
どうも、Dano_です。
今回はボディ編とナックル/アーム編の合併号で。
プラットフォームについてから流用ネタの備忘録を絡めてお話を。
2000年代初頭から日産はメインがV6搭載となるFFとFRのプラットフォームを統合させたようです。それが「FF-Lプラットフォーム」と「FR-Lプラットフォーム」です。
確かにFFだろうとFRだろうと、フロントは井桁状のサブフレーム、リアは端点4箇所に腕を伸ばしたサブフレームにラテラル方向へ腕を伸ばたアームで純粋な円運動をさせるマルチリンク、という設計に統一させています。FF-LがDプラへ後継しても、この仕様は引き継がれます。
それを証拠に、ブッシュのサイズやショックの固定位置はやや違ったりしますが、リアのナックルはFFもFRも基本的なアームの固定位置やジオメトリーの仕様を揃えていることが実物から見て取れます。

E52のナックルが右上。
上述の統一仕様を利用して、Z51[左上]のアルミナックルの流用の他に、J32[左下]の切削加工済みナックルもしくはM35のナックル、V36の切削加工ナックルもしくはJ50[右下]のナックルの流用も検討していました。
(*切削加工:ショックの取付部を切り落としています)
下2点のを流用すると、バックプレートもFR-L系ブレーキの一式から流用できると分かっています。
そしてM35系かJ50系のアルミアームも流用して、リアの足回り一式をエルグランドなのにスカイライン系へ移行できるのでは?という大きな構想までありました。
ただ、M35系のナックルは肉抜きが多くE52の車重では耐えられなさそうであること、J50(FR-L)系は肉抜きが少なくハイパワー系を支えているので強度は構想上では大丈夫そうでしたが、ABSがデフ側にある仕様なのでナックル側に移設できるようにフライス加工が必要で手間がかかります。
最終的に工場とも相談の上、アーム流用や兄弟的だろうと他プラットフォームからのナックル流用は法律上の対応へ強度検討書など証明が必要なのは明確なので、構想だけで終わらせています。
さらにおまけで、フロントはZ51のアルミナックルを流用した訳ですが、Dプラットフォーム内ではフロントロアアームの仕様にも種類があります。

左上:E52、左下:Z51、右上:J32、右下:L33。(拾い絵)
E52は最小回転半径を稼ぐために弓形部がエグく、それを強度補完するためにリブや全周のリブ高さがあったり、L33は肉抜きが巨大だったり、それぞれにリブの高さなど仕様に微小な差異があり観察してみると面白いです。
ただ、これもアームの変更になるので強度検討書などが必要です。
このようにたくさんの流用を駆使して、フロントはφ320以上の純正流用などブレーキのサイズアップをしつつE52純正並みのバネ化重量を狙えそうだな、とか、いっそのことリアはスカイライン系の足回りへ移行できちゃうのか?、とか色々考えたりしました。
ただ、安心安全と法律に従った車弄りをしたいので、検討と観察だけで終わりました。しかしながら、足回りのジオメトリや動きを勉強できる良い機会でした。
部品構成と流用話だけになってしまいましたが、こうしてみると土台の設計が2000年代にもかかわらず、足回りにおけるコンポーネントの共通化やアルミ製部品が多用されていることが分かるかと思います。
モデル末期のE52エルグランドを再レビューされた時(もしくは将来的に次期型が現在のプラットフォームを存続させるとなった時)、「設計が古いよね」というコメントが挙がりますよね。けれど設計された「年」は古いかと思いますが、そもそも当初から良い設計されたと私は思っています。
その辺はまた深掘り内容を次回以降ブログ化できたら良いなと思ってはいます。
毎度、堅苦しい内容にお付き合いいただきありがとうございます。
ではでは。
Dano_
Posted at 2025/06/26 19:50:46 | |
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