2008 スーパー耐久シリーズ 第3戦
投稿日 : 2008年06月26日
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6月15日(日)に静岡県の富士スピードウェイではスーパー耐久シリーズの第3戦「SUPER TEC」決勝レースが開催されました。
この大会はここ数年は8月に行われていましたが、今年は時期が早まり6月のカレンダーに組み込まれました。
時期的には雨の心配が強かったのですが、このレースウィークは金曜から日曜まで幸いにオールドライコンディション。
シリーズでは2番目の長丁場となる4時間耐久は、8月開催に比べればマシというものの、やはり暑さを感じる中でスタートを迎えました。
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ST-1クラスでは一人勝ち状態のBMW Z4Mが目立つ存在ですが、今回から性能調整が行われてBMWは上限回転数が下げられました。一方でフェアレディZやポルシェについては軽量化などに効果を期待出来る特認パーツが設定されました。
しかしフタを開けてみればBMW Z4Mの強さは変わらず。序盤からチームメイト同士で激しいバトルを展開していった一方、「ENDLESS ADVAN Z」はミッショントラブルで後退を余儀なくされて、結果的にはBMW Z4Mの独壇場。
そして今回、遂に昨年来参戦を続けていた50号車のF.ハイルマン選手/柳田真孝選手組が初優勝を飾り、車種としてのBMW Z4Mは開幕三連勝となりました。
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凄まじいサバイバルな激戦が展開されたのはST-2クラス。
スタートまもなくトップに立った「オーリンズ・ランサーEVO X」は車両破損で早々に後退、そこからはエボリューションIX同士の激しいバトル。
しかし中盤にセーフティカーの導入があり、レース再開まもなくしてトップ争いを展開していた「RSオガワADVANランサー」と3戦連続クラスポールポジションを獲得した「DIXCEL☆新菱オートEVO IX MR」が二年連続となるまさかの接触でトップ争いから離脱。
残ったのは「眠眠打破ランサー」と最後尾スタートから追い上げた「ENDLESS ADVAN CS・X」、ピットの関係で前に出たENDLESSを延々と追撃した眠眠打破の服部尚貴選手がかわして遂にトップに立ちました。
そして残り10分を切って初優勝まであと一歩と迫ったところで眠眠打破はまさかのブレーキトラブルでクラッシュ。
最後尾から奇跡の追い上げで「ENDLESS ADVAN CS・X」が今期初優勝をというドラマティックな展開となりました。
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4時間のレースがまさに折り返しを迎えようとしたタイミング、コース上にアクシデントが発生しました。
「オートバックス森永チルミル・RSオガワランサー」の左フロントホイールが脱落、三輪状態で必死にピットへ戻ろうとしています。
しかしさすがに三輪ではバランスがとれず、車体を路面に擦って火花を散らしての走行。
この走行中に部品をコース上に散乱させたためにセーフティカー導入となりました。
しかしこのランサー、ピットで無事に修復叶い戦線に復帰、見事完走を果たしました。RSオガワから参戦するもう1台もセーフティカー解除直後に接触で緊急ピットインを強いられ、こちらは走行に支障の無い破損状態ではありましたが、アクシデントに見舞われた2台をともにしっかり完走させたのはチーム総合力の高さを証明したとも言えるでしょう。
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ST-3クラスは今回も「エクセディH.I.S.イングスZ」と「FINA ADVAN M3」が主役となって激しいバトルを展開しました。
開幕から連勝を飾るエクセディZ、対してあと一歩届かないFINA M3。
レース前半はM3が主導権を握っていましたが、Zもしっかり後を追う互角の展開で戦いは後半へ。
やはり予想通り、この両者の争いは簡単に決着するはずもなく、最終スティントでも激しい接近戦が展開されてファンを魅了しました。
そして対決の構図は今回も"逃げるZ vs 追うM3"。しかし最後の追い上げ中にM3に無念のステアリングトラブルが発生してペースダウンを余儀なくされ、「エクセディH.I.S.イングスZ」が堂々の開幕三連勝をおさめました。
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今季3回目となる表彰台の真ん中に立った「エクセディH.I.S.イングスZ」の前嶋秀司選手と佐々木雅弘選手。
特に前嶋選手はスーパー耐久とあわせて今季はシビックワンメイクレースのインターシリーズに参戦していますが、こちらも現在のところシリーズランキングリーダーに立っています。
もちろん狙うはスーパー耐久とシビックワンメイクのダブルタイトルというところでしょう。
しかしシーズンの折り返しとなる次戦は天王山「十勝24時間レース」。M3は昨年の24時間レースを制しているだけに、ここから逆襲が始まる予感もしています。
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多くのエントリーを集めたST-4クラス。
昨年チャンピオンを獲得したシビックタイプRと、熟成の極みにあると言えるDC5型インテグラタイプRがしのぎを削りあっています。
今回はインテグラ勢に注目チームがありました。
まずは開幕戦を制した「AGY ings インテグラ」。そして今回初参戦となった「J-wave エンドレス YH DC5」です。
両車はAGYが黒木健次選手、J-waveは渡辺明選手と、往年のホンダワンメイクでその名を馳せ、スーパー耐久でもシビックやインテグラ、S2000などで強さを見せてきたベテランが指揮を執っています。
"玄人好み"の戦いは、やはり両車を軸にトップ争いが展開されていきましたが、中盤のセーフティカーで明暗が分かれて「AGY ings インテグラ」が今季2勝目をゲット。
J-waveは終盤に他車との接触からリタイアという無念の結果に終わりました。
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ST-4クラスの表彰式、1位と3位をDC5インテグラ勢が飾りました。
しかし2番手には「Racing Modulo ADVAN Type R」が入り、シリーズランキング争いでも僅差で2番手、シリーズ二連覇を虎視眈々と狙っています。
その上で重要な一戦となるのが、次の「十勝24時間レース」。
昨年はデビューイヤーながら熟成の進んだDC5インテグラを相手に、ほぼノーマル状態ながら24時間レースでワン・ツー・フィニッシュを飾ったシビックタイプR。
シーズン後半の展開とシリーズチャンピオンの行方を占う意味でも、十勝24時間レースは目を離せない一戦となるでしょう。
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