
(前編からの続き)
2/22日(月曜日)
今日の予定は、午前中、13年ぶりに龍飛崎へ行き、夕方、暖冬でもそこそこ雪深いであろう、八甲田近辺を走る予定です。
真冬の八甲田は初めてです。すごく楽しみ(^_^)
6:00起床。
早く出発したいけど、この宿は朝食が7:00からと遅いので、しばらくうたた寝。
とっとと朝飯済ませて、7:45出発。
前夜、雪は降り続かなかったようで、積雪はたいしたことありませんが、新雪がカチカチに凍っとります。
宿の玄関からジムニーを停めてあるところまで、たかだか200メートルくらいでしたが、スノーブーツを履いていないと、ツルツル滑ってマトモに歩けない状態。
凍った路面の運転はあまり経験がないので、ちょっと緊張しながら出発(^^;;)
宿を出て、弘前市街を通過したら、県道3号(鰺ヶ沢街道)経由で、お岩木山の南側の山麓を西へ。
鰺ヶ沢(日本海側)へ向かいます。
※地図の画像をクリックまたはタップすると、Google Mapでルートが確認できます。
凍ってはいるものの、交通量が少ないためかアイスバーンにはならず、きちんとグリップしました。ホッ ε= (*^o^*)
色々な雪のコンディションに、いちいちドキドキしております(笑)
リンゴ並木の間を走ります。
右の方に、うっっっすらと、お岩木山の裾の方が見えます。
見えませんか? すみません(^^;;)
道路脇に設置されている「現在の気温」は、-3℃を表示。
…と、ここで突然、以前頭にすり込まれた情報が呼び起こされ。
たしか、この近くに、真冬は氷結することで有名な滝があったような…。
昔だったら、ここでクルマを降りて地元の人に聞くところなんでしょうが、今はスマホで調べます。
便利なことは、いいことなんだか悪いことなんだか、時々わからなくなります(^^;;)
検索したら出てきました。「乳穂ヶ滝(におがたき)」。
そうそう、そんな名前だった。ちょっと行ってみよう。
急遽、県道204号を南へ向かい、突き当たったら県道28号を西へ向かって、乳穂ヶ滝へ。
県道204号は、一部、カチカチに凍った低速ワインディングでした。
油断は禁物ですが、凍結路に少し慣れてきて、凍ったワインディングもすごく楽しかったです(^o^)
アイスバーンだけ要注意ですね。
乳穂ヶ滝に到着。
んが…肝心の滝は、凍ってませんでした(^^;;)
以前、テレビか何かで見た記憶では、滝口(水の落下が開始する場所)から下の滝壺まで、1本のぶっとい氷柱になって、見事だった気がします。興味のある方は
こちらをどうぞ。
凍結した滝を見られなかったのは残念ですが、またそのうち来ることにしましょう。
龍飛崎へ向かいます。
県道204号を北へ向かい、今来た道を戻ります。
突き当たりを左折し、県道3号(鰺ヶ沢街道)を西北へ向かい。鰺ヶ沢へ。
鰺ヶ沢から、国道101号を北東へ数km向かい、屏風山広域農道(通称「メロンロード」)の入り口を、ひとまず目指します。
ひたすら雪原。
こういう風景は、
奥志賀以来だなぁ。
雪国の方々からすれば何でもない日常かもですが、雪を知らない関東人には、これだけでも十分新鮮。
同じ雪道でも、滑り具合はいろいろ変化しますね。
峠付近は、新雪でしたが、パウダースノーなので、よくグリップしました。
峠を越えて、日本海側へ。
鰺ヶ沢から7kmの地点まで来ると、今までの雪はなんだったんだというくらい減り。
鰺ヶ沢市街に着いたら、道路脇の雪もまったくなくなりました。
短い距離を走っただけで、風景がこれほどドラスティックに変化するのは、日本列島の複雑な地形ならではですね。
以前にも通った、屏風山広域農道(通称「メロンロード」)を北上したかったのですが、冬期通行止めとのこと。
あらら残念(-_-;;)
県道12号を北上し、十三湖をかすめ、国道339号(通称「龍泊(たつどまり)ライン)で、龍飛崎へ向かうルートに変更。
県道12号は地味でした。津軽半島を北上するなら、やっぱり屏風山広域農道の方がいい道ですね。防風林であまり景色は見えなかったはずだけど、長~~いロングストレートが気持ちよかった記憶があります。
十三湖はこれといった展望がないので、いつも通りスルー(^^;;)
で、龍泊ラインに入りましたが…
…私、地図をよく見ていなかったみたいでした。
龍泊ライン、小泊から北側は、冬場は通行止めなんですって。
ガ━━(゚д゚;)━━ン!!
