
前回までのあらすじ・・・。
前回のブログを見るべし!(笑)
天職と思えるほど楽しかった運転士の仕事。
だがその幸せな日は長くは続かなかった。
入社間もない新人が最優秀運転士に選ばれたのだ。
お決まりの様に徐々に先輩から嫌がらせを受けるようになった。
後輩がミスすれば全部私が怒られた。
後輩へ来たクレームは全て私の責任。
『おまえの教育が悪いから』
重箱の隅を突くようなあら探し。
道を一本通り過ぎたと分かると、鬼の首を取ったかのように責める。
その後きちんとリカバー出来ていようが関係無い。
『道を間違えるとは何事か!』
複数台での乗務中、途中のバスが赤信号に。
よくある光景だし、そうなっても良いようにミーティングしている。
『後続の事を全く考えていない!』
私がいないところで悪口のオンパレード。
『最優秀運転士様は~』
『上層部のお気に入りは違うな~』
上司も徐々に先輩へ傾いていき、とうとう目の敵に。
挙げ句の果てには
『いい気になるな』
崖から突き落とされた気分だった。
いい気になっているわけじゃない。
全てはお客さんの笑顔が見たいから。
『次もおたくの会社にお願いするね!』と言って欲しいだけ。
『若いけど安心できる運転だね!』と言って欲しいだけ。
子供達に『将来バスの運転手になりたい』と思って欲しいだけ。
憧れのバス運転士になったんだ。
それはもう必死だった。
お客さんに安心して楽しんでもらいたかった。
先輩達に追いつきたかったし認めてもらいたかった。
『あの会社は流石だね』と広まって欲しかった。
休日も車庫でバスの手入れをした。
バスが好きだったから。
必死に観光地の勉強もした。
お客さんの笑顔が見たかったから。
夜中まで後輩の悩みを聞いた。
この仕事を好きになって欲しかったから。
全部一気に崩れた。
俺の今までの努力は一体なんだったのか?
その後、私は当たり障りのない日々を過ごした。
出庫時間に車庫に行き、帰庫したら掃除して帰宅。
この繰り返し。
私は運行管理者にお願いした。
『朝早く夜遅い乗務にして欲しい』
なぜか?
会社の人と最小限しか会わないから。
会社の人と会うのが怖かった。
会えば何か言われる。
会えば嫌がらせをされる。
乗務で外に出てしまえば気分は晴れた。
お客さんは笑顔で喜んでくれる。
『また次も運転手さんね!』って言葉をかけてくれる。
嫌な人とさえ会わなければどうって事はなかった。
だが、当然ながらそういう訳にはいかない。
休みの日、私は無気力にテレビを見ていた。
ニュースで事故のベッコリへこんだトラックが映った。
幸い、ドライバーは軽傷の単独事故だった。
その時、私の頬を涙が伝った。
ドライバーは軽傷で特に問題ない。
他に事故で巻き添えになった人もいない。
それに全然知らない人だし、全然知らない土地だ。
なのになぜ?
トラックを見て『痛かったよなぁ』
トラックを見て『一生懸命止まろうとしたのになぁ』
トラックを見て『安全な速度だったら止まれたのになぁ』
そう。
私はへこんだトラックに対して涙したのだ。
この瞬間、私は震えた。
『俺、壊れてる・・・』
自分の中で何かがおかしい。
でも、誰かに説明しても多分理解してもらえない。
その日のうちに、心療内科のドアを叩いた。
様々な問診や先生との会話があった。
先生の口から出た診断結果は
『適応障害』
続けて先生はこう言った。
適応障害は原因となるものを排除すれば回復します。
会社が原因と思うなら、その会社を辞めればいい。
貴方にとってその会社は自分の身体よりも大切ですか?
必要でしたら診断書を出します。
もちろん、会社を辞めるための診断書ですよ。
そんな精神状態で50名以上の命を預かるなんて無謀だと思った。
私のハンドル操作ひとつで、乗客全員とその家族の人生を変えてしまう。
私の大切な家族の人生をも。
私は診断書を手に、夢だった運転士の仕事を辞める決意をした。
お客さんの笑顔、そして自分の家族を守りたかったから。
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と、ここまでが私のバス運転士人生です。(^^;
たった数年間の短い期間でしたが、波瀾万丈でした。
断っておきますが、バス業界がそういう場所って事じゃ無いです。
小さな会社も大きな会社も、良いところは良い。
どの業種もどの業界も同じです。
出る杭は打たれるし、出すぎた杭は打たれない(笑)
私が中途半端に頑張りすぎたせいで、おもしろく無い人が少数いたってだけの話です(^^;
もう10年以上前の話になるので色々と時代の変化もありますが、バス運転士に限らず同じような悩みを抱えた人達は大勢いると思います。
10年以上経った今でもこの時の感覚は鮮明に覚えています。
このブログを書いている最中も、何度も涙があふれました。
(耐えましたが(笑))
あなたの周りに、悩み、塞ぎ込んでる人はいませんか?
涙もろかったり、怒りっぽかったり情緒不安定な人はいませんか?
鬱や適応障害は自分ではどうにもできません。
『そんなものは甘えだ』と言う人もいるでしょう。
これらを発症する方は、往々にして自分を責めてしまいます。
頑張らなくていいんです。
あなたの身体より大切なものはありません。
あなたが健康であれば、家族も幸せなのです。
その証拠に、今の私は元気ですし幸せです。
私は今でもバスが大好きですし、今でも運転したくなります(笑)
あんな事で大好きだったバスを嫌いになんてなれません。
そもそも、本当は近年のバス車両の進化を書きたかったんです。
それはまぁ、次回のブログででも書きますかねm(_ _)m
※画像:日野自動車様
Posted at 2015/09/05 15:44:43 | |
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