電動格納ミラーの修理
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
「電動格納ミラーが格納できなくなる」という不具合は結構有名なものらしいが、その不具合がうちのスペーシアくんにもついに発生(しなくていいのに)。
いろいろ調べて検討した結果「自分で直す!」ことにした。
ちなみに、修理工程は関連情報URLにあるプレエブさんの投稿「ドアミラー開閉故障・修理」を、そのまま実施した(良記事感謝ですm(_ _)m)。
ここでは、その工程とは異なる工程を経たものや、補足したい内容について示す。
2
ミラーをスペーシアから取り外したところ(取り外しは、内張りを剥がした後、3点の六角ボルトを取り外してから、手前に引く)。
赤丸を軸の中心として、水色の2箇所が上下することで、ミラーの角度を調整している。
3箇所ともボールキャッチになっているので、ミラーを一番上に向けた後、下から隙間に手を入れて手前引く。ボールキャッチから外れるときに、「ボンっ」と勢いよく外れるので注意。
また、ミラーはガラス製なので割れる危険がある。不安な方はミラー部分全体にマスキングテープを張った上で、ミラー部をタオルなどで隠して、さらに作業用手袋をしてから作業すると良さそう。
3
4
コネクタ部分。コネクタの周辺はエプトシーラー(スポンジ)で覆われている。配線は、この図の向かって右側に抜けるようになっているが、スポンジが邪魔されている。
このままだと、コネクタがここから抜けないので、写真のようにハサミで切り込みを入れた。切り込みを入れる際、配線を切らないように注意する。
スポンジを切ったら、配線を右へ抜いて、コネクタを土台から抜く。
5
ミラーカバーの裏側。
ミラーの爪は合計6箇所あり、赤丸が上下(左右)にフックがあるタイプで、ミラーの裏側からマイナスドライバ2本を突っ込んで外す。フックを外す際は、事前に隙間に小さい内張り剥がしを割り込ませるなど、剥がす方向のテンションを掛けながらフックを外すと良い。
なお、水色が内側にフックがあるもので、これは赤丸を外した後にアクセスできる。隙間からマイナスドライバーなどを入れて、フックを外す。
6
ミラー内部の格納モータ部。駆動軸の中心が空洞になっており、そこに4種の配線(格納用モータ、ミラー角度調整用モータ2つ、LEDウインカー)を通している仕組み。
うちは圧着工具等がないため、今回はこれらの配線につながるコネクタを温存したまま修理することした。
まず、格納モータの下部に合いマークをつける。写真の水色線のように、2箇所付けておく。これは、分解後にもとに戻す際、合いマークを目印にすることで、軸が180度反転して取り付けてしまうのを避けるため。
次に、格納モータの上部カバーを取り外すため、まず赤丸部分のゴムを手前に引いて外す。ゴム部分を外すと、中に小さいコネクタが見えるので、マイナスドライバでフックを押し、手前に引いて外す。
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格納モータの上部カバーを取り外す。5箇所のフックで止まっているので、マイナスドライバ等でフックを外していく。
上部カバーが外れると、電動モータと軸が見えるようになる。
8
電動モータは上に引くと簡単に取れる。円筒ウォームギヤは、本体に残ることが多いので、ピンセットで取る。
9
円形フックの場所(水色の丸)。軸の中心向かって10枚の爪があるので、この爪を外す必要がある。
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円形フックの爪と爪に隙間に細いマイナスドライバ(ドライバが頑丈なものを推奨)を差し込み、てこの原理でフックを1本づつ起こしていく。
10枚全部起きると、先の強力なバネが開放される。想像の10倍強力なので、フックが外れる瞬間に怪我をしないように注意する。
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バネが開放されたところ。このバネを戻すのには、自作の治具が必要(バネの力が強すぎて、指だけでは絶対に戻せない)。
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取り外した円筒ウォームギヤ(金属)とウォームギヤ(白・プラスチック)。
今回の故障(ミラーが格納できなくなる・開かなくなる)は、このプラスチックギヤの軸の半月部分が舐めてしまい、空転してしまうことが原因。
13
購入した交換用ギヤ(左・黒)と、壊れた方のギヤ(右・白)。
円筒ウォームギヤの根本に平らな部分があり、ここのウォームギア内部の半月部が引っかかって、ミラーの格納が行われる。
交換ギヤ(左・黒)は金属製になっている。組み立て後に、このウォームギヤを動かして、格納させてみるとわかるが、相当強い力が必要なので、壊れてしまったギヤの半月部分が舐めてしまうのも納得ではある。製品寿命は全うできるが、それ以上に使える設計とはしなかった様子。
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格納モータの下部を引き抜いたところ。矢印に示した金属パーツが結構ゆるくて浮いてしまい、組み立て不良になることがある。また、浮いた後に全く別の位置で偶然ハマることがあるので、注意する。
気になるようであれば、金属パーツと樹脂の接触面にグリスを塗るなどして、動かないようにするのも手。
15
バネを戻すために作成した治具。
16mmVP塩ビ管、16mmTSソケット、16mmTS-T字チーズを組み合わせたもの(全部で400円くらい)。
16mmTSソケットの外周が29mm、内径が23mと、工程9の写真にある円形フックの寸法とバッチリ合う。
なお、16mmTSソケットに切り欠きがあるが、これは軸の配線を逃がすためのもの。配線をぶった斬ってしまった人は、この切り欠きはいらない。
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ジグの持ち方。
T字の部分を握り、下に向けて体重をかけるように力を加える。
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一度ミラーと土台をある程度組み立て、バネを上から抑えるつけるための土台を作る。工程3の写真のトルクスネジを取り付ける面がその土台になるため、そこまで組み立てる。
組み立てたら、T字の部分を図のように持ち、切り欠きで配線を逃して、バネに対して上から体重を掛ける。
なお、この組み立ての前に、バネの下にあるパーツが2つ(上がフック、下がウォームギヤ)あるが、この組み立て方がものすごく大変(上のフックと下のウォームギヤを噛み合わせるのが難しい)。正しく組めないと、バネを戻したときに全く格納機構が動かなくなるのので、慎重に進める必要がある。
この部分の撮影を忘れてしまったので、いつか機会があれば撮影する。
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あとは、分解した逆順で元に戻す。
一度、ミラーカバー・ミラーを外した状態で動作確認をする(格納の開閉、ウインカーLEDの点灯、ミラー角度の調整-上下/左右)。
問題がなければミラーカバー・ミラーを取り付け、スペーシアに戻せば完了。
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