龍飛崎は素晴らしい岬だけど、そこへ至るまでの龍泊ラインの、断崖絶壁のワインディングを行くダイナミズムも含めて魅力的な所だと思っているのですが…。
日本海側は雪は多くなさそうだからそんなに通行止めはないだろう、と勝手に思い込んでいたのが裏目に。
10数年前に撮った写真で、まだ32万画素(今のスマホの50分の1以下・笑)しかなかった頃のデジカメの画像で粗くて恐縮ですが、こんな道です。
断崖絶壁と丘陵地が合わさった、素晴らしい景観とワインディング。
これに似た景色と道を他に思いつきませんが、もし北海道の宗谷丘陵が断崖絶壁にあったら、あるいは山口県の秋吉台が断崖絶壁にあったら、こんな景色になるだろうな、なんて思っています。
まあ、通行止めに文句を言っても仕方ないですね。
小泊から龍飛崎まで、直線距離で15kmのところ、70km遠回りして向かいます。
本当に遠~~~~い(^^;;)
特に変化のない津軽半島の山の中を40〜50km走って、やっと海に出ました。
三厩湾(津軽海峡)を右手に見ながら走ります。
日本各地によくある、漁村の間を縫って通る、古い国道です。
あと数kmで龍飛崎。
最後の最後、結構な急坂路を登っていくことになりますが、なぜ龍泊ラインが冬期通行止めになるのか、ここでわかった気がしました。
この急坂路はロードヒーティングでずっと散水しっぱなしみたいですが、日本海から吹き付ける冷たい風のせいか、お湯を流しっぱなしにもかかわらず、アイスバーンが至るところに残っています(私が訪れたのは13:00すぎで、一番気温が上がっている時間帯です)
龍泊ラインは、日本海から絶えず冷たい風が吹き付けるため、凍る確率が高いのでしょう。冬期通行止めになるのも納得です。
久々に龍飛崎に来ました。
やっぱり、夏に来たときとは、すべてが違うなぁ。
夏は緑が青々していて、青空も眩しくて、色彩がとてもヴィヴィッド。
冬景色は、色調が地味で寂しく、なにより、冷たい風が「痛い」と感じるくらい、凍てつくような寒さ。
訪れる人もほとんどなく(岬は私一人でした)、吹きつける強風と海鳴りだけが、今の自分の周りにあるすべて。
でも、真冬の、この薄暗い色調、好きだなぁ。
しばし、佇みます。
北海道の、松前から福島あたりがうっすら拝めます。
昔は、龍飛崎から10kmほど南の三厩という港から、北海道の福島まで、夏季限定でフェリーが運航されていたんですけどね。たしか20年くらい前に廃止されたと記憶しています。
龍飛名物、階段国道。
ここも、冬期通行止めになるんですね。初めて知りました。
「津軽海峡冬景色」の歌碑。
昔は、この付近では、津軽海峡冬景色の2番(「ごらんあれが龍飛岬北の外れと…」で始まるパート)が、大音量で延々エンドレスで流れていたものでしたが、それはやめたようですね。
今は、歌碑の中央にあるボタンを押すと、曲が流れるシステム。
賛否両論でしょうけれど、私はこのほうがいいと思います。
エンドレスで流れていた頃は、海鳴りや吹きすさぶ風の音をかき消すほどの大音量だった記憶があり、こういうところで人工的な音は無用じゃないかと、以前ここに来たときに強く思ったので。
そういえば、北海道の襟裳岬も、昔はエンドレスで森進一が流れていたもんですが、いつ頃からかなくなりました。
美幌峠(屈斜路湖)は、たぶんいまだに、歌碑の周囲ではエンドレスで美空ひばりがかかっていると思いますが、あれは音量がそんなに大きくないので、あまり気にならないんですよね。こういうのは、程度問題という気もします。
ちなみに。
北海道の、羊蹄山の麓の真狩村(まっかりむら)に、この村出身の演歌歌手、細川たかしの銅像が建っているのですが、この銅像は、銅像の横にある細川たかしの手形に手を合わせると、曲が流れるシステムです。
