• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

RicoAlfaRomeoのブログ一覧

2019年09月15日 イイね!

奈良・大峰山に登る

奈良・大峰山に登る前回のブログで私は、

「二度と登山なんかしない!」

と放言しましたが、その舌の根が乾かぬうちに、

今回はこんなところに来てしまいました。

  *  *  *  *  

奈良県・天川村にある

洞川(どろがわ)温泉

その奥に『ごろごろ水

という有名な湧き水の汲み場

があり、その有料駐車場。
alt

湧き水を汲むひとは1時間500円、わたしのような登山客は1日分として1,000円を払うと、すこし離れたところに停めることができる。VIP待遇である。
alt

ちょうど一ヶ月まえ、わたしは乗鞍岳で岩場にしがみついてました。

頂上付近のガレ場で、必死に岩にとりつきながら、

(これはあとでかならず悪い夢を見る)

と思いました。
せまくて高い岩場で足がすくんで下りられない、という悪夢をたまにみるからです。

ところがじっさいには、そんな悪夢はいっさい見ず、むしろ気分爽快な夢をみたような気がする・・・夢の話なので記憶があいまいでうまく説明できませんが、

・・・あのとき感じた山の険阻さ、足がすくむ「恐怖」が、帰ってみればその裏返しにあった「快感」をひしひしと思い出すようになり、またなんでもいいから登山したくなりました。

昨年の紅葉で訪れた『みたらい渓谷』。
それがここ奈良・天川村でして、

(そういえば登山客がたくさんいたな)

という記憶をもとに調べてみると、ここ大峰山(おおみねさん)は日帰り登山にうってつけということがわかりました。

地図にするとこんな感じです。
奈良県・南部。
紀伊半島、紀伊山地のほぼ真ん中あたり。
alt


下調べは十分にやったつもりのですが、ルートや登山口がよくわかりません
googleマップに出ないからです。

案内の看板を食い入るようにみます。
登山口は、「ごろごろ水」と「母公堂」のあいだか。
alt

これがごろごろ水。
ただし採水は禁止されてます。
駐車場つき水汲み場がべつにあり、そこまでパイプで湧き水をひいてあるのです。
そのもようは最後にでも。
alt

山野草の『ハガクレツリフネ』が群生するなか、湧き水がこんこんと湧出するさまは、なんとも私ごのみの風趣で、さながら箱庭、ちいさな庭園のよう。
alt

登山口はここから母公堂のあいだ、とぶつくさ言いながら歩いていくと、

「ん?」
alt

ありゃ?母公堂についてしまった!
なんで?登山口なんかなかったケド。
alt

おもわず、そばにいた人にきいてみる。
お参りしていた50代の夫婦。

「登山口ってどこなんですか?」

いくら切羽詰まった状況といえ、そんなの知らない人にきいたってわかりませんよね。
ところが、旦那さんが、

「たしかこっち・・・」
というのでびっくりした。
「ご存知なんですか?」
「3年前に登ったから」
「登ったんですか」
「イナムラだよね」
「稲村ヶ岳です」

来た道をもどります。
ここ通ったんやケド、と思いつつついて行くと、
ありました。登山口。
alt
もうね、もだえましたよ。
わたしは視野狭窄というか、ホント馬鹿ですわ。
これだから初心者は。先が思いやられる。

旦那サンには、手を合わせるようにして厚くお礼を申し述べました。

うわ、こういうとこ登って行くんかい・・・。
誰も登ってる人いないんですけど。
あってるよね?
alt

で、今回なんですけど、ちゃんと装備を整えての登山なんですよね。

まず、登山用のストック買いました。
alt
アマゾンで3000円くらいのやつ。
衝撃軽減のバネ内蔵で、手元がコルク素材。

これがめちゃくちゃイイ!
ストックってすごい!便利!
これあるのとないのとでは、ぜんぜんちがう!

前回の乗鞍岳のブログにコメント寄せていただいたなかで、
みん友さんでウラッドピットさんが、
・・・このウラッドピットさん、わたしが乗鞍岳にいたほぼ同時期に偶然おなじ北アルプスの白馬岳に登山されてたんですが、
ストックの有用性についてコメントいただきまして、それによると登山でストックはやはり必要。

四足歩行してるのとおなじだから!」

だそうで、そうなんだ!?
するとこれがまったくおっしゃる通りで、まさに、

四本足になった気分」

足元かなりヤバめなところでも体を支え、バランスをとり、安全・安心・確実に登ることができる。
すんごく助かる。

こんないいものだったなんて。
もっとはやくに持っとけば、今までの写真撮影で必要なシチュエーションなんて山ほどあったのに。

あともうひとつ。
トレッキングシューズも買いました。
alt
これはネット通販ではなく、近所のイズミヤで。
5,000円くらいのを。
ストックは前々日に届き、これは前日に買いました。
なんか調子に乗ってますが。
まァ、初心者なのであえて安めなのをみつくろいました。

こういった装備で山のなか、奥深くへ。
alt

今回むかうは、稲村ヶ岳の方向。
alt

ちなみに大峰山という山はありません。
山上ヶ岳(1719m)、八経ヶ岳(1915m)などひっくるめて、大峰山というそうです。

アレですね。八ヶ岳といっしょですね。南アルプスの。八ヶ岳という山はない、みたいな。

それにしても、歩けども杉木立ばかり。
そりゃ有名な奈良・吉野杉の産地ですから、当然といえば当然。
で、いっこうに眺望がひらけそうにないですね。
alt

第一チェックポイント、
法力峠」に到着!
alt
 
第一もなにも、チェックポイントはここしかない。
alt

「時刻!午前11:00!」
alt

登山開始が9時半だったから、ここまで1時間半登りっぱなしだったのである。
しかも有酸素運動で。
すこしは瘦せただろうか。

「標高!1,200m!」
え、そんなに?どうせくるってるのだろう。
alt

・・・このあと、大失敗をやらかします。

スマホで「ハイドラ」を立ち上げてたんですが、
なにしろド素人もいいとこ初心者なのモンで、帰り道まちがえて遭難しないか不安で、まさかヘンデルとグレーテルみたいにパン屑まくわけにもいかず、こういうときは文明の利器、

googleマップのタイムラインを、とおもったのですが、いまいち使い方がわからない。
結局われらが味方、ハイドラを起動してたのですが、

法力峠から20分ほどあるいて、ハイドラを「休憩」から「再開」にするのを忘れてたとリュックをあけると、スマホがない!

さっき法力峠で休憩したとき、うっかり地面においたままおいてきたのだ。

うああああ。冗談だろ・・・。
来た道をもどるのか。
20分を捨てるのか。
くっそー。
自分の馬鹿さ加減に腹が立つ。

ほっとくわけにもいかないから、いったん下山。
法力峠につくと、自分が休憩した場所をみる。
が、スマホがない!
アレッ!?と思ってもう一度あらためてリュックのなかをさがすと、ありえない奥深さにスマホがあった。

うああああ!
ちょっと頼むから勘弁してくれ。
自分の馬鹿さ加減に、腹立ちを越えてめまいがする。
かなりヘコむ。

ふたたび行路に復帰するが、トータル30分のロスが両脚に重くひびく。
alt
ときおり登山客とすれちがう。あるいは追い越される。
このとき、女性の登山客がいないことに気づく。
もしや女人禁制なのか?
と思ったら、あとで女性の姿はみました。
女人禁制なんて、昔のはなしです。

気温は30℃。
平地よりいくぶん気温は低いはずだが、残暑のせいか山地の湿気のせいか、汗が滝のようにながれる。首のタオルがあっという間に濡れそぼる。
alt
水は念をいれて、1.5ℓを携行。
携行といえば、今回もまた懲りずに、
デジタル一眼レフカメラを携えてます。
それがわたしのブログ・ポリシーだからです。

