今回の旅の目的は、登山。
北アルプス・唐松岳を
めざして、
長野・白馬村に
まいります。
地図にするとこんな感じ。
和歌山を午前3時に出立。
午前5:40、名神高速・草津PAにて。
早朝といえど、バナナとSA名物「挽きたて珈琲」だけじゃ、腹の虫がグーグー鳴ったので、ちょっと早いが朝食にする。

↑ただのうどんじゃなしに、「肉うどん」を頼んでみる。べつにふんぱつしたわけじゃなく、なんとなく肉うどんが食べたかったので。
ふだんこの草津PAには立ち寄らない。
個人的に禁忌(タブー)だったんです。
ここのサービスエリア、本線への出口に新名神に入るジャンクションあるでしょう。
はじめて利用したとき、本線にもどろうとして、あやうく新名神に入りかけて。
なんでこんな錯誤しやすい設計するかな。
逆走をうんぬん問題視するまえに、PAの設計を全面的に見直すべきだとおもう。
中央道から諏訪湖の手前で長野自動車道へ。
安曇野で下ります。
今回知ったんですけど、高速このままのってると長野市に行くんですよね。白馬村に行くには安曇野で下りなきゃならないですよね。長野市なんて、善光寺しかないのに。(←偏見) 白馬村にも、あと黒部ダムで通る大町方面にも高速通しておけばよかったのに。(すみません。最近自分の都合のいいようにしか考えてなくて)
安曇野で下りたら、ぜひ立ち寄りたい名所があります。
【大王わさび農場】

↑豊富な湧き水がわさび田をうるおし、
湧き水飲み放題。

清冽かつ豊富な地下水がこんこんと湧出する安曇野では、
ときとしてこのような幻想的な光景を生み出す。
『安曇野“水”紀行 ~水と緑の生まれる地で~』
AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR/
60mm/f4(1/60秒)/PLフィルター
↑左にあるのが、名物の水車。わかりにくいが、3連水車のうちのひとつ。
私、4年前の2016年にもこの場所を訪れたんです。
もういちど、おなじ場所でおなじ写真が撮りたくて。
今回特別に立ち寄りました。
ふだん、おなじとこ2回も行かないんですけどね。
4年前とどれくらい写真が変わったかなあって。
前回とのちがいは、
①当時はシグマの70-200の望遠レンズ買ったばかりで使いたくって。でも、よく考えたら風景はおもに標準域ですよね。
②当時は持ってなかった「PLフィルター」を今回使用。白飛びが完全におさえられて緑あざやか、水面の描写力も格段にアップ!
③前回はあわてて撮ったので、絞りをしぼらずうっかりF値4にしてしまい、あとで勉強したら風景写真撮るならやはり絞らないと。でも、さらに研究を深めると、風景でもしっとりキッチリ撮るなら絞って、逆に幻想的に撮るなら絞り開放で撮るんじゃないかと考えるようになった。開放はチトこわいので、今回は前回とおなじf4で。
さて、眼の前の風景に話を戻しますと、
ふたつのカヤックはやがて
二つの川が合流する地点に向かいます。

おどろくべきことに、こんな至近距離で二つの川が合流してます。
手前が蓼川、むこうが万水(よろずい)川です。
さらにおどろくべきは、手前の蓼川はこれが信じられない話ですが、100%湧き水からなる川なのだそうです。

マジかよ・・・。スゲエ。
二つの川はやがて犀川で合流し、さらに千曲川となって日本海にそそぐ。
なんかね、もう・・・。感極まって、ため息がでる。
こういうの、すごい好き。
安曇野って、まさに「水の生まれる地」なんです。

お昼は、ここの名物の「わさび丼」でも。
ドラマ「孤独のグルメ」に登場したメニューを、ここで食べることができるんです。
と思ったら、この行列!
園内のレストラン・そば処はすべて長蛇の列!
仕方ない。わさび丼は前回食べたし、今回はお昼抜きだ。
ノーランチでフィニッシュです。
* * * *
そこから北上して、
【木崎湖】と【青木湖】にも立ち寄ります。
位置関係を地図にするとコチラ。

