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2019年04月29日 イイね!

さあ、みんカラと写真の話をしよう!【松山・ふたりだけのオフ会記】

さあ、みんカラと写真の話をしよう!【松山・ふたりだけのオフ会記】5月の連休中、

私は四国・松山に向かいました。

みん友さんである

一文無し。』さんに

会いにいくためです。

【平成31年4月29日】

和歌山から徳島へは南海フェリーで。
GW中にもかかわらず、朝8時30発といういい時間の便の予約がとれたので、ゆっくりとした船出となった。
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2時間後、徳島港着。
ゲートオープン。
ここから私の長い、四国の旅がはじまる。
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午後3時すぎには松山に到着。
2年ぶりにみる松山市内の風景。
そう、「一文無し。」さんと会うのも2年ぶり、今回で二度目となるわけです。
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松山のシンボルのひとつ、『大街道』で待ち合わせ、
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そのまま「すし丸本店」へ。
あらかじめ座席を一文無しさんに予約してもらっているので、すんなり入れます。そして落ち着いた雰囲気のお2階へ。
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まずは再会を祝して!
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くう~ッ!
まさか本当にこの「ふたりだけのオフ会」2度目が実現しようとは。
感慨無量です。

『道後ビール』
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地ビールである道後ビールは、2年前にも呑んだがあのときはさすがに初対面の緊張もあってか、あまり味を覚えてなかった。いま味わってのむと、ハチミツを溶かしたような風味があり、ドイツビールの味わいに似ている。

ビールと言えば、
この2年間で私は2kg肥え、腹回りが数センチふえました。
だらしない生きざまをさらしております。

いっぽうの一文無しさんは、体重の増減はほぼないという。
むしろ弱冠瘦せたくらい。
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お料理の注文もそこそこに、
卓にカメラのレンズをゴトゴトと並べだします。
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そう、これこそ今回のオフ会の真骨頂、
さあ、みんカラと写真の話をしよう!
そのために私は、はるばる海を越えてやってきたんです。

私と一文無しさんは、たがいに「写友」と認め合う仲。

私が彼を写友だと思うのは、みんカラのなかでいちばん
「写真にたいする方向性が一致」してるからでありました。

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ところがです。
こうして膝をつきあわせ、酒を酌み交わしてみるとどうも、けっこう一致しない点が多い。いやそれどころか、10に5ツどころか10にひとつか二つくらいしか一致点が見いだせない。

たとえば一致してる点でいえば、みんカラのブログの更新頻度が同じくらいの月に一度程度とか、それくらいで、

まァ、大の男がふたりやることなすこと考えることが完全一致してたらそれこそ気持ち悪いわけでして、まあ、別人格べつの考えで当たり前。

でもそれがあまりに一致してないことのほうが多くて、呑めばのむほど、喋ればしゃべるほどそれを強く感じ、なんだか二人して笑ってしまいました。

オフ会って、こういうところが面白いですよね。
面と向かってしゃべると、それまでのブログのコメントやメッセージのやりとりではわからない新たな一面がみえてくる。
というより、情報量がケタ違いすぎる。
コメやメッセージが「1」とするなら、オフ会だとその5倍も10倍も情報のやりとりができる。それも高速で。だって、目の前にいるんだから。

「オフ会って、面白いなー」

私は酒杯をかたむけ、ニヤリ口元をゆるめながらつぶやいたものです。

  *  *  *  *  *

では、そのおたがいの「ちがい」とやらを、
みんカラのみなさまからみて面白いかどうかは不明ですが
詳細に分析してみましょう。

①レンズにたいする考え方
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(※私はフル装備ですが一文無しさんはフル装備ではありません。18-135のズームは必要なしとの判断でおいてきたそうです)
 
画像をごらんいただくとわかりますが、一文無しさんの所有レンズにキャノン純正の70-200F2.8通しというレンズがあります。これはごく最近に購入されたものです。

私は2年前にお会いしたとき、彼に望遠ズームの導入を強く、それはもうたいへん強くすすめました。

ところが彼は頑としてきかない。
買いたくないというんです。
「自分の腕ではまだ」

そんな高価なレンズは早すぎる、とかたくなに堅持するんです。
私が望遠ズームレンズの必要性をじゅんじゅんに説いても、です。

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彼いわく、
「伊予人は頑固で」
といいますが、ほんとにがんこで、おもわず「坂の上の雲」の秋山好古・真之兄弟を思い出してニヤリとしたわけですが、この兄弟も生粋の伊予人で、小説をよんでると、「どうかしてるのではないか?この兄弟」と思うほど頑固者で、まあ、その頑固さで日露戦争に勝利したわけですから、伊予人の頑固さには一目おくべきでして、

