
赤目四十八滝
(あかめ しじゅうはちたき)
は、三重県と奈良県との県境。
三重県・名張市にある。
地図にすると、このあたり。
朝8時。

朝5時にでて、3時間ジャストでついた。(自分用メモ)
駐車料金800円。(これも自分用メモ)

車がガラガラで拍子抜けしたが、この後状況は一変する。
(※なんかえらいブレた写真だなと思ったら、手ぶれ補正切ってた)
8時半の入場時間まで30分あるので、
いまのうちに装備の点検をすませる。

今回は万全を期して、フル装備です。
順に説明しますと、
①ニコン 18-105mm f3.5-5.6G (400g)
通称「パイナッポー」
…標準的なズームレンズです。今回はこいつが主役になるでしょう。
②シグマ 70-200mm f
2.8 (1400g)
通称「ブリリアント・アイ」
…中望遠レンズ。遊歩道から遠い滝にもバッチリコン。重くてかさばりますけど期待大です。
(※裏に入って見えませんが)
③ニコン 35mm f1.8G ED (300g)
通称「リーチ・フォー・ザ・スカイ」
…単焦点レンズ。山野草など咲いてたら、見逃しません。とっていいのは写真だけ、盗んでいいのはハートだけを合言葉に、余分かもしれませんが重いけど持っていきます。
あと、通称というのは私が勝手にそう呼んでるだけです。心の中で。
この時点で、ボディを含めた重量は3kgをゆうに超えます。これに、
④スリック三脚 (1180g)
通称「かいわれ大根」(※三脚のくせに細くて頼りないから)
をくわえ、さらにペットボトルなんか入れると5kgに達します。
やばいです。
こんなので、片道2時間といわれる
【赤目五瀑】をめぐるトレッキングに耐えうるでしょうか。
かなりヤバいです。
気分はレンジャー部隊のサバイバル訓練です。
今回は滝撮りということで、ギリギリ前日に突如「思い立って」購入した、
(※白飛びしてなにかさっぱりわかりませんが)
⑤CPLフィルター 2枚(φ67、77)
をぶっつけ本番で使用します。
PLフィルターというのは、日射しの反射をおさえ、自然の色本来をとりもどす、仕組みでいえば偏光サングラスとおなじ原理の優れもので、レンズの前部に装着します
…昨年高知は中津渓谷で誤って水中に落下させて以来、満を持しての再度購入です。あのとき落としてさえいなければ・・・。
さて、時間もころあいなので、装備をたずさえ滝の入り口まで移動します。
「クレオメ」

途中湧き水があったので、ペットボトル片手に飛びついた。

(※写真、ブレてます)
なんともいえない形をしている。

…よくみたら、「飲用水ではありません」の文字があってギョッとする。
フフッ、飲んじゃった。
まだ閉まっている土産物屋を抜けると、

滝の入り口がある。

滝の入り口のそばに「日本サンショウウオセンター」があるのではなく、むしろセンター内が入り口を兼ねている。
つまり、オオサンショウウオの入った水槽をなかば強制的に見ながら入っていくのであり、もしここに極度のサンショウウオ嫌いな人がいれば、泣く泣くUターンせざるをえない。おそるべき赤目トラップの発動である。
おどろきべきことに、チケット販売窓口がある。

ずいぶん本格的だな。
さて、ここからが滝のはじまり。
はりきって参りましょー。
スタートからわりとすぐ。
5分くらいで最初の滝が眼前にあらわれる。
赤目五瀑【1】 不 動 滝

橋の上からの撮影。朝イチなのでまわりにあまり人がいないのでたすかる。
気温は25度くらい。

そのぶん湿度は高いが、不快感はない。

川のせせらぎの音、森のにおいが足を前へ前へと進ませてくれる。

赤目五瀑【2】 千 手 滝(せんじゅたき)
ここまでが初級編。これからの道中はちょっとたいへんになります。
赤目五瀑【3】 布 曳 滝(ぬのびきたき)

この滝の上部を登っていきます。

こういうところへ来たかった。

こういうのなんて言うんでしょうね。
瀑布でもない急峻な渓谷でもない。
ちょうどいいくらいの滝と渓流。
こういうのをさがして、高知の中津渓谷や長野の烏川渓谷まで東奔西走、右往左往、七転八倒したのに、こんなところにあったとは。

これぞ求めていた場所だ。

ところどころに休憩所があります。
でないと、体が持ちません。
乾いたタオルを首に巻くと、あっというまに絞れるほどの濡れタオルになります。
ここに来る人は、滝のような汗を流しながら滝を眺めているわけです。

うまい具合に日が射したところを。
『水と緑がうまれる地で』

AF-S NIKKOR 18-105mm f3.5-5.6G ED VR
105mm/マニュアル露出(1/5秒 f13)/ISO 100
『骸骨滝』

まあ、ガイコツに見えなくもないわな。
いちばんの絶景といわれる滝のおでましです。
赤目五瀑【4】 荷 坦 滝(にないたき)

うわ、ちょっとこれはいいわ。
紅葉の名所でもある赤目四十八滝。紅葉の季節にきたら、さぞかし格別な風雅を味わえるにちがいない。
『雛段滝』
三脚を買っていろいろ試したいことがありましたが、自分はやはりこれでした。
みんカラで滝をスローシャッターで撮ってるひとのブログをみて、いつか真似したいなとひそかに思ってました。
『琴滝』
さあ、いよいよ最後です。
赤目五瀑【5】 琵 琶 滝(びわたき)

やっとのことで、コンプリート!
現在時刻10時半。ここまでみちみち撮影しながら2時間かかった。
じゃあ、戻ります!

