
昨今はEVやらハイブリットやら車も家電化して、車いじりをやる人には肩身が狭くなりつつある日々ですね。
そんな中でもガソリン車でも技術は革新しているようです。
今回は交換したCVTフルードの銘柄を純正から転換した理由、と言いますか言い訳です。
現状、CVTフルードに求められる性能の進化は以下の通り
・オイル粘度を下げる:オイルの粘度が抵抗にならないようにして省燃費化
・適正な摩擦特性の維持:シフトフィーリングの向上
・安定性の向上:オイルの劣化を抑制する
・機器耐久性の向上:機器の長期使用に耐える
・耐摩耗性能の向上 :機器内部のギヤー等の保護
従来のフルードの粘度に設定されているのは高温・高圧力時にCVT機器内で油膜切れが起こらないようにするためです。
そのためCVTフルードにはベースオイルに消泡材や粘度指数向上剤と言った添加剤が多数入ってます。
オイルの値段と性能差を決めるのは使用される添加剤の差です。
その一方で添加剤の入れ過ぎは、その分動力伝達の役割を担うベースオイルの割合が減ってしまい、本来の役割に悪影響が出ます。
この改善策としてベースオイルの質向上が求められるのですが、最も理想的な化学合成エステル系のオイルは加水分解が早いため一般車両には不向きです。
これらの課題の解決として現れたのが各社で純正採用されている低粘度フルードです。
ベースオイルに鉱物油を水素化分解し精製度を上げることで化学合成油に近いものにしたパラフィン系オイルを採用することでベースオイル自体の性能を向上させ、添加剤の使用を極力減らすことが出来るようになりました。
パラフィン系ベースオイルはエステルのように極性を持ってないので(極性があると金属に吸着して油膜切れを防止できる)、液体チタンのような添加剤で極性を持たせることで補います。
CVT内の潤滑を上げて添加剤の使用を極限に減らし伝達効率の向上を図りつつ、お安く作れてお客さんやメーカーさんの負担が減ると、まぁいいこと尽くめな訳です。
パラフィン系のオイルの産地は本来、アメリカのごく一部の油井でしたが、今では多くの油井の油をパラフィン化出来るよう技術は発展してます。
ちなみに今回使用した『トヨタCVTフルードFE』はモービル製です。
トヨタはこれまで出光使ってたと思うんですが、シェルと統合しちゃったんで民族系じゃなくなったせいかしら(かく言う私も出光一辺倒からキグナスが入るようになりました)。
ジェームス(トヨタ系)行くと高級グレードでモービルのオイル扱ってたから違和感ないですけどね。
機械内の摩擦を減らせて添加剤の劣化を気にしないで済むとなれば使わない手はないかな、と言うのが今回採用した理由です。
決して価格が安いの理由だけで決めちゃった訳ではありません。
走行距離20万kmを超えれば使用するオイルも優しいものに変えた方がいいかなってイメージです。
さてさて、この人柱的な行為が功を成すかアダと成すか・・・ですね。
以上、長々といい訳でした。
Posted at 2021/09/25 12:20:13 | |
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