ところが今年の桜で事態は急変します。
花を撮ってて、思うところあったらしく、レンズの購入を決断したといいます。
いったん決断すると極端でして、サードや中古などわき目もふらず純正の新品をえらびました。
伊予人は思いきりがいいというのが、よくわかりました。

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では2年前に、私と会ったとき、あのあとすぐ買えば、とつい思うわけなんですが、すると、
「あのときの自分の腕ではまだ」
となるわけです。
これに対し、私をふくめ彼をご存知の多くの方が、
(一文無しさんの写真の腕ならじゅうぶん)
購入の動機・要件にあたいするのでは?と思うでしょうが、彼は首を横にふるのみで、彼の存念はもっと深いところにあるらしく、私の筆致では到底およびません。
しいていうなら、言葉をえらぶなら、
(写真にたいする畏(おそ)れ)
というものを、かれはつねに持っている。
そういうことになるのでしょう。

  *  *  *  *  *

で、いっぽうの私なんですが、
畏れなんてあるわけない。
私は物事の本質を見極めたいだけなんです。

写真はレンズで撮るものなんです。
その画角が欲しいからレンズを買うんです。
望遠は望遠じゃないと撮れないんです。

うまいか下手かは関係ない。
腕があろうとなかろうとどうでもいい。
写真の腕なんて、あとから自然についてくるものなんです。
もしついてこなかったら、その人は残念な人なだけです。それが仮に私だとしても構いません。だれにも迷惑かけてないし、法にも触れません、
人生一度きりのゲームなんです。
リスポーン(再スタート)なしのゲームなんです。
レンズくらい買いましょう。
それが私個人のかんがえです。

・・・という話を、これをごらんのみなさまには信じがたいことでしょうが私は一文無しさんに熱く語っています。いやもー、喋りすぎてお料理にぜんぜん手を付けてないわー。酒杯はしぜんに口に運ぶんですが。喋りながらでも。

おっと、一文無しさんすみませんねえ。
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ちなみにこの酒の銘柄は
話せばわかる
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いやー、どうかなー(笑
私がいうのもなんだけど。
(※ちなみにこのお酒「話せばわかる・雪雀」はホテル内のレストランでもみました。松山ではわりとメジャーな銘柄のようで)

というわけで、ラストオーダーまで語りつくしても、まだぜんぜん時間が足りない!
延長戦は翌日に持ち越しとなります。

  *  *  *  *  *

【平成31年4月30日】

SUBARU BRZ  ×  AlfaRomeo MiTo
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三津ふ頭での車の撮影は
わたしからのたっての願いで実現しました。
なにしろ2年前はすぐに松山を発ってしまい、それが心残りだったのです。

きょうは時間はタップリあります。
ぜひ、ふ頭で車を並べたかった。
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昨夜来まで松山は雨が降った。
が、この日は雨が上がり、曇り空だが撮影には申し分ない天気となった。
旅の女神がほほえんでいるようです。「撮りなさい。思う存分」と。

驚いたのが、一文無しさんはこの撮影にお手本をもって臨んでいることだった。
私のMiToを撮るために、みんカラのある人の写真で勉強してきたという。

MiToっちさんをお手本にして撮りたい」

彼はそう言うと、慣れた手つきでカメラを構えた。
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②車の撮り方のちがい

ここで両者の撮り方のちがいに気づきました。

一文無しさんは上の写真をみてわかるとおり、18-135mmのレンズでおもに標準域による撮影を旨とする。

いっぽうの私は、シグマの中望遠のレンズ効果を期待するとこが大であり、
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こういう感じで。レンズ効果でてるかなあ。
いやどうでしょう。

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一文無しさんに、
「望遠ズームつかわないの?」
ときくと、
「こっちレンズのほうが使い慣れてる」
とのこと。

