
突然ですが、Z34に乗り換えました!
・・・・半日だけ^^;
今回試乗したのは、フェアレディZ NISMO (6MT)。
3.7Lの大排気量NAがどんなものなのか、日産のV6がどんな感じなのか体験してみようかと。
今回は天候をしっかりと確認してから予約したので天気はばっちり。
クラッチはそこそこの重さはあるものの、パワーから想像するほどではなく日常でも苦にはならない程度。結構なトルクがあるため、クラッチミートだけでも走り出せるかと思いきや、意外と繊細で少しでもラフにつなぐとストールしてしまう。
十数年ぶり?!に何度かエンストさせてしまった・・・笑
シフトは精密機械のようにガチガチで全く緩みがない。シフトフィールは固くて剛性感の塊のよう。とはいえ、シンクロも強力らしくシフトアップもシフトダウンもばっちり決められる。
アクセルペダルはブレーキペダルよりも相当奥にあるため、緩いブレーキからのヒールトゥは正直無理ゲー。ということで、ヒールトゥについては早々に諦めた。
その代わりシンクロレブコントロール(初体験!)があるので、これを使ってみることにした。
街中で定速走行中にシフトを4→3→2と変えてみる。ギアを抜いて次のシフトゲートに当てると勝手にエンジンが吹け上がり、ちょうどいい回転を維持してくれる。そこでゲートに入れるとシフトダウン完了。アクセルを踏まずにシフトダウンというのは、普段絶対に行わない操作なのでなかなか慣れないが、意外と面白い。
速度を出さなくても気軽にスポーツ"感"を味わうことができる。
走り出してまず感じたのは、後方ならびに左後方の視界がかなり悪いこと。
リアガラスは高さが低く、左後方は振り返っても全く見えない・・・一番困ったのは夜の駐車場にバックで止める時、後ろがどのくらい空いているのか全く見えないこと。何度もドアをあけて後方確認してしまった。もっとも車両感覚はオーナーであればすぐ慣れてしまうので問題はないのだろうけど。
車幅は1870mmということで、以前運転させてもらった992(1852mm)よりも大きい!
暗くなってから車を借りたということと、走り始めに狭い住宅街を色々と走行していたことからおっかなびっくりだったが、全長はコンパクトということもあって意外とすぐに慣れてきた。狭い道で横幅が気になるくらいだね。
タイヤサイズは Fr:235/40R19、Rr:275/35R19。標準タイヤは 245/40R19,285/35R19なので、ワンサイズ小さいタイヤを引っ張って装着している模様。エアボリュームは若干ダウンし、計算上は1%ほどローギアード化されていることになる。
街乗りでは、19インチの割には乗り心地は固くない。
カドはしっかりと取れているのでちょっとした段差であれば不快感は感じない。ただステアリングには路面状況はビシバシと伝えてくる。また足が短いのだと思うが、荒れている路面に乗るとボディ全体が揺さぶられてちょっと辛い・・・結構昔っぽい乗り味かな。
"NISMO"なので、高速~サーキットに照準をあわせている脚だろうし、街中でスポーツという感じではないね。
一方で高速道路ではフラットで良い感じ。
ステアリングのロックトゥロックは短く、かなりクイックな設定。
最初の交差点で曲がりすぎて少々驚いてしまった。Z34全体がそうなのか、NISMOだからなのか・・・。
ステアリングは街中ならびにワインディングでは重い感じ。高速道路だとちょうどよい重さに感じたが、センター付近の遊びが少なく非常に敏感なため、なかなか思ったとおりに走らせ辛い。特に街中だと遊びが少なすぎて、ちょっとステアの効き過ぎ感も感じる。
NISMOは補強など色々と入っているようなので、こういったところは標準車とだいぶ違うのだろうな、というかNISMO特有の挙動のような気がする。
高速道路をしばらく走って少し慣れてきたところで、アクセルを踏み込んでみる。
ちなみにZ34の出力は以下の通り。
最高出力:355ps(261kW)/7400rpm
最大トルク:374Nm(38.1kgm)/5200rpm
このトルクはマジでヤバい・・・。1540kgのボディを軽々と加速させていく。
NAなので踏んだ瞬間からトルクが出て、それがレブリミットまで一切落ち込むことなく一気に吹け上がっていく。
エンジンの回り方は重くてフリクションを感じるが、それをパワーで強引に回していくような感じ。感覚的にはもっと軽やかに回るほうが好みだが、そうするとこのトルク感は逆に出なくなってしまうのかもしれない。
