「万九千神社」を後にし、国譲りの舞台に向かいます。ここからは出雲大社の近辺が舞台となります。
「国譲り」のきっかけは大きな国となった出雲を見て「アマテラスオオミカミ」がここは自分たち「天津神」が治める場所にふさわしいと言ったからです。
「古事記、日本書紀」によると「天津神」とは天上界(高天原)にいる高位の神、一方大国主命らは「国津神」という地上の世界にいる神のことです。
3世紀中ごろ(弥生後期)には九州、出雲に並び、奈良(大和)に大きな勢力ができてきます。大和に関しては先の日本海ネットワークから逸れているように感じますが、実際は丹後のあたりから琵琶湖に入ればあっという間に奈良にたどり着きます。出雲の人たちが奈良に住み着いていたという痕跡が、三輪山のふもとにあります。
東(右端の)赤丸に「出雲」という地名があるのがわかりますかね?
(スマホの人、すみません)
西のほうにもあるらしいのですが探せませんでした。
大神神社(おおみわ)と言えば「大物主神」ですね。この神様も「大国主と深い関わりがあり
※2019年に訪れた「大神神社」
この神様はスクナヒコナが国造り終盤で突然帰ってしまったとき、海の向こうから
やってきて自分を三輪山に祀れば国造りがうまく進むであろうと言いこの地に鎮座したといいます。大国主命の分身とされます。このことと、出雲の地名が残ることは、この大和の元になる国の成長に出雲の人が関わったのではないでしょうか?
国譲りの舞台、「稲佐の浜」を目指します。
島根半島の西の端から海岸線を北上すると・・・
到着です。
「弁天島」が目印です。
この浜は神在月に八百万の神々がやってくる玄関口にもなりますが、国譲りの交渉の場でもあるのです。
まず交渉のために、高天原から何柱も使者が来るのですが、ことごとく失敗します。
交渉上手の大国主のことですから、チョロいもんです。
しかし最後の使者「建御雷神(タケミカヅチ)」は違いました。武力行使です。
右が「建御雷神」です。超威圧的な態度。これは怖いですよね。
大国主命は息子の事代主神に相談しますが・・・

※前日に行った事代主神が祀られている「美保神社」
譲ったほうが良いでしょうとだけ言って籠ってしまいます。
そりゃあ事代主神は漁業の神様です。争いごとには向いていません。
そこで、もう一人の息子の「建御名方神(タケミナカタ)」に相談すると、勇敢にも建御雷神と力比べをします。
しかし、軽々と投げ飛ばされて、そのまま当時交易していた諏訪まで逃げてしまいました。(新潟の糸魚川はヒスイの産地で勾玉などの祭祀の道具で重要です。上流に諏訪がありタケミナカタを祀る諏訪神社があります)
万策尽きた大国主命は立派な社殿を建ててもらうことを条件に出雲を手放すのです。
【妄想タイム】
この神話は中国の「魏志倭人伝」に出てくる「倭国大乱」に関係するものという説があります。九州、近畿で勢力を伸ばしていた国(部族の集まり)が争う内乱です。
出雲が広めた「卑弥呼システム」が権力者(男性)によって操作され始めたのでしょう。
持論ですが、魏志倭人伝にある邪馬台国は九州だと思います。大陸から来て一番近くて大きい国は九州だからです。朝鮮半島の人たちからも情報を得ていたと思うので妥当ではないかと。卑弥呼システムもありますし。逆に出雲は交易地としての機能は大きいけれど統治している人口が分散していて国として認められなかったのでは?
もう一つの候補地、畿内説はどうにも遠いし候補地としての判断材料の「卑弥呼」については卑弥呼システムとして複数人いるのだから決め手にならないかと。
では出雲に接触してきた国は九州かというと、そうではなく、内乱の度合いは九州が酷く、そちらで手いっぱいだったので「大和」だと思います。
理由として、大和は交易ルートが欲しかったのではと思います。内陸にあって日本海に進出するには出雲が邪魔ですし、出雲が流通させている鉄がどうしても欲しかったのだと思います。なので「大和の卑弥呼」から神託として出雲を手に入れよという操作が行われたのかも・・・
鉄は農具として国を豊かにできる道具ですし、また、強力な武器にもなります。
ただ出雲は鉄をほとんど武器として作っていなかったんだと思います。
これは以前訪問した荒神谷遺跡から出土した銅矛に刃がついていなかったことからも考えられます。縄文から弥生までほとんど争いをしてこなかったんだと思います。

※荒神谷遺跡の出土品。棒状のものが銅矛、銅剣
こうして平和だった出雲は国譲りと称して侵略されてしまったのでしょう。
この時代(弥生後期)には島根、鳥取の遺跡から大量虐殺の痕跡も発見されています。血なまぐさい歴史があったのですね・・・
以上妄想タイムでした。
さて、気持ちを切り替えて、お昼近くになり、おなかも空いたので昼ごはんを食べに。
出雲に来たら、いつも「かねや」さんの出雲名物 割子蕎麦です。
一段目は卵の乗った月見そば
二段目は、とろろの乗ったとろろ蕎麦
三段目はシンプルな「もみじおろし」だけの蕎麦
いやー美味い。
この後、出雲大社にお参りです。
デザートに参道沿いのお店でソフトクリームを
はちみつソフトです。
トッピングにはちみつをかけてくれます。
この日は気温も上がって冷たいソフトが余計においしく感じました。
では!
Posted at 2021/05/08 16:44:40 | |
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