余分にかさばるカメラ・レンズ1.2kgの重量を肩に食い込ませながら、
山野草を探しながら登ります。
これも登山の楽しみでしょう。

アキチョウジ
alt
おそろしくちいさい。
清楚なたたずまいで、足元に咲いててもなお気づく。

シコクブシ
alt
シコクブシのブシというのは附子、いわゆるトリカブトのこと。
水辺に咲いてた。

シシウド
alt
これも水辺に。
和名はダサいが、学名は「アンゼリカ」と可愛らしい、

さて、とちゅうこのような鉄の鎖が。
難所ごとに張られています。
alt

さすが修験道の山です。
自分も行者(修験者)になった気分。
alt

ちなみに行者とは、みなさまもなんとなくごぞんじだと思いますが。
映画のワンシーンから。
alt
・・・山野をくまなく跋渉し、折にふれ真言を誦し祈禱する。

「ノウマクサンマンダーボダナン、
 オンバザラキリク、ソワカ!」
alt

こういう人たちって、なんでこんなことやってるだろうと昔から疑問でしたが、最近ようやくわかってきました。

おなじ映画のワンシーンから。

映画「剱岳 ~点の記~」(2009年)より。
alt
(主演・浅野忠信、香川照之のこの映画。上の行者役も有名な俳優さんですが、よーくみたら誰だかわかりますよね)

上下とも立山のシーン。
そう、北アルプスの立山です。
こんなに行者であふれてたんだ!
これじゃまるでツアーじゃん。
修行じゃないよ。
alt

今では「立山黒部アルペンルート」の観光地として私も行きましたが、すごい観光客が押し寄せてるのは、なにも交通手段が発達した近代だけの話ではなく、

まあ映画は明治時代が舞台ですが、きっと昔からこんな感じだったのでしょう。

つまり、登山に今も昔も変わりがないのです。

そうなのです。
行者というのは必ずしも「苦しい修行にはげんでいる」のではなく、

「楽しー。山登りメッチャ楽しー」

とウキウキ気分で、山野を駆け巡ってたのです。

え、めちゃくちゃ言うなって?
まあ、ちょっと考えてみてください。
たとえば、マラソンあるじゃないですか。スポーツの。
マラソン中継などみてたら、
(苦しそうに走ってるなー)
とふつうの人は思いますよね。
でもちがうんですよね。
マラソン走ってると、しだいに脳内にドーパミンが分泌されるから、ええ、脳内麻薬物質ですね。選手本人たちは、

「気持ちいいー。メッチャ気持ちいいー」

いいながら走っとるわけです。本当です。
でなけりゃ、42.195キロも走りませんよ。

・・・以上、つい余談が長くなりましたが。

さて、登れどもさっぱり眺望がひらけるようすがないこの登山。
なんか、思ってた登山とチガウ。
いっこうに変わりばえせぬ風景にだんだん飽いてきました。

とうとうすれ違った登山客の男性に、

「山小屋まであとDon't cryですか?」

ときいてしまいました。すると、

「あと少しですよ。崩れ落ちそうな橋からすぐです」

”崩れ落ちそうな橋”ってなんだ!?
なにその不吉なネーミング。
崩れ落ちそうなのは、わたしの人生だけでじゅうぶん。
まったく、縁起でもない!

気力をふりしぼって、10分ほど歩いたら
これかー。なるほどたしかにみごとに崩れ落ちそうだ。
自分の生きざまをみているようだ。
alt

このあたりから突然、植生に変化がみられる。
杉からクマザサが生い茂る。
やがて、風景がひらける。
おっ!?
alt

やった! 山小屋に到着した。
alt
 
稲村ケ岳山荘
alt
ちゃんと宿泊もできる、本格的な山小屋です。

「到着時刻!午後1時!」
alt
行きになんと3時間かかった。

「現在地標高!1,487m!」
え、そんな高いの!?
alt
・・・あとで調べたら、山小屋の標高は正しくは1,545m。狂い杉。

山小屋の入り口まえに、お茶のサービス。
ヤカンを持ち上げると、なかはすでにカラ。
みんな飲んじゃったみたい。
alt

まあ、かまいません。
いま飲みたいのは、ちめたいスポーツ飲料。
なにしろ汗かきすぎてヤバイ。
山小屋でアクエリアスを買う。
これが1本500円。
高くないですよ?
alt
仮にわたしがペットボトルをここまで持ってあがったとして他人に売るなら、やはり500円でうりますよ。高くないですよ?

それにしても、Nikonを買ってもうすぐ丸4年。
まさかアクエリアスをこんなに気合いれて撮る日がこようとは、夢にも思わなんだ。

まわりをみると、
バーナーをつかってカップ麺を用意したり、紅茶沸かしたりするひとがいて。
alt
キャンプ用品で昼食を用意するひと半分、お弁当持参のひと半分といったかんじ。

わたしはというと、恥ずかしながら、
手作りの「もっさりした」おにぎりを
もっさり食ってる。
alt
独り身の男が朝起きて、じぶんで梅干しおにぎりにぎって山登りするようになったら、人間オシマイ。
わびしい。
なにもかも。
乾いた瞳じゃ涙もでやしねえ。

この山小屋で引き返し、下山します。
この先、「稲村ヶ岳(1726m)」と「大日山(1,689m)」の登山口がちょっとわかりにくいですが、みえます。が、今回はやめときます。だって、1時間半かかるんですってよ、往復。
alt

初心者なので、ムリはしません。
賢明な判断というより、根性がないだけです。

あー、とうとう眺望は山小屋からみえたこんだけかよ。
alt
わびしいぜ。

下山はとりとめもなく、記録として時間だけ。
法力峠 14:15
母公堂 15:30

さて、帰りに「ごろごろ水」とやらを汲んで帰りましょう!駐車料金1,000円払ってるんだから。ここの湧き水はカルシウムが豊富なんですってよ!
alt
 
駐車料金500円払ってまで湧き水くむひとおるんかいな、と思ったら、朝から夕まで駐車場は満杯でびっくり。
みると、みなさん多量のペットボトルやタンクを持参のよう。
そりゃそうだわな。

おどろいたのが、駐車場のまわりに湧き水を引いたパイプがぐるっと張りめぐらされてること。
こんな湧き水に汲み場、はじめて。
alt

そう、順番をまつことなく他人に気兼ねせず、車の後部ハッチをひらいて自分の場所で思う存分水がくめる。
「ひとり焼き肉」ならぬ「ひとり湧き水」とでも言おうか。
alt

さらにおどろくべきは、ここの水圧。
手元のコックをひねれば、水流ジェット噴射!
2ℓのペットボトルを満たすのにわずか3秒。
こんな水の勢いのはげしい湧き水は世界でもここだけにちがいない。
ギネスに申請した方がよい。
alt

この下を渓流が流れる。
この川はやがて十津川に合流し、太平洋の海原にそそぐ。
alt
今回はこんなところで。

ありがとうございました。
またお会いでればさいわいです。
Posted at 2019/09/21 20:04:09 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記
2019年08月13日 イイね!

乗鞍岳・剣ヶ峰 【人生初!ガチ登山記】

乗鞍岳・剣ヶ峰 【人生初!ガチ登山記】乗鞍岳・畳平バスターミナル
8月13日 6:50AM

なぜ私が朝もはよからこんなところにいるのかと言いますと、テレビでみたんです。

帰れマンデーですかね。秘境行ってバス停さがして、ひたすら飲食店見つける番組。

ある日たまたま「乗鞍岳」やってて、

(いいなあ)

と思って、本当に来ちゃいました。

安直といいますか馬鹿といいますか、

でも、ほんとうに旅のキッカケなんてなんでもイイんです。

漫画でもアニメでも、そしてみんカラでも。

わたしはつねに、旅のキッカケ募集中なんです。

alt

ここに来る前、「新穂高」か「乗鞍岳」か迷いました。
というのも、昨年夏、立山黒部アルペンルートで出会ったガチ登山のひとが、ケーブルカーを待ってるじゅうずっと、
「新穂高の稜線歩きは絶景」
と耳元でささやくんです。それからは新穂高が頭からついてはなれたなかったのですが、それでも難易度高けりゃ敬遠しますよ。こちとら素人もいいとこシロウトなので。
さて、どちらが難易度が低いのでしょう。
観光案内所のおねいさんに聞いてみても、首を横に振るばかりで、(そんなのあたしに聞かれても)みたいな顔をされます。これは困りました。そこがいちばん大事なんですがね。

やむなく直感でこちらを選びましたが、以上の経緯ではとうぜん下調べが行き届いてるはずもなく、じつはバスを降りたはいいが、どちらへいけばいいのかわからず途方にくれました。

ただ、きのう上高地の帰り、アカンダナ駐車場である壮齢の夫婦と出会いました。カラフルな登山用の服装のご夫婦は、たったいま乗鞍岳からもどってきたばかりだそうで、しめしめ、これは有益な情報が得られるとばかりにお話しをうかがってみると、ご来迎を拝みに剣ヶ峰を目指したところ、すごい人で大渋滞で、富士見岳肩の小屋でやむなく引き返したんだそうな。