羊蹄山をバックに熱唱する細川たかし(笑)
当初はここで、昼飯と、時間があれば温泉…の予定でした。
ただし、先ほど70km遠回りしたせいもあって、1時間以上予定が狂っています。この段階で13:30過ぎ。
ここで昼飯と温泉でマッタリしてしまうと、八甲田に着くのは夜になってしまうなぁ…。
くわえて、ここで仕事のメールが来てしまいました(^^;;)
どうにかこうにか、いろいろとやりくりしていたら、昼飯の時間がなくなってしまいました。
昼飯抜きで八甲田へ向かいます。
国道280号を南下し、青森市街へ向かいます。
今別から山の中を通るのが最短距離ですが、ここは先ほど走って、あまり面白い道ではなかったので、少し遠回りですが、高野崎や平舘(たいらだて)など、海岸を通るルートを選択。
向こう側に下北半島が見えます。脇ノ沢あたりでしょうか。
しばらく走ると、夏泊半島も見えてきます。
青函フェリーも時々見えます。
単調なようで、飽きのこない道ですね。
去年秋に青森ツーリングをした際、15年以上使っている古いツーリングマップルを持っていったところ、情報が古すぎて、随所で使い物にならなかったので(笑)今回久々に買い換えて出かけました。
蟹田からバイパスができていたんですね。初めて知りました(^^;;)
早速通ってみます。
バイパスは、ほとんど高速道路でした。
あっという間に青森市街へ。
お待ちかねの八甲田へ向かいます。
まずは酸ヶ湯へ。
市街地を抜け、少しずつ標高を上げていくと、徐々に積雪が増えてきます。
ものの5分で白銀の世界に。
深い林を抜けたら、萱野高原で視界がパッと開け、八甲田連峰の主峰群が眼前に広がります。
ここのスケール感、夏に来ても冬に来ても、ダイナミックだなぁ。
しばらく行くと、また林の中。
雪化粧した木々のトンネル。
こんなの初めてです。すご~い!
ひたすら感動(^o^)
きれいだなぁ。。。
朝通った道も、ある程度銀世界でしたが、木の枝までは白くなかったです。
でも…冷静に見てみると、雪、少ないかなぁ。
過去に、映像や写真で見た八甲田の雪の壁の高さは、この倍以上あったような…。
やっぱり暖冬なのかなぁ。
霧氷、というのとは少し違うのかもですが、木の枝に着雪した雪が、溶けず、落ちず、留まっているという事象自体が、関東人には新鮮です。
酸ヶ湯着。
テレビや写真で見た真冬の酸ヶ湯は、もっともっと、これより全然雪が多かった印象ですが…今年は屋根も一部露出していたりして、だいぶ雪が少ないみたいですね。
さて、この時点で16:30過ぎだったのですが…
ふっとiPhoneを見てみると、仕事の新着メールが1件。
5年前だったら仕事場へ戻らなければできなかったことも、クラウドを駆使してなんとかやりくり。
しかしまあ、なんだかんだで30分経ってしまい、日帰り入浴はギリギリの時間に。
それに、八甲田周辺の道路は、18:00~翌7:30は、ゲート封鎖され、通行止めになってしまうようですね。
慌てて風呂に浸かるのもなぁ…
…というわけで、酸ヶ湯には、明日の朝、また来ることにしました。
ここから、十和田の宿へ向かいます。
一見、すごく遠回りに見えるルートですが、この時期の八甲田周辺は、至るところ通行止めで、通れるところを探すのが大変(笑)
冬期通行止めを避けると、これが最短ルートになります。
冬期は営業していないとの情報を事前に得ていた八甲田温泉ですが、八甲田温泉までの道が除雪されていたので、ちょっと立ち寄ってみました。
営業はしていないようですが、施設維持か何かのために時々人が来ている感じ。
暖冬とは行っても、関東人から見ると十分に雪深いです。
時刻は17:00を回っています。
