2009年02月23日
君を抱き上げて大きなベットの真ん中へ静かに下ろす
目を瞑ったまま軽く沈んだシルクのカバーが真っ青でまるで海面のように見える
波間に漂う君を見つけたような錯覚に陥ってしまった私は吐息が聞こえるほどに
顔を近づける
そう
君のその薄紅色した唇を奪う為に
でも…それで君の心が奪えるのか?
ふとよぎる疑問を抑えつつ
抑えられない衝動に負けて唇を奪ってしまった
やわらかい
暖かな吐息を肌で感じながら私も目を瞑る
真っ青なシルクの真ん中に浮かんでいる君を
まるで押さえ込むかのようにかぶさる私の体を上から見ているように想像してみた
大人が子供を押さえ込んでいる
そう思った瞬間に君が目の前でその瞳を開いた
『何考えてるの?』
まるで思考を見透かされていたような絶妙の間合い
下心まで掴まれているようで一瞬凍った自分がいた
平静を装って返事をしたが喉が渇いてうまく言葉が出てきてくれない
身体を起こしながら大きなベットの端に座りなおした
まるで責められているかのような罪悪感が身体中をめぐる
この先共に過ごせるかもしれない時間をもしかしたら失ってしまったのかも知れない
気持ちがそのまま姿勢にも出ていたようで窓に向かって座っていると
彼女は背中に向かって言葉を投げてきた
『こっちにきて 顔をちゃんと見せて』
振り返ると笑顔の君がそこに座っていた
黒いニットに白い胸元の肌が映えるその足元はきれいにスカートが整っているけれど
青いシルクのカバーがふわりとまとわりついていてあたかも水の上に座っているようだ
外の光を反射してあめ色に輝くその髪と白い肌が北欧神話にでてくるような
そんな君を改めて押し倒したのは次の瞬間だった
君を得られるのならば悪魔に魂を売ってもいい…そんな気がした瞬間だった
そして私の耳元で小さなささやきが聞こえた
…
Posted at 2009/02/23 21:58:59 | |
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