まあ、こういうのはまさに好きこのみなので、どちらがどうということではないんですよね
ただ、撮り方ちがうのが面白いなーと思いましてね。

あと、もうひとつおどろいたのが、
一文無しさんの愛車・BRZがピカピカに磨き上げられてることだった。
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雨ジミなどがいっさいない!
ホイールなんかも鉄粉カスなどがきれいに除去されていて、まるで新車同然。
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あまりのことに、
(新車だったっけ?)
と混乱してしまい、
「クルマ・・・、何年だっけ?」
と聞いてしまいました。
最近購入したと言われても、たやすく信じそうなほど。
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私はいうと、旅のまえにあわててコンパウンドくかけてきたくらいで、これでもいつもより幾分マシなのですが、水垢だらけで、ホイールなんかも使い古しの歯ブラシで洗ったけど鉄粉カスが隅にのこったまま。まさに「四角いところを丸く掃く」男なのです。

まあ、みんカラ的にはきれいに磨き上げるのが「ふつう」であるのかもしれません。
私がアルファ乗りの風上におけないだけで。

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だたそれでも、
(この労力と情熱はどこから湧出してくるのだろう)
と、私は曇りないスバルブルーに見とれながら首を振るのみでした。
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  *  *  *  *  *

さて、お昼ごはんは二人で
一文無しさんの行きつけのお店で。

和歌山のRicoをかなりの海鮮好きとにらんだ彼が、つれてきたのがこのお店。
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廻るお寿司のようですが、
ただの回転寿司店と思ったら大まちがいのようで、
このお店こそ、
松山の海鮮の真価を味わえる
彼が太鼓判をおす名店なのだそうです。

しんせんや
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『はぎ』
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うおッ、たしかにうまい!
シャリに「赤酢」を使っているのだそうで、ネタとの絡みが絶妙でうまみが増す!

『さより』
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③お料理写真の撮り方について

私はひとつ、どうしても聞きたいことがありました。

一文無しさんは2年前、みんカラの『70photo』さんと大分・湯布院でお会いしたそうなのですが、どうもそれ以降、

一文無しさんの写真が劇的に変わったことに気づきました。

とくにお料理の写真が、光のとらえ方が絶妙な感じがするのです。

いったい、どういうことだろう。
70photoさんに必殺技か最終奥義でも伝授されたのだろうか。
私は悩みました。マネして撮ってみるのですが、ぜんぜん真似できない。

湯布院で、一文無しさんはキビシイ修行でもはげんだのだろうか。
私はそこまでかんがえました。
逆さづりになって、オチョコで水を汲み上げる一文無しさんを私は想像しました。
そうして70photoさんから免許皆伝をうけ、かめはめ波が出せるようになったのです。
なんだか書いてて支離滅裂になってきましたが。

私はその秘密が知りたい。
メールできくのは失礼だし、なにより間接的に70photoさんにも失礼にあたる。
わたしは面と向かってきくために、はるばる松山まで来たのです。

すると一文無しさん、
「逆光をうまくとらえる」
と説明してくれるのですが、どうもピンとこない。

逆光は自分でもすでにやっています。だけどぜんぜん撮れないんです。
もっとこう、コツがあるんじゃ?

すると、
「ちょっと、Ricoさんのカメラ借りていい?」
と私のNikonで撮りはじめました。

そうだ、そうだよ!なんでこんな簡単なこと気付かなかったんだろう。
実演してもらえばいいじゃないか。
目の前にいるんだから。オフ会なんだから。
そうだ、車の撮影もおたがいにカメラ交換して撮れば面白かったのに。

で、一文無しさんの写真がコチラ。
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ね、上の私の写真とぜんぜんちがうでしょう?

たしかにこっちの写真のほうがきれいだ。
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でも、ちょっと待って。
うーん、これだとなんのお寿司かわからない・・・。
私の理想は、あくまでも「メニュー」のような写真で、なおかつ美味しそうに撮りたい。画面に占める料理の面積はなるたけおおきいほうがよい。(※接写という意味でなく。角度の意味で)

・・・とかいいつつ、文句言ってるようですが、じつはこの写真、たいへん気に入りまして、そりゃこれをききにやってきたんだから!このあと旅の最中、ずっとこの撮り方を真似して撮ってました。われながら現金な男です。

さっそく真似して、ホテルの朝食バイキングで撮ってみた写真がコチラ↓

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ウホッ!うまく撮れた!こういう写真も撮りたかった。
ありがとう、「一文無し。」さん!
いろいろお世話になりました。

旅はまだつづきます。
次回も松山で。
ご期待ください。

special thanks to Mr.MiTo-chi & Mr.70photo
Posted at 2019/05/06 14:14:47 | コメント(2) | 日記
2019年04月13日 イイね!

