MiniCar|ランチアテーマ ターボi.e.(1988)
投稿日 : 2008年03月08日
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イタリアのフィアットグループを形成するランチアは、高級ブランドという位置づけのラインナップを揃えています。
以前はWRC(FIA世界ラリー選手権)での活躍などもあったことから、さらにスポーティなイメージを抱く方も多いことでしょう。
テーマは1984年にデビューしたハイエンドサルーン。フィアット/アルファロメオ/サーブとの共同開発「ティーポ4プロジェクト」によって産み出されましたが、このプロジェクトで誕生した4車種はそれぞれの出で立ちを色濃く見せた個性的な面々でした。
もちろん4兄弟の中でも最も高級に仕立て上げられたのがテーマ。ジウジアーロによるボクシーなデザインは、ゲルマンの高級セダンとは全く異なる佇まいを見せていました。
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ボディサイズは全長こそ4600mmほどと決して大きなものではありません。しかし全幅は日本の5ナンバー枠を超える1755mm、全高は1440mmとなり、スクエアなキャビン形状もあって室内はとてもルーミーなものでした。
駆動方式は前輪駆動のみ、ミッションは搭載エンジンによって日本ではオートマチックとマニュアルがそれぞれ組み合わされていました。
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テーマはその生涯において2回の大がかりな改良を受けました。1984年~1998年のフェーズI、1988年~1993年のフェーズII、そして1993年~1995年のフェーズIIIに大別されます。
モデル化されたフェースIIは私も所有していたタイプ。
日本市場にはセダンとピニンファリーナの手によるステーションワゴンが導入されましたが、セダンは直列4気筒2000ccターボとV型6気筒2800ccノンターボ、そしてフェラーリ308GTB用エンジンをデチューンしたV型8気筒3000ccエンジンの3種類がラインナップされ、V6モデルは3速オートマチック、それ以外には5速マニュアルが組み合わされていました。
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バンパーレベルから大きく開くトランクリッド、カーゴスペースは広大なものが用意されていました。
さらにリアシートは可倒式とされており、更なるユーティリティの拡大が可能。兄弟車には3ボックススタイルながらリアウィンドゥとともにハッチゲート風の開口部を有するフィアットクロマもあったため、上級に位置づけられるテーマも高いユーティリティ性能を有していました。
ただし引換えにボディ剛性は決して高くないというデメリットも生じてしまいました。
またリアシートの座り心地も少々背もたれが平板な感じとなっていましたが、当時のイタリアでは事実上最上級の国産4ドアセダンだったがゆえ、公用車としても活躍したテーマ。
特別仕様としてストレッチドリムジンも少数ながら存在していました。
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私が所有していたのは、まさにこのミニチュアと同じフェイズIIのターボモデルでボディカラーもダークブルー。
フォーマルで気品高い佇まいのエクステリアはもちろん、インテリアもとても上品で落ちついた居心地のよいものでした。
そしてターボエンジンによる高い動力性能は、ひとたびムチを入れると最高速度240km/hオーバーの世界に誘います。
当時、北海道内には10台あったかどうかという稀少な存在だったテーマ。ゆえに知名度も低く、BMWなどと間違われる機会も多かったのは今では笑える思い出です。
埼玉のマツダ系中古車店から走行3000kmほどの個体を購入、地元のオートザム店でしっかり面倒を見ていただいたお蔭で大きなトラブルに見舞われることもなく、北海道中を駆け回りました。
そして北海道を離れ、東京に出てきてからもしばらくは毎日のように元気に走ってくれた一台です。
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