私はこの3つのキーワードだけで、歩き始めました。
大勢の観光客がいれば、そのあとを尾(つ)いていけばいいだけです。
ところがこの朝は、なぜか人がほとんどいません。弱りました。他人をあてにできないからです。
alt

バスターミナルをずいぶんはなれ、ここで振り返ります。
青い瞳のような池のはずですが、この位置からだと面白くもなんともないただの水たまりです。
alt

ただこの先が、わあっ!
alt

雲海だ!一面の雲海だ。
alt

すごい・・・。自分はこんな高くに上ってきたのか。
alt

雲上の絶景がそこにあった。
alt

さて、道のりはこっちであってるもよう。
乗鞍トレッキングコースです。
alt

みちみち、景色を眺めながら、
alt
(真ん中がお花畑エリア。手前の影は私です)

高山植物を楽しみながら、
alt

『イワギキョウ』
alt
たしかに桔梗だ。小さくて可愛らしい。

『コマクサ』
alt
高山植物の女王だそうで。
あざやかな色で登山客をもてなしてくれる。

『ウサギギク』
alt
これは立山黒部アルペンルートで覚えたので、すぐ名前がでた。

雪渓が池に溶け込んで藍となす。
「不消池 (きえずがいけ)」を横目に。
alt

富士見岳』の入り口に着く。
え、もう?
ここからも雲海がみえる。
alt

こいつは、スゴイ。
alt

そろそろ信州あたりにお住まいの方から、
「雲海がそんなにめずらしいか」
といわれそうですが、イヤめずらしいんですよ!
こんなすごい雲海、はじめて見た。
なんかうまく言えないケド、・・・長生きしそう!(意味不明)
alt

このすぐ先に、チェックポイントじゃないんだけども、みなさん休息なのか座り込んでる場所がありまして、道がY字になってて、右へいくと旧コロナ観測所。(知ってる!昭和うまれだからしってる!乗鞍といえばコロナ観測所!)
その左手には・・・。
alt

ええっ!?あれ登るの!?
alt

いやいやいや。
聞いてないよ。
マジで。ヤバイって。
alt

デジタル一眼レフカメラもって登るところじゃないでしょー!
alt

ヤバイって。シャレにならんて。ブツブツ言いながら、山小屋「肩の小屋」に到着!
えっ!もう山小屋に着いたの?
alt

【7:45AM】
山小屋の剣ヶ峰方向は広いテラスになってて、ここから眺めてもまだ信じられない。
「あれ登るんかよ・・・」
alt
 
人がはるか、点々にみえる。
「みんな登ってるんだ!?」
alt

まえの兄ちゃん、おもむろにバーナーで湯を沸かし、本格的コーヒーを淹れはじめた。
こんなところで!?
なにその、「オレ登山・キャンプに手慣れてます」みたいな。
alt
しかもカメラは(ココ大事!)、見ればわかりますよ。
「OLYMPUSのミラーレス一眼、OM-D EーM5 MarkⅡ」だ!
なにその、できる男はオリンパスみたいな。ミラーレスみたいな。うーん、カッチョイイね!それに比べてニコン餅の私の姿のみすぼらしいこと・・・。

ま、人のことはイイんです
自分のことだけ考えろ。
8時ジャスト!
登攀開始!
登頂アタックだ!
alt

【8:05AM】
ほんとうにいま8時5分。
5分登って一息つく。
もうこんなとこまで登ってきた。
なんだ、余裕じゃん。
alt
(下にみえるのが、山小屋。正面の山上にあるのは大学の研究施設(旧コロナ)。左の赤い建物はリアルタイムでわからなかったが、いましらべてもわからん)

自分以外にも、デジタル一眼かまえた人がいる。
alt
ほかにもけっこういました。
みな軽そうなボディの機種だったけど。

さあ、行こう!と思ったら、
アレッ!?息が戻らない!
ハアハア息があがったまま。
やばい。ほんとうに空気がうすいんだ!
頭がフラフラする。
心臓の鼓動がやけにうるさく聞こえる。
空気がうすいって、こういうことなんだ!
ちょっと登っただけで、息がきれる。
それが容易にもどらない。
alt

まて、あせるんじゃない。
ゆっくりでいい。
5分おきに休憩とればいい。
時間なんてタップリあるんだ。
まだ朝の8時だぞ。
会社なら仕事はじめたばっかだ。
なにも、あわてることなんかない。

【8:20AM】
つぎの休憩がこの時間。8時20分。
公式ではバスターミナルから剣ヶ峰まで1時間半の行程とあったが、ウソだろ。このまま9時につくわけないだろう。
alt

このあたりで後悔し始める。
やめときゃよかった。
引き返すんなら今だ。
だが、おめおめ引き返す姿を人に見られるのも恥ずかしい。
それにこのままではブログにならない。
おれはブログのために登っているのか?
なんのために登ってるんだ?

ハアハア息を切らす。
ペットボトルの水をひとくち、口腔にふくむ。
まるで摂取した水分がすべて、露出した肌から大気に蒸発していくような、そんな場所にいるような気がする。

【8:40】
このあたりまでくると、標高2,900m。
下の山小屋で2,800m。
畳平バスターミナルが2,702m。
もはや後戻りはできない。
ただし、進むも地獄。
alt

このようなガレ場に所々出くわし、ジョギングシューズでしかない私の足が悲鳴をあげる。
ソールの硬い登山靴など持ち合わせていないし、なによりこんなことになるとは思ってもみなかった!
alt

あと、スティック?ストック?スキーとかにつかう棒みたいなやつ。けっこうみんな使ってて、山小屋でも一本300円でレンタルしてたけど、あれの存在価値がいまわかった。
歩きやすくするためだ。
わたしはというと、時には岩に手をつき、這いつくばるようにしてぶざまにも登っていく。当然手が汚れる。軍手持ってこればよかった。車のトランクにあるのに。

稜線にでたとたん、うわっ!
青い瞳の池だ!ここにあったんだ。
これが見たかったんだよ!
alt
AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR

朝日岳2,975mの稜線から剣ヶ峰を望む。
高度差でいえばたった50mでしかないが、はてしなく遠い。
alt

ガスが、左から右へ、東から西へ飛んでいく光景を何度もみた。
「あれがマナスル・・・」
ちがう。そうじゃない。(マナスルどこから出てきた)
alt

さいごの難所が待ち受ける。alt

ここからはもう、岩に手をつき這いつくばってジリジリとすすむ。もはや登山ではない。移動である。
わたしは三半規管がよわいのか、子どものころは車酔いがはげしく、今はもちろん平気だが、お酒のんでもフラフラにはならないが、今ここにいるだけでフラフラして、足元あやうく転びそうで、ころんで頭を打ちそうで、そうなると自力での下山ができなくなりレスキュー隊を呼ぶことになると考えたら、とても2本足でシャカシャカ歩いたりできず、私のそばをフラつきもせず足早に通り過ぎる人はいったいどんだけ強靭な三半規管してるんだろうと思う。
alt

もうちょっとがはるか遠い。
頭がもうフラフラで、こうしてカメラの絞りや露出を決定するのも難渋をきわめる。後になって、プログラム・オートで撮ればよかったと思うが、現場ではそんなことすら思い浮かばない。
そもそもこんなところまで、デジタル一眼レフカメラを持ってあがった自分に狂気をかんじざるをえない。
alt

そして、ついに頂上へ。
「時刻!9時7分!」
alt

「標高!3,000m!」
alt

「ん?」

26mもずれとる!
畳平バスターミナル2,702mで高度補正したのに!なんたるざま!
alt

※写真は私ではありません。
頂上についたとたん、その場でへたり込む。
みな行列をつくって記念写真を撮っている。撮られた人がつぎに撮ってあげるというこのかぎりなく暗黙にちかい「かわりばんこ」ルールを、いったい誰が決めたのであろう。おどろくほど行儀よく、整然と記念撮影がおこなわれていく。
そのさまを、息を整えながら見ている。自分はいい。私は自分自身を記念撮影しにきたのではなく、自分の写真を撮りに来たのだ。
ただ、適当に冗談で一枚パシャリ撮ったこの写真が、なかなかきれいに撮れたので赤の他人を撮っておきながらボカシ入れつつ掲載させてもらう。
くどいようだが、写真の人物は私ではない。
alt