花の降る午後

花の降る午後花に主題がある。

今年は

花の散り際を

この手でおさめたい。

そう思っている。


といっても、花が散るまでまんじりともせず、
というわけでなく満開ともなれば、
足は自然と花の名所に赴きます。

【4月7日(日)】
『史跡 和歌山城』
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城内はお花見ムード全開。
今日は天気がいいですから。
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独り者の私がこういう写真をあげると、何かしら存念があると思われがちですが、
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きれいに撮れたからブログにあげただけで、
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存念などありません。
関係ナッシング。

この石段をあがって、
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めずらしく天守閣をめざします。
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本丸そばに見事な花があった。
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本丸には入りません。
ここから先は有料ですが、お金をケチってわけでなく、目的がちがうからです。眺望よりも花を見に来たんです。

眺望ならここからでも。
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東の方向ですが、なんら特筆すべきことはございません。
なんか、すみません。

そのかわりに、ほう、撮影ポイントとな。
このワードには食いつきいいです。
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ほう、いいですねえ。
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天守閣は以上で。
石段を下りていきます。
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この石垣の風情、
ながきにわたる歴史、歳月を感じる。
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下では露店が立ち並び、花見客でごった返していた。
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それはそれは、たいへんなにぎわいでして。
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だが、城内の華やかさとは裏腹に、
いっぽうで私は心中が急速に冷めていくのをどうしようもなかった。
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この冷めていく気持ちの正体はなんなのだろう?
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その疑念は、ワインの瓶底にたまる澱(おり)のように、
私の心中奥深くに沈んでいった。
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和歌山城をはなれ、
おなじ市内中心部
とある公園へトラヴァース。
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車を回すほどでもない。
歩いていける近さ。

花のうつくしい公園がそこにあった。
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風のない、おだやかな日だった。

花咲く散歩道、そのつきあたりに妙な店があった。
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じつは上の写真をよく見ると、この看板の全体がしっかりうつっている。

牛かつというのもめずらしい。

いっちょー、景気づけに牛でも食うか!

ちなみにあとで調べたら、この店は和歌山城からじっさい丑寅(北東)にあった。いわゆる鬼門である。「丑寅の物忌み」とかいうけど、いいのかね?

カウンター席につくと、目の前に一人にひとつ卓上コンロがある。
ひとり焼き肉でもするのだろうか。
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若い女店員が点火したのち、注文のしなが運ばれてくる。
牛かつ定食
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AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR

ほう!
レアな状態のままの赤身肉を大胆にならべたこのスタイルがウケて、今話題の店なのだという。
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AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED

このまましばらくおあずけをくらう。
若い女店員のながい説明をくどくど聞かなければならないからだ。

「お肉はレアでございます。お好みの焼き加減で」
あ、自分で焼くんだ?!
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この、「最後の仕上げは自分で焼く」というスタイルもウケて、じつは入店にすこし並んだし、いま店内は満員で店のそとには行列ができてる!

モー、どんどん焼いてやる!
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「特製タレでお召し上がりください」
「よくかきまぜてお召し上がりください」
なんか、タレと卵をよくかきまぜろというので、このお店はどうやら若い女店員の指示通りにやらないと食事が完璧に達成できない仕組みにでもなっているのかやたら説明が多いが、どうせなら「よくかきまぜてお召し上がりください、ご主人様」とか語尾につけてくれないかなとか頭の隅で妄想しつつ、
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お、うまいな。コレ!

ちなみに写真はないが、フライドガーリックチップ?スライス?をこれまた若い女店員の言いなりで茶色のカリカリしたものふりかけて食べると、これがウマい!
やはりあれですな。にんにくは牛肉の旨さにブーストかけますな。

この日はこれにて帰宅する。

  *  *  *  *  *

【4月11日(木)】

冷たい雨が降る。
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花散らしの雨がふる。
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AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR

カウントダウンがはじまる。

  *  *  *  *  *

【4月13日(土)】

ふたたび公園を訪れる。
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花は盛りをすぎ、
午後から風がふいた。

