2008年 警視庁・年頭部隊出動訓練 (3)
投稿日 : 2008年01月13日
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特科車両隊の「高所対策車」です。
赤色警光灯を備え、青と白の機動隊カラーにペイントされた「8ナンバー」の特種車両ですが、内容的には街中の電気工事などで使われている高所作業車に準じるものです。
3人程度が乗れるバスケットを有し、人命救助や情報収集活動など、いろいろな用途が考えられる車両です。
ちなみに以前の年頭部隊出動訓練では、この車両は行進順路に待機してバスケットを高所にセット、動画撮影機材と人員を載せて資料映像の収集を行なっていました。
今回はそうした活動は無く、行進隊列に加わって堂々の晴れ舞台となったわけです。
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大型バスをベースにした「人員輸送車」。
もちろん普通のバスとは異なり、赤色警光灯を備えた特種車両に分類されます。
そして窓には投石などによる破損から守るための防護網も備わっています。
その名の通り機動隊員の移動に使われるのはもちろんのこと、現場では隊員の休憩スペースになったり、会議が行なわれたりとマルチに活躍します。
東京では政府や外交の主要施設周辺、また成田国際空港周辺などで多く見かける機会がある車両です。
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先にも似たようなシルエットの特種車両を紹介してきましたが、こちらは「遊撃放水車」と呼ばれるもので、特科車両隊に所属しています。
基本的には小型警備車や特型警備車と同様にトラックをベースに防弾仕様のボディを架装したもの。
ただしその名の通り「放水機能」を有しているのが最大の特徴であり、ルーフには照明装置と放水塔が備わっています。
車体には水タンクを備え、大規模なデモなどで暴徒に対して放水を行なって鎮圧活動を展開します。
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何やら大きな荷台を背負ったトラックのように見えますが、これも特科車両隊に所属する重要な任務を持つ車両。
この荷台部分、実は「トイレ」なのです。
その名もズバリ「トイレカー」。長期間にわたる活動事案において、警察や自衛隊などの組織は一定の自給自足が求められますので、こうした車両を用意することで隊員のトイレに対する必要性を警察として自らクリアすることで活動範囲や時間による束縛を無くしているのです。
また震災などでは活動する隊員のためのみならず、一般市民にも供することが出来ますので、その存在は非常に重要な特種車両であると言えるでしょう。
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三菱デリカスペースギアをベースにした「広域騒音測定車」です。
ご覧の通り、ルーフに特徴的な装備が見えますが、これは集音装置。
これを使って、宣伝活動を行なっている場所などで音量を測定し、法律や条例に違反した大音量が出されていないかを監視するための車両です。
車体は一般的なパトロールカーのような白黒や、青白の機動隊カラーではありませんが、「8ナンバー」の特種車両となっています。
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赤色警光灯を備えてはいるものの、単なるトラックにしか見えないでしょう。
たしかにこの車、荷台がスライドする"車両積載車"なのですが、それ自体は自動車修理工場などでも使われているので街中でもそんなに珍しい存在ではありません。
この写真で注目すべきなのは、トラックよりもむしろ荷台に載せられている車、というか装置です。
小型の建設機械のような車両が載せられていますが、実はこの車両の名称は「爆発物処理用具I型」。
写真では用具を後方から見る格好ですが、隊員一名が乗る操縦席の前方は頑強な盾状のもので覆われていることがわかります。
写真では見えませんが、この車両の前方にはアームが備わっており、隊員はこれを操作して爆発物をつまみ上げるようにして移動させて処理するのです。
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上で紹介した「爆発物処理用具」とセットで活動するのが、この写真の車両です。
こちらは「爆発物処理筒車」。小型トラックの荷台に何やら備わっているのが写真でもわかりますが、ここには筒状の爆発物を処理運搬するスペースと、液体窒素のタンクを備えています。
つまり上記で紹介した処理用具で爆発物をつまみ上げて、この車両の処理筒に格納します。
それを液体窒素で急速に極低温で冷却して爆発を防ぎ、そのまま移動して爆発物を安全な場所に搬送して最終処理するという流れになります。
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(2)のページで「化学防護車」をご紹介しましたが、この写真の車両も同じく「化学防護車」です。
ただし先にご紹介したのが公安部の所属であったのに対して、こちらは機動隊の特科車両隊に所属しています。
外観上も車体色が公安部のものは濃紺一色でしたが、特科車両隊のものは青ベースに白ラインとなっています。
ベース車両は公安部のものと同じく三菱キャンターですが、こちらの方が導入年次が古いために旧世代のキャンターとなります。
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