
ラリージャパンは、、
来年からは、どうやら、十勝ではなく、ほぼ道央開催の見通しです。
これまでも事務局は札幌でしたし、例年サポートしていた方々にとっては、開催地が移動するだけでそんなに大きく変わることはないのかもしれませんが、、、。
町を上げて支援してきた十勝の人たちの惜別の思いを考えると、、、本当に切ないです。
WRCの日本開催が実現したのだって、陸別という町があってこそだったと思います。
30年以上、日本のラリーの聖地だったわけで、全日本選手権とかアジアパシフィックなどの実績があるのです。それら大会を運営・支援してきた日本ラリー会の重鎮がいるんです。その陸別オフロードを使わずに来年からはWRCを道央で開催するというのは、【仏を作って魂入れず】だと思っています。
集客を見込める道央に、と移転を唱えるのではなく、なぜ、「集客を助けるために札幌など道央も広域で支援する。スポンサー集めにも協力する」と言ってくれないのか、、と思ったこともありました。都合の良い言い分ですが。
観光的視点で考えるのならば、点ではなく広域で、、と観光シンクタンクの大御所・原重一先生も言っておられるではないか! と、、。それはいいとして、、、。
立ちゆき行かなくなった既存のものを、力のあるところが再生させる、というのは世の常。
日本開催の存続を計るためにも、しょうがないのでしょうね。
さて、FIAがどう判断するか、、。
2004年、初めてのラリージャパンは盛況でした。
まだ毎日新聞も筆頭スポンサーでしたし。
トミ・マキネンが0カーで走って、ペターが圧倒的強さで優勝して、、。
すごい初年度でした。
ふだん閑散としている足寄町なんかがひどく渋滞していましたから。
十勝中の、どんな小さな宿も満室で、宿が取れなくて釧路から連日通っていたワークスもあったくらいです。
観戦者もチケットはあっても宿泊する場所がない、、ということで、SSのある町が体育館などを開放して、そこで寝泊まりして観戦してくれた方が大勢いました。
私も、十勝の媒体で、ラリージャパンで来てくれた人たちに十勝を楽しんでもらうための特集などを毎年書いてきました。直接WRCを取材・執筆することはありませんが、サポートしている方を紹介したりもしました。
でも、年々、観客が減っていって、こうなったわけです。
やっぱり、力不足なんですよね。媒体社も何もかもが。
ローカルの限界、、なんでしょうかね。
十勝毎日新聞なんか、開催前から開催中まで連日トップ記事はWRCです。WRC取材班が走り回って紙面の多くを独占します。
なのに、ほかのテレビや新聞ではWRC関連のOAや記事はごくごくわずか。
ほかまで波及できないわけです。スポンサーが少ないという非力さも手伝って、ますます、、なんですよね。
ラリージャパン2004は特殊だと世界に印象づけたそうです。
何が特殊だったかというと、開催地域のじいちゃんばあちゃん、父さん母さん、子供まで、、。
ラリーとは何かを知らなくても、みんな旗を振って応援してくれる、と。
その姿が特徴的だったのだそうです。
各国のプレスも、そういう応援者たちの姿を大々的に配信していたそうです。
2年前、新得町屈足のラリーパークに行きましたら、そこではいろんな国のプレスが撮影をしていました。
歩道いっぱいに地元の老若男女や明らかに遠くから来ていると思える人たちが混ざりあって、ラリーカーに手を振っていましたねぇ。
すると、道路向かいの食堂から女将さんが茹でたトウキビを山盛りにして持ってきて、外国のプレスマンたちに、「ほら、温かいうちに食べなさ~い」って。
その市井感が、印象に残っています。
あの時は、これがラリージャパンなんだなぁ、、と思いました。
2005年のラリージャパングラフに書いてあったもので、忘れられないものがあります。
だれのコメントか忘れてしまったのですが、、。
とにかく、トップドライバーのだれかです。(笑)
それはこのような文章でした。
ある農村地帯のリエゾンを走っていたとき、遠くの畑の中で人影が動いていた。
見ると、農作業をする男の人が作業を止めて帽子を取って手を振っている。
いつまでもいつまでも。
横を見るとコ・ドライバーの...........の顔も微笑んでいた。
初めてのジャパンは、温かかった。
来年以降は道央が、ジャパンらしい温かさでワークスや観戦者を迎えてくれると思います。
今年とは比べようもないくらい大勢のエネルギーで、応援できると思います。
十勝ばかりではなく、違う地域で開催されたなら、これまで「見たかったけど、都合が付けられなかった」という多くの人たちも観戦できるでしょう。
ラリーは実際に見なくちゃ。
だから、より多くの人に見てもらって、ラリーファンが増えて今後もずっとラリージャパンが開催されるのが、一番良いことです。
日本で開催される幸運に感謝しなくちゃ。
チケットが高いと言う人もいます。
「近所でやるし、見に行ってもいいけど、高いしさぁ」って、、。(笑)
たしかに、映画や普通のコンサートチケットに比べたら多少高額かもしれません。
6000円とか7000円です。
ラリージャパン事務局では、開催期間中に集結する車が排出するCO2を包括できる分の木を植える、ということも行うそうです。きっと観戦料金は、そういうことにも使われるのだと思います。
だとしたら、特別高額だとも思いません。
来年以降は、ちょっと遠くなるけれど、それでも地続きなのだし、また見に行きたいな。
たとえ、行く都合がつかなくてもチケットだけは取ると思います。
それが唯一できる庶民の支援ですから。