ここでじっとカメラを構えていると、キィッと自転車がとまり、

「ええカメラ持っちゃるなー」

おっさんがニコニコ相好を崩している。
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和歌山弁、紀州の言葉である。ちなみに「する・してる」を「しちゃる」(しちゃーるとも発音する)とこのあたりでは言う。

おっさんは屈託のない笑顔で、

「わしもなー、ニコン持ってるで」

どうせクールピクスかなんかのコンデジであろう。家電量販店で店員のいうがままに買わせられるやつである。そうタカをくくってると、

「しょうもないカメラやけどなー。でぇの七千・・・」

えっ!?と思い、

「ひゃく?」

「そう。たしかそうやった」

ちょっとちょっと! D7100といえばおれのカメラもそうなんですけど。どこがしょうもないのか。バリバリ使用中なんですけど。

ところがおっさんにも言う意味があるらしく、

「フルサイズ機やないんや」

という。APS-Cという言葉さえでなかったものの、ちゃんと知識があるらしい。それどころか、

「兄ちゃん、えふ3って知ってるか?あれ持っとったんや」

しってる。銀塩時代のNikonの一眼レフだ。
みんカラでもごぞんじ有名な自動車デザイナー、ジウジアーロがデザインしたという名機である。

それから所有しているレンズに話が移ったが、16-80のf/2.8-4を持ってることに驚かされた。私も持ってるからだが、わざわざキットレンズじゃないレンズを買ったこのおっさんはどうしたことだろう。肝心のカメラは2年前に買って、いまは放置だそうだが。

「ええ趣味やないか」

カメラを構えた私におっさんはいう。

(果たして、いい趣味なのだろうか?)

盛りをすぎ、花が風で散る。その瞬間をいまかいまかと待つ自分はもしや悪趣味ではないのか。

時はすぎ、季節はめぐる。花が散るのは必定。だが、その瞬間をとらえようとするのは無粋きわまりない行為であり、あるいは死に急ぎの行為なのかもしれない。

今やっとわかった。
ずっと抱いていた疑念が、である。

花の「死」を撮るということは、人の死をとらえるあさましい戦場カメラマンに似て、どこか背徳でうっすら罪深いのだ。

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定年後、悠々年金生活なのだという。
定年というから60代にみえたが、昭和22年生まれ、私の父とそう変わらない歳である。これではおっさんというより、オヤジさんだ。

南海電車に勤めていたそうだ。

「昔はよかった。仕事がぎょうさんあった」

働き口がたくさんあった、の意である。

オヤジさんが高校を卒業したのが昭和40年。この国が高度経済成長期へ駆け上がっていくまさに入り口の時代。
警察官など、希望すればお望み次第。地方の役場勤めは敬遠された。現代とは真逆の就活ぶりである。

和歌山市内に「花王」の大きな工場がある。そう、あの花王である。
オヤジさんは花王にいくか、南海に行くか迷ったらしい。
結局、電鉄をえらんだ。
学校を卒業して配属されたのが、沿線の「箱作(はこつくり、大阪)」の駅員として。駅で寝泊まりし、始発電車をむかえた。

「オヤジさんは今からどちらに行かれるんです?」

言葉がさらに丁重になったのは、ひとつの仕事を成し遂げた誇りある男にたいする畏敬の念からである。

「あそこにな」

市内で有数の繫華街の町名をあげ、

「ツレがおるんや」

花見酒だ、とまでは言わなかったが、はたして待ってるのが友人なのか酒樽なのかその口ぶりからは容易に想像できた。

そうして自転車で去っていった。
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人の話をきくのが好きだ。

はじめは正直、「難儀な」と思った。集中して花を撮ってるのに、声をかけてくるひとが邪魔だったのである。
ところが、よほど話好きだったらしく、オヤジさんの話は上述だけでは書ききれないくらい多岐に及び、亡くなった奥さんの話とか、とにかくすさまじい情報量で、まるで桜の木の下で一冊の本を読み終えたような、私はそんなふしぎと満ち足りた気分になった。

  *  *  *  *  *

そのあと、私はすこし場所をかえ、時間をかけてシャッターをきった。

今回の写真には主題がある。

すこしだけ、その主題に近寄れたとおもう一枚をさいごに掲げて、このブログを了としたいと思います。

ありがとうございました。
またお会いできれば幸いです。

花の降る午後
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(by Carlos Toshiki & OMEGA TRIBE)

Posted at 2019/04/17 20:04:12 | コメント(5) | トラックバック(0) | 日記

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