すこし落ち着いたところで、フラフラになりながらゾンビのように移動する。
鳥居のそばだと邪魔になるかとおもったのだ。
左が記念撮影の列。
alt

こわごわ、自分の足元をのぞきこんでみる。
足を滑らせたらおわりだ。奈落の底だ。
なんだこのながめ・・・。
地球だ。地球のまるみがみえる。
alt

ふたたび鳥居のそばから下を。
鳥居が頂上の入り口になってるのだ。
おれはこんなところを登ってきたのか。
生きて帰れるのか?
さっきからそれが不安でしょうがない。
alt

そこからすこし左手、
青い瞳がここからもみえる。
これをスマホで別に撮り、「何シテル?」に投稿した。
信じがたいことに、スマホの電波が届くのである。
alt
当時意識がもうろうとしていたので、うまく書ききれず、なにが書きたかったというと、
「乗鞍岳主峰・剣ヶ峰、登頂成功!」
と言いたかったのである。

ここから下山を開始する。
写真はない。
ただ、鳥居のすぐ下で高齢の夫婦が前に。
ご主人がちょっと前に先行してて、お母さんが私の目の前で、お母さんふりむいて私に、
「おさき、どうぞ」
というので、
「イヤイヤ!」
手を振って、
「おれのほうが遅いですから」
じっさいおれのほうが遅かった。
そのあとお母さんの足元が、
ガラッ
となってので、
(あっ)
となった。
浮き石である。わたしも今回はじめておぼえた単語である。危険な浮き石が随所にみられた。
ご主人がたちどまり、
「浮き石か。大丈夫か?」
というと、お母さん、
「大丈夫。ウキウキした!」
というので、その場で私はブフォッ!となり、
「お母さん、お願いだからやめて。標高3,000mで笑わせるのはやめて。酸欠気味なんだから!」

・・・下山途中にとうとうペットボトルの水が底をついた。
500㎖が2本。
だが、下山は登りよりはるかに楽だった。

【10:30】
山小屋に無事もどってきた!
ここまで戻ったら安心。
もう命の危険はなかろう。
alt

こういう山小屋って入るのはじめて。
思わずまわりをキョロキョロ。
売店で食券を買いもとめ、(こっち↘)
alt

通路をはさんだ厨房に食券をさしだす。
まるで学食みたいだ。
すると、アルミ鍋で牛乳を沸かし、カフェオレを入れてくれる。
山小屋らしい、野趣に富んだ情景に思わず一枚。
alt

ああ、もうッ!
もう二度と登山なんかしない!
おれにはぜったい適(む)いていない!
alt
漫画やアニメで山関係モノってけっこう好きなのだが、じっさい自分でやってみると、圧倒的にむいていないのが身に沁みてわかった。

ちなみどういうのを読んでいたかといいますと、

神々の山嶺
alt
「孤独のグルメ」の谷口ジロー(故人)による作画で、夢枕獏原作の小説を劇画化。

ネパール・カトマンズで偶然みつけた、マロリーのコダック。
はたしてマロリーはエベレストの山頂に立ったのか?
山岳カメラマン・深町は、その謎を追ううち、日本人の孤高の登山家、羽生の過去を追うことになる。
alt
これ面白いから実写化されるなと思ったら、ほんとうに映画になった。

ネットでさんざん話題になったシーン。
極限の状態で男二人がただ黙々と食べる。
それだけが数頁つづく異様な漫画。
alt


山と食欲と私
alt

もともとはフリーのウェブコミック。
人気がでたので単行本化。
新垣結衣主演でドラマ化という噂はどうなったのだろう?
alt
「孤独のグルメ」の登山女子版といったかんじ。

↓メスティン回
alt


ヤマノススメ
alt
シーズン3まで製作されたヒット作。

はじめての富士登山で、体調不良でご来光を「断念」する話が、山岳経験者から好評得た作品。
alt

さわやかな絵柄が個人的に気に入っている。
alt


  *  *  *  *  *

さて、畳平バスターミナルまで帰ってきた私は、2階のレストランでお昼ご飯です。

最後のさいごでカレーが登場。

飛騨牛ヒレカツカレー
alt
これを食べおわったら、私の旅もおわりです。

今回も無事に旅ができました。
alt
ごらんいただいた皆様には感謝。
ありがとうございました。
またお会いできたらさいわいです。

  *  *  *  *  *

   (自分用メモ)

*54,449km → *55,291km
*842km

【SDカード】
①16MB 200枚 (平湯温泉)
②32MB 200枚 (上高地)
③16MB 200枚 (乗鞍岳)

※菩提寺は蚊で寝れない。黒丸はドッグランのまえのベンチ。

※わりばしを常備携行する。

Posted at 2019/08/23 20:04:22 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記
2019年08月12日 イイね!

夏の上高地

夏の上高地わたしのみん友さんに

バーボンLOVE

というひとがいる。

その方が、昨年夏に上高地を訪れたブログ、

夏休み信州ドライブ2日目 上高地

そこにあったのは、夏色のあざやかな色彩。

絶景の数々が写真に収められていた。

わたしはひそかに、

来年は自分がここに行くのだと

心に決めた。

そしてそれを実行する日がついに来た。

  *  *  *  *

『アカンダナ駐車場』
【4:45AM】
alt
滞在した平湯温泉から車で数分。
この写真だとわかりにくいが、広大な敷地が駐車場になっており、第1駐車場が収容台数はおそらく200台から300台だろうか。信じがたい話だが、満車である。(※全体の収容台数が800台)
料金所のゲートをくぐって暗がりでこの満車の光景をみたとき、
(げえッ)
と声にならない叫びをあげた。
くどいようだが、朝の4時である。

駐車場をおりた先に、
シャトルバスのターミナルがみえる。
立派な建物だ。
アカンダナ駐車場って、地面は未舗装でバス停一本だけ立ってるような光景を想像していたので、正直おどろく。
きちんと整備されていて、予想外である。
alt

券売機で切符を購入。
2枚つづりになってて、往復で2,050円。
バーボンさんのブログによれば、1枚だけでてきて帰りのぶんのもう1枚が遅れてでてくるので取り忘れた、とある。
この一年で改善がなされたのか。あるいは、ここ「アカンダナ」と「沢渡(さわんど)」では券売機の仕様がことなるのか。
alt

バスの発車をまつ行列にならぶ。
こんなにひとがいるのか。
ここでこれなら、いま上高地はどうなってるのだろう。
そして、今でこれなら昼はいったいどれくらいの人出になるのか。想像がつかない。
どうやらわたしは、上高地の観光スポットとしての「レベル」を完全に見誤っていたようだ。
alt

『大正池』で下車。
終点ではないので全員が下車するわけでなく、一部のひとが降りる。
alt

バス停から湖畔におりる。

【5:25AM】

湖は、朝霧に包まれていた。
alt

幻想的な光景に、しばし息を吞む。
alt

夜明け前にかかわらず、ごらんください、この人出。
みなさん私同様、熱心な観光客です。
これは想定外。こんなさびしいところに来るの、自分だけかと思った。
alt
朝の上高地の気温は20度を下回る。
体感で17,8度くらいだろうか。
みな何かを羽織って散策している。

大正池を離れ、うす暗い雰囲気の遊歩道をあるく。
alt

幽玄さただよう湖畔に引き寄せられるように、
しずかにシャッターをきる。
alt

焼岳(やけだけ)が見えるところまできた。
ここではちょっと趣向をかえ、幽玄な雰囲気を伝えるべく、HDR撮影で。
alt

焼岳は霧がさえぎってまだ見えない。
alt

さらにその先へ行くと、
alt

田代湿原にでる。
alt
(※これもHDR撮影)

さて、ここでUターン。
スタート地点までもどる。
なぜなら、これには理由がありまして、

・・・バーボンさんにはブログを拝見しただけでなく、個人的にメール(メッセージ)のやりとりを通じて貴重なサジェッションをいただいた。この場を借りてお礼申し上げたい。

バーボンさんからのサジェッションとは、まず、

①「大正池からスタートする
シャトルバスの終点はバスターミナルだが、大正池のバス停でおりて順に撮影しながら散策コースにのればよい。

そしてもっとも重要なのが、

②「大正池のリフレクションを撮る
ということだった。
これが私が自分に課した今回最大のミッション。
だがそのためには、もうちょっと日が高くならねばならない。
いくらなんでも早く来すぎたのである。

