オイル下がり修理
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
12時間以内 |
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オイル下がりによる白煙排出を修理します。
一晩置いた後のエンジン始動時や長時間アイドリング後の加速時白煙、エンジンオイル消費が症状として起きていました。
見るからに大気汚染だし、触媒にも良くないと思ったので直します。
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オイル下がりとは何か?
まずはオイル下がりのメカニズムについておさらいしましょう。
白煙の発生は、エンジン燃焼室にエンジンオイルが入り込んで燃料と共に燃焼して起きる現象になるが、オイル侵入経路は3つ
①インテークバルブおよびエキゾーストバルブの棒状になる部分(バルブステム)の周りのオイルシール劣化・破損によって、INマニ負圧でシリンダーヘッドのバルブ機構室から吸気管にオイルが吸い込まれるオイル下がり。
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②シリンダーとピストンリング間でオイルかき落としが出来ず、燃焼室にオイルが残った状態で燃焼するオイル上がり。
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③PCVバルブ不良により、ブローバイホースを通じてシリンダーヘッド(車種によってはシリンダーブロック)から吸気側にオイルが流れるオイル消費
他にはオイルメンテをろくにやらず、カーボン・スラッジ堆積によりエンジン内油路詰まりでブローバイホースにオイルが流れる等があります。
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今回は②にあたるオイル下がりによる白煙・オイル消費が発生していますのでこれを直します。
通常、このような症状の修理には新品のパーシャルエンジンかリビルトエンジンあるいは中古エンジンに載せ替えすることがほとんどです。現物修理するにしてもシリンダーヘッドを降ろしてヘッドオーバーホールになりますが
特殊工具購入したのでヘッドを降ろさないで問題のバルブステムオイルシールを交換していきます!
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今回使うのはこれ。
JTC4944SETと通販で安く買った手回し式の2種類のバルブスプリングコンプレッサーを使用します。
圧縮空気をシリンダー内へ送るホースが今回の作業で必須となるツールでシリンダーヘッドを降ろさないでバルブスプリングの脱着をしますので、バルブがシリンダー内に落ちないようにする為に使います。
作業全体としてはタイミングベルト交換などを同時作業として行いますので付帯作業として必要工具が他にあります。
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まずはタイミングベルト取り外し。1G-EU SOHCエンジンなので難しくはないです。
基本ですが、外す前に合わせマークをカム、クランクとそれぞれ確認しておきます。
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シリンダーヘッドカバー取り外し。
これも簡単です。
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カムシャフトタイミングプーリーを取り外し、シリンダーヘッド分割の上側を取り外します。これでようやくバルブスプリングまで来ました。
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バルブスプリングの取り外しにはこれを使いました。
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JTCので叩いて外すこともできます。
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専用のステムシールプライヤーで掴んで引き抜きます。バルブガイドを目視で亀裂・損傷がないか点検します。
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バルブステムオイルシールの挿入には12ミリのディープソケットを使い、ハンマーで軽くたたいてやりました。強く叩かない・入り切ったらやめるがポイントですね。
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圧縮空気をシリンダー内にかけているうちにバルブスプリングを戻します。
ネジ式のバルブスプリングコンプレッサーを使って縮めてコッターピンを取り付けてからコンプレッサーを緩め、ハンマーでバルブステムエンドを軽く叩き、落ち着かせます。
腹式スプリングであったこともあり、硬かったです!IN、EXバルブスプリングの脱着が終わったらそのシリンダーのスパークプラグホールの圧縮空気ホースを外します。
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6気筒×2バルブ=12本のステムシールを取り替えました。
あとは各部品を外した順と逆手順で組み付けていくだけです。
シリンダーヘッド分割のアッパーボディ取り付けにはシールパッキンブラック(液体)を使用しました。
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バルブステムオイルシールの他,タイミングベルト、テンショナープーリー、ウォーターポンプ、サーモスタット、カム・クランクシャフトフロントオイルシール、オイルポンプオイルシール等を取り替えました。
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エンジン始動し、白煙の発生を抑えることができました。
あとは次回のエンジンオイル交換時期にエンジンオイルが減っていなければいいかと思います!
長々とした文章ではありましたが、読んでいただきありがとうございました。
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