猫娘

「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する猫娘、鬼太郎にレギュラーで仲間入りしたのは1971年版カラーからでした。初のテレビ登場は1967年版のモノクロ版で原作にもある「猫娘とねずみ男」でした。
その猫娘ですが、水木しげる作品には古くからいるキャラクターで、水木先生が紙芝居を画いているときに「にゃんこ娘」として画れていたそうです。水木先生が貸本漫画家として売れない時代に紙芝居をベースに描かれた「怪奇猫娘」と言う作品で誕生から描かれました。墓場の管理人の娘として生まれるのですが、墓場に住み着く野良猫を墓守をしている父親が野良猫を殺し、その怨みが産まれてくる娘にとり憑いたのです。長じるにつけて猫のような性格が禍し、サーカスに売られ数奇な事件に巻き込まれ、警察に追われますが追い詰められたその時に、カラスの大群が猫娘を助け何処かに連れて行き、そこで漫画は終わり、その後の生死は分かりませんが、漫画では野山をあるく猫娘らしき人影が描かれています。
そして、貸本鬼太郎の傑作「鬼太郎夜話」で再度登場します。名前を“寝子”として「鬼太郎夜話①吸血木と猫娘」と言う作品でデビューします。天保の時代から続く三味線屋の一人娘としてお婆さんとひっそりと暮らし、空いた部屋を間貸しして暮らしていたのですが、越してきた鬼太郎達の出現でその正体がバレてしまうのです。この寝子さんは歌が上手くて歌手デビューも果たし一躍スターダムに上り詰めるのですが、ねずみ男とニセ鬼太郎の策略でテレビ中継中に正体を暴かれます。そしてニセ鬼太郎に騙されて死に追いやられます。
この寝子さんは、水木作品でも珍しい美形でファンの間でも人気の高いキャラクターで、深夜にアニメ化された「墓場鬼太郎」では中川翔子さんが声を担当していました。
そして、先に述べたような現在の形の猫娘となっていくのです。今では水木ファン以外の方にも人気がある様ですね。