはいる。

4月29日(火)
早朝6時、下船を開始する。
これで3年連続で、5月の大型連休には九州に上陸している。

新門司インターから九州道に乗り、一路佐世保へ。

8時前に「基山(きやま)」というサービスエリアで朝食にする。
ここで食べたいのがあるのだ。

食べたいのは、じつは「うどん」。
なにやら最近、福岡ってうどんが流行ってるらしいですね。
私が30年前に北九州にいたときは、うどんなんて4年間のうち一本たりとも口に入ることはなかったですけどね。
そもそもうどん屋なんて、近所に一軒もなかったし。(たぶん)
時代が変わったなあと。
で、いったいどんなうどんなのか食べてみようと。
『かしわうどん・かしわおにぎりセット』(960円)

これがね、けっこううまかったんですよ!
もう、びっくり!
うどんは、さぬきうどんみたいなコシもないし、モチモチ食感でもないんですがね。
ダシがうまいんですよ。
甘辛いんじゃなくて、超甘だしと表現していいのか。
肉汁の脂でコクと旨味もあって。
うまいわあ。
かしわおにぎり。
いわゆる「かしわめし」というのは北九州名物なんですけど、手っ取り早くいうと、「鶏ごぼう炊き込みご飯」です。
私も昔住んでた時、近所のスーパー「サンリブ」で、まさにこのようなパックのかしわおにぎりを当時120円でよく買って食べてました。

かしわとは、九州で鶏肉とくにモモ肉を指す言葉。
そういや私の母もむかし「かしわ」って言ってた。
ただし、炊き込みご飯は炊き込みご飯であって、それを「かしわめし」と母は言わなかった。
以上はかなり余談。
いやあ~、ご当地グルメの話すると止まらなくなるね。
鳥栖(とす)JCTをへて、長崎道に入る。

↑さらに武雄JCTで西九州道に。
佐世保らしい風景が見えてくる。

佐世保に着いたら、まずは
弓張岳(ゆみはりだけ)展望台より佐世保全景を望む。

あとであそこに行きます。クルーズ船で。

↑米海軍と海上自衛隊の基地になってます。
さらに右手には、九十九島(くじゅうくしま)。(の一部)
無数の島々が広がる多島海。西海国立公園です。

次に向かったのは、弓張岳をおりて、ココ。
SSKのドック、有名な「第4ドック」がみえるとこ。
ちなみにSSKは野球のバットの会社ではなく、佐世保重工のこと。

この第4ドックは、太平洋戦争はもちろん、
なんと日露戦争時には連合艦隊の修理もやったという、
歴史あるドック。
いまなんか修理中だな。なんの船だろう?
と、ちょっと移動したらなんと、
JAMSTECの「ちきゅう」という船だった!

じつは私、このドックめあてに、ここに来たんじゃないんです。
ええ、じつはですね、ここから右手に200メートル行った先、赤崎という地名なんですが、そこが父の出生地なんです。それで来たんです。ドックのほうがじつは「ついで」なんです。

【佐世保 軍港クルーズ】
波止場のパーキングに車を停めると、
すぐ目の前がクルーズ船の乗り場。

ネット予約済みなんですが、チケットは現地で買わなきゃいけない。
でもどこで売ってるのか皆目わからない。
案内もないし、ウロウロその辺を歩きまわる。

あ、ここ佐世保バーガーで有名な店だな。
(本店ではなく、2号店ですが。)
クルーズ終了後に寄ろう。
しかし、肝心のチケットはどこで売ってんだァーーッ!

さんざんウロウロしたあげく、ようやくわかった。
なんと、JR佐世保駅の観光案内所で売ってた。
そんなん、わかりませんがな。

2,500円払ってチケットを受け取り、乗り場に急ぐと
なんかもうみんな、シッカリ乗船完了している!?
フフッ・・、でも決してあわてたりしませんよ。
逆にゆっくりしてやる!!
こんなふうに写真をゆったり撮って、焦らしてやる!!

だってもう、どうでもいいじゃないですか。
いい席の確保なんて絶望的なんだから。
と、なかばデスパレート気分で乗り込んだら、なぜだかわかりませんが、
「前のほう空いてますよ」
と誘導され、なぜか船のいちばん先、舳先を陣取ってしまう。
いちばん最後に乗船したくせに、いちばんの特等席を取ってしまうカタチになってしまい、周囲の視線が痛い。

出港前に船長による軽い挨拶がはじまる。
この状況では誰しも、この人を船長だと思いこむだろうが、
大・まち・GUY!
この人は船長ではない。
あくまでも案内人、ガイド役である。
船長はべつにいて、漁師みたいな咥え煙草の兄やんが乗り込んできて
操船を始めた。すると乗客たちがいっせいに、
(ちがうやん!あの人船長じゃないやん!)
みたいな空気になった。
人を恰好だけで判断したらいけませんという話。

11時半、いよいよクルーズ開始。
帰航予定は1時間後。

手を振ってくれる子どもたち。

港内をゆっくりすすむ船上で、
ガイドの話がさっそくためになる。
「在日米軍の関連施設は、おおむね屋根あたりが緑色をしている」
うわ、ほんとだ。なるほど~。

やがて巨艦が目の前にあらわれる。
『強襲揚陸艦 アメリカ』

なんだか空母みたいですが、空母とはちがいます。
強襲揚陸艦とは、手っ取り早くいうと、特攻野郎Aチーム。
岸壁を使わずに、兵器や車両を力づくでなんとか陸(おか)に揚(あげ)る。
砂浜のビーチにスザザーーッと船ごと上陸して前扉がガパッと開いて戦車がダラララと上陸するのもあるし、
この艦のように、ヘリで兵士や兵器を輸送するのもある。
だから一見空母にみえるのだ。