大正池のバス停までもどる。
バス停のまえにホテルがあり、
alt

宿泊客を見込んだレストランが併設されている。
alt

ああ、腹がへった!
じつは朝食を食べ損ねたのだ。
日帰り温泉では朝食などでるわけがない。
あらかじめ「カップヌードルカレー」を用意したのだが、休憩所のティファールが電源をオンにしても灯りがつかず、故障なのかなんなのか待てど暮らせどお湯が沸かない。結局朝メシにはありつけず、くやし涙で頬をぬらしながら今朝は出発したのである。
alt
 
いま無性にカレーライスがたべたい。
朝もはよからカレーかよ、といわれそうだが、スパイシーな燃料でエンジンをまわし、やる気と情熱を燃え立たせたいからだ。
alt
ところが、カレーはできないという。
カレーだけ、まだ仕込みがおわってないという。
なんとも不細工な話である。

【7:05AM】
第2候補の「山菜そば」をたのむ。
alt
上高地まできて山菜そばかよ、とおもったがこの山菜そば、なんかひとあじちがう。山菜が「山菜している」のだ。
ふつう山菜そばの山菜といえば、漬物ふうというかあくまで添え物で、メインではない。
ところがここの山菜は、採れたてなのかフレッシュなのか、ほんとうに近所から採ってきたばかりなのか、シャキシャキ歯ごたえがありすぎるほどあり、そばを食べるごとに山菜が「おれが、俺が!」と前に出てこようとする。そして主役である「そば」を舞台から引きずりおろそうとする。まさに下克上。こんな山菜そば、はじめてたべた。

山菜そばの下克上
alt
上高地にきて山菜そばの真価を知るとは。

【8:00AM】
陽もだいぶ上がってきた。
さあ、再スタートです!
alt
ふたたび大正池の湖畔から、上高地散策コースのはじまりである。

ここからレンズに「PLフィルター」を装着します。
PLフィルターとは、偏光サングラスみたいなもので、余計な太陽の反射をふせぎ、青や緑色のコントラストを際立たせる効果があります。

①ホテルをおりたところ。

alt

②湖畔から。

静けさが響き渡る。

静かなるヴェルデ ~上高地~
alt
AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR

③水際ギリギリまで近寄って。

alt

よーし、いいぞ!リフレクション!
まずまずかなー。
これが撮りたかったんだ。

バーボンさんありがとう!
おかげさまで満足のいく写真撮れたよ!

大正池をはなれ、先ほどの遊歩道に。
不気味だった遊歩道も、陽が高くなると一転して気持ちのいいハイキングコースに。
alt

花よ、花よと
高山植物を探しながらの散策コース。

「フフーン、みつけた!」

ヤマホタルブクロ
alt

ここ上高地は標高1,500米。

「おおっと、いいの見っけ!」

ヤマオダマキ
alt

湿原と高山の植生がごっちゃになってるかんじ。

「きれいに咲いとるわ・・・」

カラマツソウ
alt

梓川ぞいに歩いていくと、途中河原におりられることもしばしば。
梓川ブルーにふれる。
alt

みな、思いおもいの過ごし方で上高地を楽しんでいる。
alt

おおきく川が蛇行したさきに、
alt

なにやら案内板が立っており、なになに?フムフム。
alt

ああッ!あれが奥穂高か!
穂高連峰ッ・・・!!
alt
スゲエ・・・。
まるで屛風岩。
ナイフで削ぎ落としたかのような峰々が、天空に向かって屹立する。
ここからでもありありとわかる。
穂高連峰の険阻さが。
・・・あ、あんなとこ稜線歩いて、「縦走」するやつおるんかい!足踏み外したらどうなるの?終わりなの?あれ、アカンやつやん。アカン、あかん。
でもすげえ。うわなんか、あこがれるわー。

ふたたび川原におり、梓川ににじり寄る
alt
カメラがバリアングルじゃないから、こういったアンダーで撮るのに苦労する。
でも、こういうの撮りたかったんだ!

今回の最終目的地は『河童橋』。
alt

やがて木立の合間にみえてきた。
alt

上高地のメインフレーム、河童橋。
alt

ようし、ゴールだ!ヒャッホウ!
alt

河童橋の両岸には、カフェなどの飲食店が立ち並び、まるで避暑地・軽井沢のような様相を呈している。軽井沢に行ったことはないケド。
あまりに「ひらけ」すぎてて、多少面食らう。
上高地って、もっと奥まった静かなところだと思っていた。
まァ、これだけの人出じゃ卑俗化もムリないか。
私もそのひとりだし。
alt

橋の真ん中でパチリ。
今きた大正池方向。
(奥にみえるのが、焼岳)
alt

そういえば避暑地といえば、わたし個人的なことながら、避暑地にきたっていうのがはじめてのこと。
陽射しがあって、歩けば汗はかくものの、不快な汗ではない。気温25度くらいだろうか。涼しくはないが、暑くもない。これが避暑地ってやつかー。

あ、コッチが明神池のほう。
今回はこれ以上は行きまっせん。
もう、足が疲れたびー。
alt

河童橋はつり橋。
ケーブルアンカーがちゃんとブチこまれ、
・・・お嬢ちゃん、なにしてんの?
alt

ぶら下がるんかいッ!
alt
・・・お嬢ちゃん、それ遊具じゃないんよ。
ま、いいけど。

【9:40AM】
河童橋に寄り添うようにたつ、
一軒のカフェに入る。
alt

ちょっと休憩、アイスコーヒー!
と思って入ったら、なにを思ったかバーガーなどセットで頼んでしまう始末。
はじめ、朝カレーを食べ損ねたリベンジにと息巻いていたが、メニューに「ローストビーフ・バーガー」というのをみつけて、チョットお値段ハンパなかったが、いやせっかく上高地だし、という訳の分からない理由をつけて頼んでみるに、「ないです」と言われ、なによちょっと、もー。どうやら上高地はメニューがかならず一品欠落してるものらしい。

で、これまた朝とおんなじだな。
「第2候補」のコロッケバーガーを。
alt

なんで上高地くんだりでコロッケかよ、と思って
バクッとかぶりついたら、
「ぬうッ・・・」
alt
じゃがいもの濃厚なイモイモ感とともに、
なんだこれ・・・。パンにメッチャあう。
そうか、チーズか。チーズが入ってるんだな!
意外なうまさに満足度がアップ!
・・・ふだんスーパーのお惣菜の50円のコロッケしか食わんから、ささいなことで満足度が跳ね上がるのです。

帰りはバスターミナルから。
帰りたくはないんだけど、下界なんぞにもどりたくはないんだけど、午後はバス混むから早めに。
alt

はじめての避暑地・上高地を存分にすごせた旅でした。

  *  *  *  *  *

シャトルバスで平湯温泉までもどります。
平湯温泉2日目は、
じつはちゃんと宿に泊まれるんです。

『ひらゆの森』
きのう宿探しをしていていたら、なんの因果か、なぜか二日目の宿がとれた。昨夜は前回のブログでお話ししたように宿がとれず、日帰り温泉だったが。落差の激しい旅である。
alt

ところがこのホテルも変で、温泉地なのに夕食でない、朝はパンなどの軽食だけ、なのに宿泊費はシッカリしたお値段だったので、

まァ、しょうがないかー。繁忙期だもんなーと思って部屋に入ると、

え、ツインルームなの!?
alt
ウヒョー!これは快眠まちがいナシ!大喜びでカメラで撮ってるが、よく考えたらベッドが一つだろうが100台あろうが、体は一つなんだから使うベッドは一つだけ。むう、ぬか喜びか。これがご飯だったらウレシイんだけどね。たべるから。2人前。

「エアコンはありませんので」
と、フロントであらかじめ釘をさされる。
えー、エアコンないのかよ、と思ったが、このあたりはどこもそうらしい。そうか。そうだよな。北海道みたいなもんか。かわりに扇風機があるそうな。

あけ放った窓辺から一枚パシャリ。
そこの店が、ラムネと温泉卵の「つるや商店」。
alt

・・・で、夜の話なのだが、やはり扇風機だけだとアツい。
もうこの国はどこもエアコン必須なのだ、
だけど、平湯温泉の夜は軒並み気温が20度以下に下がるときいている。
夜中に窓をあけてみる。豪雪地帯らしく、窓が2重になっている。網戸だけにしてみると、涼しいというよりつめたい山の冷気がはいってくる。
が、くさい。硫黄くさいのだ。
おまけに余った温泉を排水溝に大量にながす音がざんざん町じゅうにこだまして、うるさいわ、くさいわで寝れん!結局窓をしめて寝ました。

チェックインして知ったのだが、このホテルは平湯温泉最大の温泉施設「ひらゆの森」の別館になるらしい。
どうりで夕食でないわけだ。本館の施設内で食べろというわけだ。
ただ、別館に泊まっても、本館のほうの温泉には入り放題。
歩いて行ける距離だが面倒くさくなって、別館の温泉ですませました。
泉質はよくわからんが、すんごい鉄くさい。
硫化鉄なんだろうか。めっちゃ体によさそう。
alt
・・・いまこれを書きながら、シマッタ、本館のほうのでかくて広い温泉にもはいっときゃよかったといまさら後悔しきり。

あと、なぜか館内に漫画の図書館があった。
alt
けっこういいのがあってビックリ。(場末のラーメン屋の本棚とはセンスがちがう)

さて、風呂上りはホテルのすぐそばの店にすべりこむように入り、
『田舎茶屋 一休庵』
alt

生ビールをキュイッと一杯。たまらんねー。
alt
この時気づいたのだが、グラスをキンキンに凍らせてある。じつはきのうもそうだった。おかみさんに、このへんの習慣なの?ときくと、そうよと言われる。そうなのか?