これだけトルクがあれば十分過ぎるが、あまりにもありすぎて踏める場所がない…高速でも一瞬で法定速度に達してしまうし、ベタ踏みするには路面状況にも気を使わなければならない。これだけあると不足はないが、パワーを持て余す状況になってしまう。
ただ、車重があるのとメカニカルグリップが高いため、全然余裕でアクセルを踏み切れてしまうのが逆に怖いところ。ひとつ間違えたらヤバい状況になりかねないので。
エンジン音はアクセルをフラットアウトするより、全開の4~5割くらいで踏み込んだ時の中回転がとても良い音がする。V6らしい倍音の効いたサウンドで、とても心地よい音。
高速道路だと100km/hで3速とかがよい感じ。マルチシリンダーはいいねー。
ブレーキは軽くしか踏んでいないので、絶対的な制動力についてはよくわからない。
ペダルを少し踏んだだけで制動が始まり、狙い通りのところでピッタリと停車させることができる。効きはとてもリニアで使いやすい。
そして一番驚いたのがブレーキバランス。
平地でブレーキングをするとリアの制動力を強く感じ、後ろから引っ張られるように減速する。それが、少し下っているだけの坂で制動すると、フロントの方が強く制動しているように感じる。
これって要は、平地ではフロントとリアのブレーキバランスが完全に取れていて、下り坂になるとフロント荷重が増えるために相対的にフロントの制動力が上回るということを意味しているのでは?
だとすると、サーキットなどの平地でフロントとリアのブレーキを最大限使うことができるようなセッティングになっているのかなと。ブレーキバランスって、こんな絶妙なポイントにセットアップできるものなのかと、感心してしまった。
最後は2~3速の低中速のワインディングでチェック。
とはいっても軽く走るだけなのでヒールトゥできそうもないことから、シンクロレブコントロールをオンにして、シフトダウン時のアクセル煽りは車任せにして走ってみた。
コーナーではしっかりと速度を落としても、車の重さは感じる。高速コーナーでは鼻の重さも感じるようになる。
全体としては、車重で車をがっちりと地面に押し付けてタイヤの力で力任せに曲がっていくような感じ。なので、感覚としてはスイスイというよりもグイグイ曲がって行くという感じ。
アクセルコントロールはとてもやりやすい。NAということもあって、アクセルの踏力と発生するトルクがリニアなので、狙ったとおりの加速をさせることが容易。
しかも絶対的なトルクがあるため、必要な加速を必要なだけアクセルから引き出すことができる。アクセルで曲げるのも楽勝で、まるで水を得た魚のよう。
そしてこの気楽なスポーツドライビングレベルだと、シンクロレブコントロールがとても良い働きをする。シフトダウンが必要な時、ずぼらにシフトを押し込むだけで簡単にシフトダウンすることができてしまう。
MTであるにも関わらずATのように走ることができる感覚。必要なときだけATのように走ることができるという意味では、こういったワインディング走行にはピッタリの機能であるように感じた。
そしてヤバいのが、ワインディングなのにアクセルをフラットアウトできてしまうこと。トルクフルでどこからも加速し、しかも最大出力を路面に伝えることができてしまうという・・・(汗)。車のセッティングはワインディングに合っているが、自制心が必要。ギャップでは若干跳ねるシーンもあったので、しっかり(真剣に)路面を読まないと、あさっての方向に吹っ飛んでいってしまいかねない。
ステージとしてはもう少し上の速度域の方が合っているような感じはあるかな。
それにしても、これだけ大きく重い車でも、これだけ気持ちよく走ることができるんだな。サーキットではフロントの重さを(悪い意味で)感じることはあるかもしれない。でも街中レベルだと、パワーの代償と割り切れば納得できるくらいの感じかと。
シートはレカロのセミバケタイプ。ガッチリ体をホールドしてくれたので走りやすかったのだが、なぜかずっと腰が痛かった…自分の体には合っていないのかも。
また今回の燃費は約9.5km/L。それなりに踏んだりした割には良かったかも? 同じようにFD3Sで走ってたら6km/Lくらいかな。
初めての大排気量NAはとてもよかった。
S2000の高回転で弾けるパワーとはまた違い、踏んだ瞬間からガツンと行くのがいいね。
でもちょっとパワーありすぎなので280psくらいのがいいかな^^;;