この木崎湖と青木湖に立ち寄ったのには理由があります。
じつはこれがまた、私がよくやるいつもの聖地巡礼なんですね。
【木崎湖】

私の好きな松本清張の作品で、『影の地帯』という推理小説に出てくるんです。
この小説がまた古いんですよ。
昭和39年ごろ、東京オリンピックや東海道新幹線開通の時代の推理小説。
主人公はカメラマン。
事件の謎の追っていくうちに湖に立ち寄る。
湖畔にいると、
「ボチャン!」
という、何者かが湖になにかを投げ入れた水音。
湖面に広がる波紋。
ここからミステリーの度合いがグッと深まる重要なシーン。
いったい誰が?何の目的で?こんな静かな湖面になにを投げ入れたのか。
まあ、いまはずっかり観光地化されてますが。
昭和30年代は、湖に物を投げ入れたら目立つくらい、しずかな場所だったんでしょう。
で、主人公が事件を追っていくうち正体がわかる。
湖に投げ入れたのは木箱。
それも、中身はパラフィン詰めにされた人間の・・・。
という、当時としてはかなりセンセーショナルな内容だったのでしょう。
私がこれを読んだのがそれからずいぶんあと。
ですが、10代20代のころの私としては、
(青木湖、木崎湖ってどんなところだろう)
と想像したものです。
いまその念願かなって、ここにいるわけですが、
マジでリゾート地みたいになってますね。

【青木湖】
主人公が何者かに狙撃される場面があるんですけど、こんな感じの場所かなあ。
まあ今の時代、湖畔から昭和39年ごろの面影をさがそうたって、そうそう見つかりそうにないですが。
神秘的な(?)ふたつの湖をあとにし、白馬村に向かいます。
* * * *
で、ちょっと余談なんですが、
木崎湖から青木湖に向かう途中。
アクセルを踏んだ瞬間、木崎湖のほとり、幹線道路ぞいにでっかく「山野草」という文字をみつけ、思わずブレーキに足がかかる。
【北アルプス植物園】
ほんとうにこんなところで山野草なんか売ってんのかよ・・・。
半信半疑で中に入ると、

うわっ!本当にあるわ!

えっ、ウソっ!?コマクサとかあるの?「乗鞍岳」で咲いてたやつだよ!
最近この山野草にガゼン関心があって、もしかしてどこかで売ってないかなと思い、先月奥飛騨行ってきたとき、岐阜・高山周辺の「道の駅」や産直販売などあたってみたがどこにもなかったのだ。
まさかこんな木崎湖のほとりにあるなんて!
雪割草もある! これ咲くの?ほんとに咲くの?
作家・五木寛之似の店主がでてきて、
「来年3月ごろになると咲くよ」
という。
大喜びで、あさっての帰りにくることを約束する。
結局、帰りに上の2種をそれぞれ3鉢づつ買って帰りました。
店主から世話の仕方をおそわると、
・日にあてない。
・水分を絶やさない。
の二点だけで、わりとかんたんらしい。
私はふだん観葉植物とか興味もないが、この山野草だけは特別。
いま、これを書いてるパソコンのとなりにコマクサと雪割草がならんでいます。
* * * *
さて、長野・白馬村に到着しました。
駅前から西、山の方角へいく途中でパチリ。
ははあ、あれが有名なスキーのジャンプ台だな。
白馬村はなぜか道がごちゃごちゃ入りくんでいて、じつはこの時点で道に迷ってます。ははあ、スキージャンプ台だなとか言って、のんきに写真撮ってる場合じゃない。
ホテルはどっちだ?
最後のさいごでドライバーがナビの言うことを信用できなくなったとき、旅はいっそうの混迷をきわめる。
やっとで、ホテルの駐車場に到着!
ふぃ~、やっと着いた。
寄り道やらで13時間かかっちまったい。

たいがくかん
【ホテル 対岳館】
ホテルにはいると、フロントのわきに
↑大きなのっぽの古時計が宿泊客を出迎えてくれる。
ここの経営者・館主の当ホテルにたいする思いというのが、感じとれる瞬間である。
そのわきの、これまた極シブのなんともいえない階段をあがって2階へ。、

部屋はこじんまり。イヤ、ホテルそのもののカッコ良さから比べると、一段落ちたかのよう質素感はぬぐえない。
↑部屋の窓からのながめ。
よそのホテルがみえる。
さすがにぜいたくに、マウンテンビューとはいかない。
2階にはラウンジとよばれる大広間があり、正面にインテリアの細工をほどこした書棚、両サイドにはスキー関連の品が所せましと飾られている。
ふるいスキー板やなにかの大会のメダル。上村愛子のサインもあった。
ちょうどカメラをかまえたとき、サツキとメイちゃんが走り回って遊んでいた。