たこの唐揚げを頼んでみたり。
alt
(思い込みがはげしいタチで、「たこ天」だと思って口に放り込んだらスパイシーな唐揚げだったので、びっくり。でもウマい!これはいいな)

地酒を頼んでみたり、
(瓶はないが、上のメニューから久寿玉という銘柄を)
alt
写真は失敗したからないよーん。

メニューをつらつらながめてて気付いたのだが、きのうの店もそうだったのだが、どこを見渡してもメニューに「お刺身」がない!
さすが奥飛騨。もちろん現代の物流システムでは、たとえ山の奥でもお刺身を用意することも可能。だが、あえて「ない」というところに風情を感じてやまない。
alt

奥飛騨きたら、土地の名物だけくっときゃイイんです。
本日のおすすめは肉か・・・。
昨夜も肉にく祭りだったよな。
ええい!その思い、全力で受け止めてやろうじゃないかッ!

『ホルモン鉄板焼き』
ご飯とスープつけて定食にしてもらった。
alt

おかみさんに、
「どう?」
と味をきかれたので、
「シマッタ」
とひとりで大笑いした。
「お酒といっしょに頼めばよかった」
酒呑みの、最大級の賛辞である。

こうして、平湯温泉二日目の夜がすぎていきます。
alt

  *  *  *  *  *

次回、ラストオーダー。

Ricoが人生初のガチ登山にいどむ!

「NORIKURA・魂の彷徨」

を、おたのしみに!

※タイトルは予告なく変更になることがあります。

Posted at 2019/08/20 20:04:14 | コメント(4) | トラックバック(0) | 日記
2019年08月11日 イイね!

宿はなし ~平湯温泉物語~

宿はなし ~平湯温泉物語~今回の旅のメインテーマは、

上高地

その足掛かりとなる

岐阜・高山

平湯温泉郷

にやってきました。

温泉郷の入り口に立派なバスターミナルがある。
ここから上高地、そして乗鞍岳や新穂高にバスが直行する。
(※温泉の奥に、さらに広大な「アカンダナ駐車場」があり、そこからも上高地直行のシャトルバスが運行されている。私の場合はそこを利用する。このバスターミナルの駐車場ではすぐいっぱいになるからである。つまりこのバスターミナルは、宿泊客向けということになる。このあたりの機微というか事情が、下調べではさっぱりわからず現地に行ってようやくつかめる)
alt

町のいたるところから温泉が湧きだしており、あたりは硫黄のにおいが立ち込める。
alt

湧き水もゆたかで、
alt
(↑山の中の風景ではなく、本当に町なかの路地にこつ然と湧出している)

しかも飲み放題。
alt

和歌山を午前3時にでて、
着いたのがちょうどお昼の12時。

この時点で、
今夜の宿がまだきまっていない。

そう、今回も宿の予約を一切せずに旅に出たのである。

alt
(平湯温泉は標高1,250米。8月にあじさいが色づく)

バスターミナルのむかいに、
「宿泊案内所」がある。
ここは観光案内所を兼ねる。
ここを頼みで旅に出たのだが、
「どこも満室で空きがありません」
のひと言で片付けられてしまう。
はるばる遠くからきた旅人を、そんなひと言ですませてしまうとは。
そこをなんとかするのが宿泊案内所ではないか。
ない、できないというならシロウト同然。こんな案内所はいりません。
alt
まァ、盆休みに予約なしでくる私も悪いのですが。

それじゃ、いっちょー、
旅館やホテルを一軒づつあたってみますか。
alt

ところが、しらみつぶしにあたってみたが、
当然のことながらどこもいっぱい。
部屋など空いていない。
ほんとうに近在の宿ほぼぜんぶにあたってみたが、どこもダメだった。

今回はマジでヤバいかもしれん。
alt

温泉卵のとなりに
湧き水でラムネが冷やされる。
天然の冷暖システムはかくもコンパクト。
alt

思わず所望してみる。
ラムネ100円、温泉卵50円。
温泉郷ただ一軒だけの商店からの、ほとんどサービス品のようなお値段。
alt

のんきに温泉卵くってる場合じゃないケド。
alt

あじさい咲けども宿はなし、か。
alt

お店の路地を行くと通りのむこうに、
「平湯神社」がある。
もはや神頼みである。
わりとちゃんと参拝する。
alt
画角が変だが、気取って撮ってるわけでなく鳥居の下に観光客がガンガン車を停めてるから。

かれらのお目当ては、どうやら神社の隣の茅ぶき屋根の古民家。
人気スポットらしい。
alt

そして神社のむかい、ほんとうにむかいにこのような建物があり、
「日帰り入浴」とある。

『穂高俱楽部』
alt

日帰り入浴施設だから宿ではないのか。
藁にもすがる思いで店内に入る。

「ここには泊まる部屋はないのですか?」
三谷幸喜の嫁(元嫁だっけ?)にちょい似の女性がでてきて、
alt

「休憩ならできますよ」
休憩ってなんだ。
寝たらいかんのか。

「あちらのシートで休んでいただくか・・・」
alt

「2階のお部屋で雑魚寝となります」
え、寝れるの!?

あ、知ってる!なんかきいたことがある。
こういう感じなんだろう?
alt

『ハンチョウ』より。
alt
(※ちなみにこの作品は、私の最近のバイブルとなっている。生を楽しめ、というコンセプトは私の心に響いた)

世事に疎いわたしは、日帰り入浴と雑魚寝のちがいがわからない。
きいてみると、1,000円か1,200円のちがいだけで、あとはおなじ青いバッグとタオル一本を渡されるという。バスタオルは別料金らしい。

料金を払い、さっそく2階にあがってみる。
雑魚寝は早いもの勝ちだからである。

和室の障子をソロリあけると、
うわっ!こんな感じか。
ほんとうに雑魚寝部屋だな!
alt
これはセーフなのか?
ギリギリセーフなのか!?

ちなみに北枕である。
alt
気にしないひとは気にしないし、気にする人は気にする。

しかしこれは寝れんぞー。
(じっさい寝れんかった。ジェットエンジンみたいないびきかく人がいたので。滑走路で寝てるのかと思った。

それから歯ぎしりの人。私も歯ぎしりするから人のこと言えんけど、深夜に「カコッ、クーン」という謎の怪音がひびく。なんの音だろうと思ってると、それが歯ぎしりと気づいて戦慄する。とても人体から発せられる音とは思えない。

あと、床をノシノシ歩くひとがいて困った。世の中には足音を消す習慣のないひとがいたものだ。ふつうは親からしつけられるものだが。忍者なら)

よし!これで車中泊からはまぬがれた。
そういう意味では勝利かもしれない。

安心したところで、温泉に入りに行く。
あー、こんな感じかー。
湯船も桶も、檜造りでいいかんじ。
alt

と、油断してたら奥になんと露天風呂が!
うひょー!ここ最高!すごくいい!
alt

夏山のみどりのなかで温泉。
これは格別。
alt
これだけでもきた価値あるな!
(※以上3枚、スマホ撮り)

風呂上りに自販機で缶ビールをプシュッ!
スマホ片手に、みんカラ。
まさに極楽。
お、みなさまからさっそくお盆だよりが届いてますな。

ふだん昼間から飲酒しないが、きょうは特別。
だいたい、5時半まで待ってられない!