帰りは、35mm単焦点レンズに切り替えて撮影。
なぜなら道中コレをみつけたから。
『イワタバコ』
まあ、あちこち群生してるんですけどね。

たくさん咲いてるので撮るのに困らないが、なにしろみな下を向いてるので撮るのに苦労する。
もうお昼も近いので腹がへるあまり、足元のしめじにも注目したりする。

しめじ、じゃないわな。
お昼近くになると、どんどん人があがってきます。
対向がたいへんな混雑ぶりです。
苔むす遊歩道をカメラ片手に撮りながら。
足元に水がうまれるさまを感じながら。
見上げると、森から水が降りそそぐ。
この写真の直後、私は足をすべらせ無残にも転倒します。
かなり用心深く気をつけ歩行していたのに、です。
左手に三脚を手持ち、右手にカメラをにぎりしめ、右利きなので当然受け身は右手で取らざるをえず、カメラをしたたか岩場にたたきつけてしまいました。
「シマッタ!」
おもわず声にでたほどあわてました。いままできれいに使ってたつもりなのに、一瞬で傷だらけになりました。(下のは三脚のクイックシューだからべつにどうでもいい)

あちゃー、やってもうた!
あわてて電源のON,OFFをチェックする。よかった、ちゃんと起動する。いや、そうでないと困る。撮影も問題なさそうだ。
さすがNikon。 丈夫なのが取り柄だ。宇宙だって行けるさ。
やっとのことで、千手滝まで戻ってきた。
ここには売店があるんです。
フーッ、やっとひといき。
首のタオルを絞る。
ラムネもいいけど、夏場はスポーツドリンクを置いていただきたい。
倒れるかと思った。
結局、シグマの中望遠はいらなかったですね。どの滝もすぐそばまで遊歩道が整備されていて。

もちろん、滝の飛沫や緑を「切り取り」で表現すべきなのですが、初めての場所で初の滝撮りとなると、ちょっとそこまで手が廻らなかったですね。
おおっ?
ちびっこ向けに「忍者修行体験」があるときいていたが、ここでやってたのか。
ハイ、ドボーン!

なかなか楽しそう。
さいごにオオサンショウウオをみて帰りましょう。
ここのぬし。でかい。
最大級らしい。
長生きするらしい。ふるい大阪の言葉ではサンショウウオのことを「ハンザキ」という。半分に割(さ)かれてもなお生きてるほどの生命力の持ち主だからだという。
息継ぎが見られるのは、めずらしい。
自分と同い年のがいるときいて。
同い年ということで、妙に親近感がわく。

じっとみてるいと、なんだか自分におもえてきた。
こんど生まれかわったら、オオサンショウウオになりたい。
さて、お昼にします。
名張市内までもどって、
「中国料理 敦煌」
「天津飯」

中華料理のお店に入ると、いつも炒飯ばっかり頼んでるからたまには自分自身に意表をついてみた。
で、さらに頼んだのが、
「
東坡肉(トンポーロウ)」
AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED
トンポーロウといえば、コレ。

(美味しんぼ 2巻 「手間の価値」より)
87年の連載だから、ちょうど30年まえ。
当時あまりに衝撃的だったから、いまだに思い出す。
「山岡さんの作ったのは本物の
東坡肉。
宝華飯店のはただの豚バラ煮込み」

さて、わたしが食べたのはどっちなんでしょーか。
味オンチだからわかりませんねー。
帰り道。
奈良県・宇陀の山中で「ネムの木」をみつけ、おもわず車を停車させる。

走りながら見つけた自分もスゴい。
大阪の「この花館」の温室でみた「トキワネム」は観賞用なのか低木で、山中にある天然(?)のネムの木はデカい高木なんですね。花はほとんど色も形もいっしょにみえますが。じっさいに見て、へーなるほどと思った。
奈良・下市の湧き水に寄ります。

湧き水にはじまり湧き水におわる。
そのすぐそばにある喫茶店。
ふう、つかれた。
冷たいアイスコーヒーが飲みたい。

こんなふうにアイスコーヒーを飲んでると、みんカラで食後にかならずアイスコーヒーを頼むひとを思い出す。
窓のむこうは吉野川がみえる。
決して絶景ではないが、キラいでもない風景。落ち着く瞬間。

写真のフレーム外からきこえる、河原でキャンプやらバーベキューやらやってる嬌声。
ふと、寂寥感がこみあげる。
お盆休みは、こんな感じで。
ありがとうございました。
またお会いしましょう。
Now! 36,660km
走行距離 280km
Posted at 2017/08/15 20:04:14 | |
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