突如SLを撮りたくなったので、
大井川鉄道のある静岡県に向かった。
今回は時系列にそって話をすすめたいと思います。自分用メモを兼ねて。
AM2:30 和歌山発。渋滞回避の意味もあって早出する。気温4℃。
第二京阪、京滋バイパスを経て新名神で降雨。気温3℃。渋滞を懸念していた東名阪を難なく快走。しきりに渋滞情報が流れていたのはなんだったんだろう。ただ、逆に反対車線(下り)がトラック事故による大渋滞。これは気の毒だ。たった一台のために。フーバー。
6:00 御在所SAで大休止。持参したおにぎりと、
「かけうどん」(310円)

あったかいのが食べたかった。こんな時間に店をあけるのは大変だがマジ助かる。みなおなじ考えらしく、またたくまに行列ができる。7時夜明けとともに出発。
8:00 刈谷ハイウェイオアシス通過。

なんでこんなところに観覧車が、とぼんやり見上げる。そういえばテレビで見たなあと思いつつ風で頭を冷やす。(スマホ)
このあたりで、おや到着が思ったより早くなりそうだなと思いはじめる。着いたそうそう撮影できそう?
伊勢湾岸道の朝焼けでうつくしい橋脚をながめながら東名、三ヶ日で新東名へ。島田金谷ICでおりる。
10時半 「道の駅 川根温泉」着。

今回の撮影はここを拠点とした。
さっそくロケハンにむかう。めざす鉄橋は道の駅のすぐそば。ただし、すでに2組が三脚をおろしていたのは、私が思いもよらぬ場所だった。

なるほど、ここからだと架線の支柱が汽車の背後になるからか。よく考えてあるなあとぶつぶつ感心する。でもこれだと今度は逆光が心配なのだが。
汽車の通過は12時半。あと2時間もある!ここでひたすら待ってる柄じゃないので、場所の確認を済ませたらお昼ごはんにしよう。まずは腹ごしらえだ。
川根温泉の施設のなかに、お土産やさんと食堂が併設されている。
食券を買って座敷へあがる。
おっと来ましたよ。
「山のもてなし膳」(880円)

肉厚しいたけの天ぷらが美味。もうひとつは、すりおろした山いもをなぜか海苔でまいてムリヤリ揚げたやつ。食べてびっくりの食感。
「川根茶」

給湯器にて飲み放題。これがうまいのだ。給湯器のお茶とはおもえない。お土産に買ってかえろう。(帰ったあと無かった急須を買ってきて、いま川根茶ガブガブのみながらコレ書いてます)
さて、時間もころあいなので撮影場所に戻る。
さすがにギャラリーが増えてる。(スマホ)
まだまだ汽車は来ません。汽車がくるまで、すこしヨタ話につきあっていただけますか。
私は撮り鉄ではないが、鉄道を撮るのは決してきらいではない。
ちょうど一年前、デジタル一眼レフを買ってまず撮ったのは野辺山の電波望遠鏡だった。買ったばかりで使い方もわからず、フルオートだけどよく撮れたものだと思う。もちろん、馬鹿みたいな広角で撮ったから、両端の白樺の木があらぬ方向に曲がってるような失敗はしたけれども。
夏に黒部ダムを撮ると、人工建造物っていいよなと気づく。今冬はどうしよう。寝てもさめてもトイレでも仕事中も悩み続け、ついにハタと思いついた。
紅葉の写真作例に白煙をあげて疾駆するSLの姿をみて、ピキーンときた。
面白そうじゃないか。でも自分に撮れるのだろうか。
つい先日、和歌山城の紅葉を撮りにいったとき、公園でブランコする子供撮ってみごとにブレて失敗したばかりなのだ。
では、動体を撮る練習をかねて撮り鉄の特訓をはじめよう。(この時点でだいーぶ間違っている)
【撮り鉄特訓のようす】
旅行まで日にちがいくばくもない。一夜漬けのような特訓のはじまりは、やはり近所を走る「特急くろしお」から。

(撮影日:12月10日)
うーん、いいんじゃない。でも、あとで知ったことだが、線路のわきのアレはいかんそーで。そんなん無理ですがな。どうしても柵とか標識は入るでしょうが。ああ、ロケーションが大事なんですね。そうなんですね。
ちなみにこういうのは「編成写真」に分類されるらしい。自分のねらいはやはり「風景写真」かな。いつかの話で。
場所をかえてもう一枚。