同施設内の食事処があくのが5時半。

『飛騨牛カルビ焼肉』(1人前2,200円)
alt

奥飛騨きたら、飛騨牛たべるしかないでしょー、もー。
alt

貴重なお肉。一枚づつ丹念に焼いていく。
alt

タレと本わさびでいただく。alt
めちゃめちゃウマい。

ひとり焼き肉か、と思われそうだがひとりなのはまちがいないが、座敷のとなりの卓の夫婦と意気投合というかしゃべりながら食べてた。
夫婦なんだから、ふたりで会話すればいいのに、なぜか私にしきり話しかけてきた。べつに夫婦仲が険悪にも見えないが、なぜなんだろう。
alt

だんなさんは55歳。
愛知の東海市から。
高速をつかわずに下呂温泉から、国道41号線できたという。
道の駅で文字通り道草くいながら。
車はジムニー・シエラ。色はジャングルグリーン。
7月に納車されたというから去年の話かとおもったら、今年の7月だそうで。
alt

「アルファロメオで一人旅ですか」
いいですねーと言われたが、イヤイヤ。けっしてほめられた話ではないのですよ。
夫婦で旅行するのが本来あるべき姿。
でも、アレッ?もしやお二人も雑魚寝部屋?
いきなり旅行を思い立ったものだから、予約なしできたという。
おれはいいけど、それじゃ奥様お怒りでは?寛容な奥様だなーとおもったら、けっこう激おこぷんぷん丸なんだそうで。そうはみえなかったが・・・。

お二人の目的は上高地でも乗鞍でも新穂高でもないらしい。
奥様のご希望は、「くま牧場」なのだそうだ。
くま牧場って。

なにか物足りないな。
もう一品頼もうか。
alt
せっかくなので飛騨牛づくしで。

夏の旅はパワーだ!スタミナだ!

肉くえ、肉ッ!!

『飛騨牛すじ丼』
alt
コレステロールも明日のことも、
なにも考えずに食べよう。

どうせ、なるようにしかならないんだから。
旅先の宿も人生も。
そう、なにもかも。
 
  *  *  *  *  *
次回はいよいよ上高地。

Posted at 2019/08/16 20:04:11 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日記
2019年07月07日 イイね!

天空のあじさい ~高野山ケーブルカー~

天空のあじさい ~高野山ケーブルカー~
今年のあじさいは、ちょっと

変わった趣向で撮りたい。

『高野山ケーブルカー』の沿線に

あじさいが咲くときいて

飛んで行きました。

「道の駅 くどやま」
alt
 ここに車をおきます。
ですが、思い直して町営の駐車場に停めなおしました。

高野山のふもと、九度山。

場所はコチラになります。
alt

大河ドラマ「真田丸」ではおかげさまで、全国からようお越しくださいました。たいそうにぎやかだったようで。
alt

てくてく歩いて、丹生(にう)川を渡ります。
あ、この川はすぐ先で紀の川と合流します。
まだここは、紀の川をのぞむ河岸段丘の一部。山地ではありません。
川沿いに古びた町並みが立ち並んでおり、
alt

一段上がったところに、駅があります。
『南海高野線 九度山駅
alt

そう、今回は本ブログ初、「乗り鉄」からはじめたいと思います。
alt

電車のるのもひさしぶりだな。 alt

ほどなくして、緑色の車体がホームに滑りこんできます。

特別観光列車『天空
alt
にしても、天空って・・・。
たいそうなネーミングだなー。

この、天空。
乗るのはもちろんはじめて。
切符の買い方が不明だった。
駅の券売機で、特急券を売ってくれないのだ。
どうしたものかとかんがえてると、駅員さんがゴミ出してるのを目撃した。
(駅員がいるのか)
てっきり無人駅だと思ってた。

「ここは特急は停まりませんよ」
駅員さんはこたえた。
いや、それじゃ、8時37分の天空は?
「乗車券で乗れます」
自由席に乗れるという。
あ、自由席とかあるんだ!なーんだ。

ところがである!
ホームに滑り込んできた4両編成のうち、まえ2両が「天空」で、うしろ2両は普通車輛。あ、これに乗るのか、おれは!
alt

ちなみに、「天空」の車内はこんなかんじ。
サロンカーとでもいうのでしょうか。
これを撮ったのは降車時でしたが、私がのぞいたときはそれこそ満座の紳士淑女が高級酒片手に談笑していました(←ウソです)。
alt

おめおめ私は二等車(?)へ。
なにこの格差!貧富の差!?
やめてよねー、こういう露骨なかんじなの。ダイレクトにへこむから。
インドのカーストじゃないんだから。
インドの列車はスゴかったけどね。いろいろ。

さて、ゴチャゴチャ言ってるあいだに列車はすすみ、
alt

紀の川流域からいっきに標高500M付近まであがってきます。
alt

『南海高野線 極楽橋駅』に到着。
alt

ここからさらにケーブルカーに乗るのですが、
alt

その前に、ここ極楽橋駅には名物がありまして、毎年この季節になると、駅構内に「風鈴」をかざるんです。

南海電車駅とケーブルカー駅をまたぐ連絡橋にこんなふうに。
alt

山峡の駅舎、
夏色の風の通り道、
風鈴が涼しげに揺れます。
alt

風鈴に短冊。
ああ!きょうは七夕か!

南海電車の沿線在住の小学生がつづった短冊。
その願いを拾ってみると、
(プロゲーマーになりたい)
という現代っ子らしいのがあって笑えたが、そのほかにも、

「ちがう国えいきたい。」
alt
ちびっ子らしい、かなりざっくりした願いである。
そうかと思えば、

alt
シンガポールって。
これまた、ずいぶんピンポイントだな!
さらに、

alt
ホテルって・・・。
リゾートホテルのことかな!?

いちいち写真撮ってるけど、
こういうのみるの、けっこう好きなんです。

さて、そろそろケーブルカーに乗りますか。
写真とりながらだから、遅れがちになってしまった。
alt
あー、右手に咲いてるのはあじさいですね。

ケーブルカーが動き出した瞬間、パシャリ。
ありゃ、電線ケーブルが。
alt

高野山駅に到着。
あれッ!?あじさいは?
たしかケーブルカーとあじさいがうつってる写真を見たことあるんだけど。
駅は断崖絶壁みたいになってて、周辺にあじさいなど咲いていない。
おかしい。ここじゃなければ、いったいどこ!?
alt

ガックシ!意気消沈。
いやー、だって、ケーブルカーとあじさいを撮りたかったんだから。
今回のテーマがもはや台なし。
魂が抜けたような感じでバスに乗り込みます。
そのまま高野山へ。
alt

壇上伽藍』でバスを降車。
いつも、車で来たなら駐車するところです。
alt

地図にするとこんなかんじに。
alt
いまバスできた道(赤線)を
女人堂」まであじさいをさがしながら戻る散策コース。
青線は車で来た場合のルートです。
右端の「奥之院」は今回ナシの方向で。

こうみえても、毎年紅葉の時季は写真の練習に高野山きてるんですよ。
ブログにしないだけで。
だからといって見飽きたわけじゃないけども、根本大塔も引いて撮らずに望遠で。
alt

あじさい、あじさい。
さがして無理やりいれてみる。
alt

高野山は標高800メートル。
七夕だというのに
天空のあじさいはまだちょっと早め。alt
平地のあじさいはもう終盤。
高野山は7月中旬がみごろのよう。

さがせばけっこう見つかる、みつかる。
alt

弁財天が祀られており、(大師教会)
alt

そのたもとに、「ホタルブクロ」がちょこんと顔をのぞかせているのを私は見逃さなかった。
alt

赤い橋の両側に睡蓮池。
alt

睡蓮がひっそりと、静謐な刻(とき)をきざんでいた。
alt

そのとなりにある、『常喜院』をのぞくと、
おっ、あじさいみつけた!
alt
うつってる観光客は外国人。
和歌山でもっとも外国人が多いのは、高野山。
欧米人もおおくみかけた。

境内にそれは見事なあじさいがあり、雨季におとずれる観光客を手厚くもてなしてくれた。
alt

なかなかのもんでしょう。
天空のあじさいも。
alt

「常喜院」の目と鼻の先に、有名な「金剛峯寺」があります。
そしてそばにあるのは、これまた有名な、
蛇腹路 じゃばらみち」。
alt

これが紅葉の時季になると、こんな風情に。
alt
ね、悪くないでしょう? (拙撮 2017年11月12日)