周囲の光の色の変化を受けて、雪の色が刻々と変わっていきます。
夕焼け空のグラデーションの色を反映し、橙や紫など、微妙な色合いが入り交じりはじめ。
アルフレッド・シスレー(印象派の画家)の絵画を思い出したり。
雪が積もってしまうと、風景が一変し、積雪のない時期に何度か走ってある程度記憶している道でも、どこを走っているんだか、よくわからなくなります(^^;;)
景色が開けてきました。
ここは…田代平のロングストレートか。さすがにこれはわかります(笑)
かなり薄暗くなってきました。
それにしても、夕暮れの雪景色の色合いは、本当に美しいなぁ。
去年秋のツーリングのブログにも書きましたが、八甲田は、ブナ林のトンネルを抜けるとパッと景色が開けてだだっ広い原野になったり、道路も、ワインディングと直線路のバランスが絶妙です。
風景も温泉もすばらしい。
今回、初めて冬に来ましたが、冬に来ても夏に来ても、何度来ても、楽しめるところですね。
日暮れ間近の国道394号を、十和田湖方面へ下っていきます。
八甲田から標高400メートル弱下ってきました。
たったそれだけで、道路も、道路脇の雪も、こんなに減るんですね。
雪が積もってたのは、八甲田周辺のみです。
国道102号(十和田道おいらせライン)は、乾燥路になっていました。
18:30、本日の宿に着(写真は翌朝のもの)
昭和の雰囲気漂う懐かしい温泉宿って感じです。
建物の作りも、あちこちに段差があったりして、バリアフリーという言葉が叫ばれる前の設計です。
設備も使い込んだ感じはありますが、手入れはきちんとされていて、小綺麗に保たれていました。
ここの大浴場は公衆浴場なので日帰り入浴客も入れますが、露天風呂は宿泊客のみが入れる特典。
当然露天風呂へ(^^)
温泉の設備も古くて、シャワーが固定式だったり(笑)お湯を1分くらい流し続けないと温水にならなかったりしますが、まあ、そんなのは我慢です。
露天風呂、満月を眺めながら茶色いヌメヌメのぬる湯でマッタリ。
お湯のあたりも柔らかくて気持ちいいです。
他の宿泊客とは会わず、一人で貸しきりでした。ラッキー(^o^)
何気にいい宿ですね。また来たいと思いました。
部屋の暖房は、通常のエアコンのほかに、石油ファンヒーターの2台体制。
エアコンだけだと寒いので、ファンヒーターも入れました。
そういや、ファンヒーターなんて久しぶり。灯油が燃える匂いが懐かしかったです。
石油ストーブで育った世代なので、灯油が燃える匂いをかぐだけで、なんとなく温まった気になるという。
時々換気しなくちゃいけないのもまた懐かしかったり(笑)
晩酌しながら、朝からのルートを確認。
この日1日を振り返ると、日本という国は、少し移動しただけで、まるで風景が変わるなぁと、改めて実感した次第です。
同じ青森でも、雪がほとんどない龍飛崎と、一面の銀世界の八甲田。全然違いますからね。
翌朝は、前夜来た道を逆に向かって酸ヶ湯へ。
国道102号(十和田道おいらせライン)は、ちょっと雪が降ったのか、圧雪路になっていました。
クルマを降りてみました。
路面は、表層には新雪がうすく積もっていて、少し掘るとカチカチに凍った新雪、さらに少し掘るとアイスバーンという状態で、複雑な層になっていましたが、特に滑ることもなく、普通に走ってくれました。理屈ではわかっているものの、スタッドレスタイヤってすごいなぁと、初心者は改めて実感した次第であります(^^)
晴れた朝の凍結路。
気持ちいいです(^^)
朝の田代平。
この後、酸ヶ湯に浸かってから帰宅しました。
酸ヶ湯は、相変わらず、熱くて、硫黄の臭いが半端ないですね(笑)
これにて東北雪中ツーリングの記録は終了です。
長文・駄文失礼しました <(_ _)>