いったん階段を下ります。
手すりの代わりに、お、なんだこりゃ!?
綱引きの綱みたいなのが手すりになっとる。
↑フロントロビーの正面がパティオ(中庭)なっており、さっきまでちびっ子がハンモックに揺られていたが、カメラを撮りに行ってるあいだにどこかに行ってしまった。
ホテルの玄関にテラス。

テラスから白馬・八方尾根がみえる。
リフトってこんな感じか。
明日はあそこまで一気に上がるんだな。

テラスのそばに湧き水があった。
これはうれしい!
湧き水のでるホテルっていうのも、すごいな!
明日の登山用の水もここで汲めるし、部屋で飲む水もここで!
ウヒヒ・・・、湧き水飲み放題。

と思ったら、部屋の冷蔵庫に湧き水がサービスで冷やしてあった。
なんだ、あったのか。
ちなみにホテル内で使用される水はすべて湧き水。
すげえ。湧き水天国だ。
さあ、温泉地に来たんだから、温泉に入らないと!
ここは白馬八方という温泉郷として名高い。
中庭とダイニングのあいだをすり抜けて行くと、

露天風呂がある。
ふぃ~、極楽ごくらく。
日頃の仕事やらなんやら、いろいろ疲れが癒されるぜ。

やがて、北アルプスの尾根に日は落ち、

おたのしみの夕食です。

まずはプレミアムモルツで喉をうるおす。
さすがに生ビールはなかったみたい。
『サーモンのパロティン カニサラダ包み 』
な、なんだこの料理は?
どうやって食べるの。
そもそもパロティンってなに?
外側のサーモンをとってみると、なかにあるのはシーチキン?じゃなくて、これカニだ!

『スズキのグリル ブルーチーズソース 』
チーズというより、濃厚なシチューをかけて食ってるみたい。
なんかうまい。
ワインは、「若旦那のお薦め」にしたがってたのんでみた。
スパークリングワインにハーブ(にわとこ。にわとりにあらず)で割ったという、
『ホルンダーゼクト 』
名前が必殺技みたいで無駄にカッコいい。
味はなんだろう、この味どっかで・・・。
そうだ。オロナミンCの味がする。
『仔牛肉のサルティンボッカ 』
だからサルティンボッカってなに?
よくわからないが、ハーブの肉巻き料理ってかんじ。
これがうまいのだ。
ワインを追加で頼むくらいに。
ワインがススムくん。

メインの肉料理がでたのと同時に、おひつのご飯も供される。
(もう、ご飯か)
と思ったが、ふと見るとメニュー表のおさえに、なぜかはじめから飯茶碗がおかれている。
一種異様な光景というか、不思議に思っていた謎はのちに解明される。

ナイフとフォークで気取って食べると食事に集中できないのがイヤで、サッサとナイフで切ったあと、お箸でバクバクくっていた。我ながら、
(作法もなにもあったもんじゃないな)
と自らを恥じたが、ここではなんとそれで正解だったらしく、あとで聞いたが当ホテルの食事は、
「お箸でたべる洋食」
というのがコンセプトなんだそうだ。
だから、メインをおかずにご飯食べていいらしい。へえ~。
その考えは、はっきり言ってオレごのみだな。
デザートはチョコレート。

ちなみにこういう場所で私はひとりで食ってました。
平気です。
これくらい肚をくくっていかないと、世の中渡っていけません。

こうして、白馬村の夜は更けていきます。

* * * *
翌朝。8月21日(月)
ありゃ。
朝からガスってますな。
今日は晴れるかな。
まあ、雨は降らないっていうから大丈夫でしょ。

朝食をいただく。
朝食は7時から。
山登るんで、はやめにいただきたかったが、7時から。

和食のほかに、当ホテル自慢のジャム3種(プラム、ブルーベリー、リンゴ)を、

ライ麦パンでいただいたりもできる。

うーん、デリシャス!
イヤイヤイヤ!
優雅にタップリ朝メシ食ってる場合じゃないでしょ!
いまから山に登るんでしょうが。
さあ、このあと怒涛の登山の幕開けです。
次回はいよいよ、唐松岳。
ご期待ください。
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Posted at
2020/09/26 19:04:42