2008年 警視庁・年頭部隊出動訓練 (1)
投稿日 : 2008年01月13日
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1月11日(金)、東京都内で警視庁が年頭部隊出動訓練を行ないました。
これは新春の恒例行事であり、最高指揮官である警視総監を筆頭とした警視庁幹部も出席して、年頭にあたって治安維持活動などの取り組みについて士気を高めるもの。
当日は警察官約2700人、車両約140台に加え、警察犬や騎馬隊、航空隊のヘリコプターなども参加して威風堂々たる行進を行ないました。
なお同様の新春行事は全国の各警察本部で実施されていますが、一般公開については各本部で対応が異なります。
積極的に実施日を告知して申し込み制などで一般見学を受け入れている本部がある一方で、完全に内輪の行事と位置づけて非公開としているところもあるようです。
警視庁の場合は事前の告知など積極的な公開はしていませんが、会場での見学は一般でも簡単に出来るロケーションです。
現場にいる警察官の指示にしたがって一定の範囲内からであれば、見学や写真撮影も自由。もっとも、マニアの中には警察官の指示を無視して規制域内から写真を撮影しようとする困った輩も見かけられましたが・・・。
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ズラリと並んだのは"ゼロ・クラウン"ことGRS180系・トヨタクラウンの無線警邏車。
地域部に属する「自動車警邏隊」、俗に"自ら隊"と呼ばれるセクションに配備された車両の行進です。
ルーフには昇降装置付ブーメラン型赤色警光灯を装備。
この車両を使って街中をパトロールし、犯罪抑止や防止活動、事件・事故への初動対応などを行なっています。
なお警視庁の自ら隊で使われているGRS180系クラウンは2輪駆動で排気量2500ccのエンジンを搭載、ミッションは5速オートマチックとなっています。
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交通部・交通機動隊の花形とも言える、白バイの隊列行進。
現在の主力車種であるスズキの「GSF1200P」と、ホンダの「VFR800P」が混在しています。
VFRは2001年、GSFは2004年から配備が始められていますが、ともに大排気量のエンジンを搭載した大型バイク。
これを操る白バイ隊員には相当の技量が求められますが、そこは訓練を積み重ねているだけに、ある意味でプロのレーシングライダーを凌駕するテクニックを有しています。
そんな白バイ隊員がテクニックを競い合う「全国白バイ安全運転競技大会」も毎年秋に開催されており、全国の警察本部を代表する隊員たちが操縦技術を披露しています。
ちなみに2007年の大会では団体競技第一部で警視庁が優勝、個人競技の部を制したのも警視庁の白バイ隊員でした。
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交通機動隊、中でも高速道路を管轄する「高速道路交通警察隊」にはスポーツ系車種のパトロールカーも配備されています。
パトロールカーには国家予算で調達されて各警察本部に配備される"国費モノ"と、各都道府県の警察予算で調達される"県費モノ"がありますが、県費モノには特定地域にのみですかお目にかかれないユニークな車種も多数存在しています。
警視庁にあるマツダRX-8もそんな"レア車種"のひとつ。
首都高速道路が主な活躍の舞台ですが、以前はFC3S型マツダRX-7やBB型ホンダプレリュードなどという、やはり警視庁でしか見られない車種も配備されていました。
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近年は4ドアセダンボディのハイパフォーマンス車種が増えたこともあり、パトロールカーへの採用例も多くなってきています。
特に速さに加えて走行安定性やリアシートを含めた使い勝手、さらには長距離・長時間乗務にあたっての疲労度の少なさなどが求められる高速道路交通警察隊には、ここでご紹介するスバルレガシィB4などは打って付けの選択かもしれません。
全国的に広く配備されているのは排気量2000ccのターボエンジン車ですが、警視庁には排気量3000ccの6気筒エンジン車も存在しています。
なお高速道路交通警察隊は一般的には速度超過など交通違反の取り締まりと交通事故処理で知られていますが、高速道路を管轄しているので例えばサービスエリアで発生した盗難などの事件についても初動捜査も行ないます。
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交通機動隊の所属として行進していたトヨタアルファード。
カラーリングは白黒ツートンの制服仕様ではなく、一般車と同じ塗装が施された覆面仕様になっています。
赤色警光灯もマグネットタイプであり隠密行動を出来るようにされたこの車。
具体的な用途などは不明ですが、行進ではサンルーフを開けて隊員が上半身を出した状態でした。
気になるのは、その手には何らかの発射装置らしきものが握られていたこと。
想像するに、暴走族対策などで後日検挙の証拠となる物証や映像を収集したり、被疑車両にペイント弾を発射するためなどに使われる車両かと思います。
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上記のアルファードと同様に交通機動隊所属として行進したスバルレガシィツーリングワゴン。
こちらも覆面仕様で、マグネット式の赤色警光灯を2個載せしています。
そしてやはりアルファードと同様に隊員がサンルーフから上半身を出した状態で行進しました。
その手にも何らかの発射装置らしきものが握られているのを確認出来ましたので、用途としてはアルファードと同じではないかと想像します。
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これは「サインカー」と呼ばれる車両で、交通機動隊に所属しています。
中型トラックを改造したもので、車両の最後部には昇降式の大きなLED表示装置が備わっています。
ここに様々なメッセージなどを表示させることが出来る車両。
例えば路肩などに停車してサインボードを高く掲げてメッセージを出して、通行止めなどの交通障害を走行する車両に知らせたりしています。
また交通安全運動などの期間中は啓発活動にも従事。
マラソン大会などの大規模なイベントでも交通規制情報を告知したりするなど、比較的見かける機会も多い特殊車両です。
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