(撮影日:12月10日)
ありゃ、失敗した。なぜうまく撮れない。
信じがたい話だが、ここではじめて「調べて」みた。すると意外な事実が判明した。
撮り鉄は、A絞り優先モードでは撮らないらしい。
Sシャッター優先モードかあるいはMマニュアルで撮るんだそうだ。
(´・ω・`)「ソウナノカー、シラナカッター」
500分の1秒を目安に置きピンで。線路わきの砂利にピントを合わせたあとオートフォーカスを切ってしまう。追っかけフォーカスじゃないんだ。固定でとるのか。電車はレールの上しか走らないんだから。
「和歌山電鉄 貴志川線」
貴志川線は遅いから、SLのいい練習になると思った。

(撮影日:12月24日)
さて、川根温泉に話をもどします。
12時30分、いまかいまかと待ってると、「ポッ」とみじかい汽笛。
ざわめくギャラリー。空気がかわる。
うオッ、来たッ。
うおおおおおッー。
ここでシリンダー内の蒸気を吐きだす。
こいつは、スゴい!

(SIGMA 70-200 F
2.8 /122mm/マニュアル露出( F5.6 1/500秒)/EV±0/ISO100 アクティブDライティング・オン)
ここで咄嗟の判断!撮影条件を変更する!
サービスなのか、じつは徐行といっていいくらい汽車のスピードはゆっくりなのだ。
この速度だと、もうワンチャンスいける!
Sシャッター優先モードに切り替え、AFオートフォーカスをオンにし、ふたたびカメラを構えた

(122mm/シャッター優先AE( F3.5 1/500秒)/EV±0/ISO100 アクティブDライティング・オン)
動輪がよくみえる。
そして通過してゆく。
古い電気機関車が最後尾。
「いやいやいやw」
ギャラリーの張り詰めた緊張がとけたついでに、となりの壮年の男性と談笑する。
「どうです? うまく撮れました?」

(キャノン EOS Degital X / タムロン24-105 F3.5-5.6) ※スマホ。日射しで画面がしっかりみえなかった。
きけば、藤枝からいい天気だったのでバイクとばしてきたんだそうな。なーんだ、地元じゃないですか。毎日撮り放題だ。
さまざま話をしたが、川根茶は地元の銘品でぜひおみやげにとすすめられた。買いましたとも。
さあて、これでミッション終了なのだが、じつはまだ15時30分に上りが一本だけあるんですよね。ここまできたらがんばってみましょーか。
3時間もあるので、とりあえず洗車する。

なんかいま近鉄電車が通らなかったか?!
足湯もあるでよ。
ネットで事前にしらべた有名な踏み切りがどうしてもみつからず、自分でロケハンしてみつけたこの場所で第2ラウンドだ。
ここにはもう誰もいない。たった独りだけのたたかいだ。ここで30分じっと待つ。5分おきにテスト撮影をおこなう。陽がどんどん傾くためだ。カメラに三脚が必需なのがいまさら身にしみてわかった。そう、信じがたい話だがこれらはすべて手持ち撮影なのである。
やがて汽笛の声。スタンバイ。
うはッ!
ダイナミック!

(140mm/マニュアル露出( F3.5 1/400秒)/EV±0/ISO320)
ピンズレだけど、かまわず追いかける。
うおおおォー!
ああ、この光景アニメでよくみたような。
なんかなつかしいような。
とつぜん変な話だが、私はブログにてよく聖地巡礼ネタをやる。ていうか自然とそうなる。今回はちがうかもしれないが、「何か」がすこし「絡んで」いるような気がしてならない。
ところで汽笛って本当に「ポーッ」っていうんですね。アニメだけの演出かと思ってた。
サービスか何かかもしれませんが、撮影してそうな所々でポーッと鳴らしてくれる。この音をうまく伝えられないことがおしい。なんかね、あのアニメとおなじ音なんですよ。本当に子供のときにテレビできいたあの音。
もうね、うしろでささきいさおが歌ってる気分ですよ。ええ声で。絶唱ですよ。

やはりここへ来てよかった。
次回は、ごはんですよ。