
今夜から読み始める予定の本です。
買ったのはずっと前でしたが、読んでいませんでした。
池波正太郎先生が、「こういうことしちゃいけない。こうした方がいいよ」的な話をしてるんです。
ちらちらっと読んだだけで、納得できる事がいろいろ書いてあって、「やっぱ、池正先生。。。好き、、、」と思ってしまった。
たとえば、
「寿司屋さんでさ、通ぶって、あがり、とか、シャリとか、ガリ、とかむらさき、、なんて言わなくていいんですよ。普通に、お茶ください、とか、ショウガください、って言えばいいんです。あがりだのむらさきだのってのは、寿司屋さんの隠語なんだから、客が使う言葉じゃないんだよね」
って言っていて、すっごく納得できました。
私も、そういう隠語をお客がお店で使うことって、変だよなぁ。。。
って思っていたので。
あと、最初の「はじめに」のページで、池正先生がこう言っています。
「男というものが、どのように生きていくか、という問題は、結局、その人が生きている時代そのものと切っても切れない関わりを持っています。
この本で私が語っていることは、かつて「男の常識」とされていたものばかりで、現代の男たちには恐らく実現不可能でございましょう。
とはいえ、「他山の石」という言葉もあります・・・・云々。。
昭和56年3月 池波正太郎 」
男じゃなくても、人間が生きるうえで手本としたり志す姿は、その時代と切り離せないと思います。
かつての美徳も、時代が変われば移ろってゆく。
守すべき伝統は守り、カスタムすべきところは変化させたり合理化させる。
それで良いのではないかと思います。
私、密かに変えてやろうと思っていることがあります。
ま、、小さいことではあるんですが。(笑)
それは、我が家の風習。
亭主の実家には、「女の人が家事を全てやるもの。男子は手伝わない」という雰囲気があります。
亭主は一人っ子だし。
そんな家風だし。
だから、今、亭主の実家で一緒にご飯食べて後片付けしている時、義母さんがよく、「男っていいよね…準備も片付けもしなくてねぇ」って小さな声で愚痴ります。w
それを聞くたび、義母さんはずっと自分のお仕事を持っていたのに、家事も一人で全部やってきたんだろうな、、って思う。
しかも、私と違って几帳面だから手は抜けなくて、1人でやって、どこかやるせない気持ちを溜めてきたんだろうな、、て。
疲れて大変な日も、どんな日も。
忙しくて休みのない時期でも。
ポーズだけでもいいから、自分が使ったお茶碗を台所に運ぶとか、「手伝おうか?」とかって声を掛けるとか、、。
ちょっとした小さなことでもやってくれたら、気持ちが助かって元気が出ただろうに。。。
きっと、ここんちのオヤジも息子も、そういう気遣いなどせんで、「男は家事しなくていい」って威張ってテレビ見てたりしてたんだろうよ!! まったく、、目に浮かぶわ。その様子が。
私の父は、十勝の開拓農家の家の出身なせいか、わりと母が忙しい時とかは家事を手伝っていたんです。
ご飯の事で文句は一切言わないし。
だから、「うちのお父さんは、すっごく楽」と母がよく言ってました。
すると父は、
「子供の頃からじいさんに、『女の人は男と一緒に働いて、さらにご飯支度までしないとならない。大変なことなんだから、米が固いとか味がどうのとは一切言ってはいかん! ご飯の支度も手伝ってあげないとダメだ』と、うるさく言われて育ったから」
と、言っていました。
いいじゃないの!
義母さんも、網走管内の農家の出身で、やっぱり、男の人も女の人と一緒に食事の準備や片付けをするような雰囲気だったと言っていました。
だから、義母さんの口から「男っていいよねぇ」という愚痴が出るんでしょうし、私も、すごく共感できるんだと思います。
時と場合によって、手伝ったりシェアしたり、、。
そういう気遣いができる夫婦や家族がいいよなぁ、、と思ってます。
だから、子供たちにも、積極的にお手伝いさせます。
あと、「こっちのばあちゃんちでは、特にお手伝いするように」と言ってあります。
ずっと1人でやってきたのだろうから、男の子であっても孫にお手伝いしてもらったら、きっとうれしいと思うんですよね。
行為そのものはあまり役に立たなくても、気持ちの問題で。
要は、気持ちなんですよね。
私も、働きながら主婦も、、となって初めて、その切なさが分かりましたから。
時間がないとか疲れとか、そういう身体的な面もさることながら、仕事はもちろん、当たり前のように家事も1人で背負うことに、メンタル面が参る。
腹立たしさと寂寥を感じちゃうんですよ。
男の人も仕事で大変です。
女の人も、仕事があってもなくても、個々人で大変さはあると思う。
お互いそうなんだから、お互い助け合って気遣い合う生活がいいじゃんねー。
このように、ここまで培ってきた家風さえ変えようとする、本当の意味での「鬼嫁」は、そんなに悪いとも思っていません。
多少の心苦しさはありますが。
こうやって融合したり変化していくのが森羅万象。
そもそも、男子尊重主義とか家長尊重主義は、鎌倉時代からのもので。これは武家社会にとって都合がいい教えだからっていって利用した儒教の教えですから。
この国のオリジナルじゃないんですもん。
中国大陸からの輸入品ですもん。
それ以前、、室町以前は、男女差のないおおらかな世だったといわれています。
どっちがいいとか悪いとかはこの際関係ないですね。
それこそ、
池正先生の、
「どのように生きていくか、という問題は、結局、その人が生きている時代そのものと切っても切れない関わりを持っています」
に集約されること。
余談ですが。
帯広のカメラマン、T氏は東京出身で、ご実家の近所に池正先生のお宅があったんだそうです。
「小沢さん、池波正太郎好きなの? 実はさ、、小さい頃、よく遊んでくれた近所のおじさんがいてさ。
知らなかったんだけど、そのおじさんが実は有名な小説家だったと知ったのは、亡くなったずっと後だった」
と言ってました。
Posted at 2009/02/23 23:01:31 | |
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