で、そのとなりにわが国が誇るヘリ空母。
『 ヘリ搭載型護衛艦 い せ DDHー182 』

ファランクス(対空用20㎜機関砲)がみえる!
これが見たかった!
白いタンクみたいなのは弾が入ってるようにみえますが、ちがいます。追尾用レーダーです。
あと、どうでもいい話ですが、CIWS(シーウス)ともよばれるが、私はファランクスという呼び方がすき。
↑下の画像は、かわぐちかいじ「ジパング」(2000年)の第6巻より。
かわぐちかいじは、この「ジパング」のあとに「空母いぶき」という漫画も描き、現在も連載している。
ようするに、かわぐちかいじという漫画家は1988年の「沈黙の艦隊」からずっと、海上自衛隊の護衛艦ばかり描いてる人なのである。
かわぐちかいじ好きとしては、この「軍港クルーズ」はどちらかというと、「軍艦クルーズ」であり、いずれにせよ私にとって至福の時間を体感できるのだが、わたし以外のミリタリー好きじゃない人はなにゆえこのクルーズに参加したのか不思議に思う。
「いせ」の勇姿をしっかり目に焼き付けようぞ!

「いせ」のとなりは、
「こんごう」と左にかくれてるのが「みょうこう」。
いずれも’90年代、わが国初のイージス艦。
イージス艦とはなにかと言いますと、イージス・システム。
SPY-1防空レーダーで敵機を探知したらシースパロー・ミサイルで速攻、撃墜しちゃいますよ、後は知りませんよシステム。

「ジャイアント・カンチレバー・クレーン」
長崎の三菱重工業にあるが、佐世保にも同じのがあるのか。
同じヤツ?

↑さっき見た「第4ドック」の「ちきゅう」を海上から。
そこから波を蹴立ててクルーズ船ははしる!

すると沖合で、
奇妙な3本柱の塔がみえた。
ええ、これは「針尾送信所」です。
なんで驚かないかと言いますと、じつは旅の直前にJAFの会報でみて既知なんです。そんでもって、このあとあそこに行くんです。

護衛艦の錨泊(びょうはく)地にやってくる。
ちなみに私は、艦が港に着岸せずなにゆえ沖合で錨泊しているのか、いまだに理由がわからないのです。
↑一隻の護衛艦に近づいていく。
すると、隊員が手を振ってくれる。

こちらでも。
しかもよく見たら、帽子を振っています。
この「帽をふる」というのは海軍だけの習慣なんですよ。
艦首まで移動してきた。
艦番を確認することができる。

艦番を確認せずとも、ガイドさん(さっきのニセ船長)がぜーんぶ艦名からなにからなにまで説明してくれます。
『ミサイル護衛艦 あしがら DDG-178 』(2000年代の艦)

そこからシュバババーーッ!と移動して、
『あきづき DD-115 』(2010年代)
※さっきの「あしがら」よりも2,000トンほど小さめ。
どうもオレ、さっきから左右どちらか見切れた写真を撮ってしまうな。
クルーズ船が絶え間なく揺れてるんで、撮りにくいのもあるかも。
港に戻ってくる。
左から、
『あけぼの』『さわぎり』『はるさめ』

そこから舐めるようにして艦橋へ。
撮影サービスタイムです。
↑これは魚雷発射管です。
ガイドさんが、
「対艦ミサイルの~」というので、あっとなった。
そうだ。これ、「ハープーン 対艦ミサイル」の発射筒だ。
ボケっとしてたら見過ごしてしまうな。
だって、ハープーンって書いてないし。
↑ここがヘリの格納庫。
「アスロック 8連装発射機」
ASROCとは、アンチ・サブマリン・ロケット。
魚雷にロケットつけて、バシュッ!と発射して、パラシュートで海に着水して敵潜水艦を追う。
↑またも「ジパング」第1巻より。
帝国海軍少佐・草加はイージス艦からアスロック発射を目撃する。
水中に放たれた魚雷は自動追尾で米潜水艦にむかって突き進む。
1時間かけて、湾内の護衛艦ぜんぶまわって、クルーズ終了。
しかし、ほんとうにオレ以外のみなさん、こんなの見て面白いの?
余計なお世話ですけど。

【佐世保バーガー】
注文するのにたっぷり30分。
また注文してからが、長くかかりそう。
店内で食べられるならと、ジンジャーエールも頼む。
240円。強気な値段である。
それにしてもジンジャーエール、ン十年ぶりに飲んだな。
いま脳内に稲垣潤一の曲がかかっている。
↑それにつけても、待たされるッ!
あまりにやることないので、こっそり厨房のぞいた。
結局行列にならんで食べるまで、小1時間。
よっしゃー! キタキタッ!!
さあて、830円の佐世保バーガーのお味は!?

イヤ、うまい。めっちゃうまい!
本格的なバーガーって、こんなうまいのか!?
さてこのあと佐世保を離れ、長崎市に向かいます。

今回の旅のブログは全4回。
次の第3回はいったん、泊まった宿のお話。
軍艦島はそのあとで。
ご期待ください。
Posted at 2025/05/06 18:51:01 | |
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