三宝院』(高祖院)
alt

ツバキだろうか。
目にもあざやかな青葉に引き込まれる。
alt

ついで目を引いたのが、この妙に意味ありげな庭園。
alt

ほお、仏教のまんだらを模した庭園なのか。
alt

真ん中の「大日如来」は、コレじゃなくて、
alt

コッチ。白岩石です。
alt

このまんだら庭園。
大日如来」が真ん中にあるのはなぜでしょう?
これ知ってるのと知らないのとでは、この庭園の見方がぜんぜん変わるんですよね。

そもそも、このよく聞く「如来」ってなんでしょう。
知ってるようで知らない話、
学校では教えてくれない。

せっかく高野山なんです。
ちょっとお話させていただきましょう。

 *  *  *  *  *

【如来とは何か?】

仏です。ホトケのことです。
「お釈迦さまが仏さまでは?」
と思われますが、昔の人は面白いことを考えたもので、

「お釈迦さまが悟りひらいて解脱して、仏陀になったけど、そういう人ってさがせばもう2~3人くらいこの世界にぜったいいるよね!?」

って考えたんです。
スゴいですよね。キリスト教やアッラーなんかの唯一神教じゃ、ぜったいありえない考えです。

ランクや機能別じゃないです。
お釈迦さまも如来もおなじ仏です。

ランクでいえば、「観音」や「菩薩」が如来よりランク下となります。
あえて悟りをひらかずに、人間を導く存在。
インターン研修中みたいなもんです。

機能別、職能別だと、たとえば「薬師」がそうです。
「薬師如来」が「製薬会社」
「阿弥陀如来」が「極楽浄土・設計事務所」
てな感じです。

(※以上は、大乗仏教のみで通用する話です。小乗仏教、タイ王国やインドネシアでこの話をすると、しばかれます)

そして、如来とともに、
 びるしゃな
「毘盧遮那仏」も仏です。

奈良の大仏さんです。

 *  *  *  *  *

【奈良の大仏さんとは何か?】

有名ですね。
わたしも小学校の遠足でいきましたよ。
柱の穴くぐるんですよ。

奈良時代、仏教は聖武天皇をはじめ貴族の教養であり文化でした。
こう書くとピンとこないかもしれません。
なにせ、文化なんてなまやさしいモンじゃないです。
仏教によって、宇宙の真理がわかったんです。
宇宙って、毘盧遮那仏のまわりでグルグルまわっとるんやで。
世の中って、人も宇宙も水も虫もつながってるんやで。リレーションシップやで。
そう、仏教は最先端の科学だったんです。

科学ときいて、今のみなさんは笑うかもしれませんが、笑ってはいけません。
だって、いまのわれわれも、宇宙がなにかわかってないんですから。
われわれの知りうる宇宙は、あくまで「観測できる宇宙」でしかないのです。
水兵リーベ僕の船ではじまる元素記号も、はたしてそれで全部でしょうか。
人類が知らない未知の元素で宇宙は構成されてるとしたら、われわれの科学とやらはあまりにお粗末です。昔の人を笑えません。
アンドロメダが何万光年というのも、われわれの宇宙物理学がそういってるだけで、じっさいにはすぐお隣さんかもしれませんよ?(ワープ航法(笑)
alt


で、話をもどしますと、聖武天皇がどうなったかといいますと、これが狂喜したんですね。
だって、宇宙の真理がわかったんですよ。世界の成り立ちが。
宇宙スゲエ!仏教スゲエ!毘盧遮那仏スゲエ!
その気狂いにも似た感動の発露が、前代未聞の巨大な大仏の鋳造に一気に噴き出したんだと思います。
いま現代でいうと、黒部ダムや本四連絡橋、青函トンネルなど国家事業みたいなもので、まあ、ダムや橋というよりパラボラアンテナがより近い感じがしますが。
alt


国中からありったけの銅があつめられました。
でも金がなかったんですよね。
佐渡ヶ島は秀吉の時代です。
渡来人から、「金箔でキンキラキンにしたら、カッコええで」
と仏像づくりの基本はきいていたのですが、ないものはないんです。
ところが、完成したあと、駿河のくにで金がみつかり、あわてて仕上げをやり直しました。

・・・朝日を浴びて、大和の野に黄金色にかがやく大仏。
田を耕す手をとめ、人々は拝んだにちがいありません。

  *  *  *  *  *

さて、お昼にしましょう。
今回はいっちょー、
精進料理でもじっくり味わってみますか。 alt

精進花篭御膳』(2,200円)
alt

麦大豆御飯。
alt
麦に大豆って、めずらしいんじゃないか?

高野山名物① 高野豆腐
alt
ふつうに旭松食品のメーカーのものかも(笑

高野山名物② ごま豆腐
alt
ごまの風味が思ったよりグッとくる。ご飯のおかずというより、お酒に合いそう。

高野山名物③ ゆば(を焼いたか揚げたか)
alt
チーズみたいな食感。
最初、なにコレ?とおもった。
山椒のソースが絶妙。

ボリュームすくなめに感じるが、思ったよりお腹いっぱいになる。胃が小さくなったせいか?

 *  *  *  *  *

あじさいをさがしながら、ブラブラと。
あちこちのお寺を「はしご」して参ります。
alt

いちばんよかったのが、
南院』のあじさいかな。
alt

女人堂』につく。
alt

高野山の北の結界、入り口となる場所だ。
alt

ここでバスを待つ。
alt
汗をぬぐいながら、夏をおもう。

帰りのケーブルカーにのる。
alt

席にすわると、目の前にフランス人の夫婦が。
これに意味はない。
ただ、フランス人って鼻梁が高いというより鼻の穴がエグれてて、デフォルトで鼻毛まる見えなんやなあとかつくづくしょうもないこと考えてると、そのとき、もう極楽橋駅に着こうというそのタイミングで、デッキにいたふつうのおっさんたちが、

「あそこに道があるんやな!」

と声を上げる。思わずそっちを見ると、

「不動坂」という観光用立看板とともにあじさいが咲いてるのが一瞬、目に飛び込んできた。

「わかった。あそこか!」

つい声に出てしまい、目の前のフランス人をギョッとさせる。

駅に着くなり持っていたきっぷを捨て、改札をでる。
券売機で買った乗車券では途中下車できないからである。
alt

「極楽橋駅」の名の元となった赤い橋を渡る。
alt

林間を汗水たらしてのぼる。
すぐそばに駅舎が見えるが、もはやこの山道は地図にはのっていない。
alt
駅員さんから道をききました。
でないと、ムリ!

やがて、ケーブルカーからみた地点にたどりつく。
すると、あじさいを目の前にして、トラジマの警告ロープが張ってある!

・・・どうやら、鋼索線にちかづく不埒な輩がいるらしい。
大丈夫ですよ。わたしはマナーは守りますよ。

そのための、シグマ70-200 f2.8レンズです。
この距離だとバッチリ有効射程圏内ですよ。

とりあえず、一枚!
いちおうあじさい入ってますよ。はしっこにね。
alt

画角をかえて、下りキタ!
alt

ホイ、きた!
alt

ぬはは・・・。こんな感じですかね~。
なんか違う気もしますが。(笑
まあ、「わからなかったこと」が「わかった」、
どこで撮るんやろ?と謎だった場所が解明できたので、わたしはけっこう満足して帰りました。

今回はこんなところですかね。
alt
みなさまのブログ、たのしみに拝見させていただいています。

ありがとうございました。
またお会いしましょう。
Posted at 2019/07/12 20:04:41 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

Ricoというのは、「ガンスリンガー・ガール」(相田裕)という、今となってはちょっとふるい漫画に登場する男の子の名をつけられた少女のことです。 作中、ドラ...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/11 >>

      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      

リンク・クリップ

2025 さくらドライブ① 埼玉県他 241㎞ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/04/07 09:22:24
7月23日の続きを・・・(^_^)v 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/09/10 15:43:09
MiToの電動パワステ不具合 (1) 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2024/01/16 21:02:46

愛車一覧

アルファロメオ MiTo アルファロメオ MiTo
ゲームやってMiToを買った男の話。
ヤマハ ビーノ ヤマハ ビーノ
アニオタここに極まれり。 ・・・というのは冗談で、日々の生活に必要性が生じたので購入しま ...
その他 Nikon D7100 その他 Nikon D7100
男は四十過ぎたら、カメラです。
トヨタ ヴィッツ トヨタ ヴィッツ
RSと同等の1.5Lエンジンでよく走った。 とても気に入っていた。

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation