
今日は十勝のとある町でお仕事でした。
ここは偶然、私の故郷。(笑)
故郷でお仕事すると、感激すること多々です。
えええ?
あの頃三輪車こいでた幼児が、こんな立派な若社長になってたの?
大きくなったねぇ。
みたいな…。(笑)
それで、、。
今日の午前の2本目の取材先は、小さな居酒屋さん。
「開店前だと仕込みで忙しいから、午前に来て」と言われておりまして、11時過ぎに伺いました。
いろいろお話聞いて、ほぼ原稿内容も頭の中で出来上がったから終了、と思ったら、
お店のママさんが、
「お昼ご飯食べていきなさい」と。
一瞬ためらったのですが、ご厚意をありがたくお受けしようと思いまして。。
それでお言葉に甘えたら、
写真の「ホタテカレー」が登場。
お店では海産物素材を多く使うので、ホタテのひもがたくさん出るそうで。
それで、ホタテひもを塩で洗って、みじん切りにしたものを、タマネギのみじん切りと一緒にバターで炒めてカレーを作って、最後にホタテ貝柱をいっぱい入れたんだそうです。
すっごくおいしくて、
それで、「すごくおいしいです!」と言ったら、
「あらそう? じゃ、ルー、もってく? 今夜、晩ご飯の準備楽になるよ。家族何人?」と。
素直に家族4人と答えました。w
そのうち、
「旦那さん、お酒飲むの?」と聞かれたので、
「はい。困ったくらい毎晩飲みます」と私。
すると、
「ユリ根、持っていきな。
ゆり根をギョウザの皮に入れて揚げたらお酒のおつまみに最高よ。
旦那さんに作ってあげなさい。
あと、さっき農家さんからもらったニラがあるから。これも持っていって、
子どもに<チヂミ>を作ってあげなさい。
子どもって、チヂミ、すごく喜ぶよ。
いっぱい作って冷凍しておけば、帰りが遅くなった時に便利よ・・・。
あ、チジミ作ったことない? じゃ、冷凍したのを2枚あげるから、それもっていて食べてごらん。今度はそれを参考に自分流のチヂミ作ったらいよ。
あ、シュークリームあった。シュークリームも子どもさんたちに食べさせてあげなさい」
といろいろ袋に詰めてくれて、そのほか、
コゴミとかワラビとか、ほか、いろいろ山菜の塩漬けとか醤油漬とかも入れてくれて、
しまいには、お店で出している大きなホッケまで。。。
「これでしばらく食べるものあるしょ」と。
こ、、こんなに持たせてくれるなんて、自分と亭主の方の実家しかあり得ません。
今日、初めてお会いしたのに。。
遠慮しない私も悪いのでしょうが、、。w
もう、痛み入りまして感無量。
帰りがけには、家の庭で咲いたというスズランの切り花までくださいました。
今、私のデスクの横で静謐に香っています。
その、、、スズランをいただいて、お礼を言ったあと、、、。
還る間際。
私もこの町で育ってきたことを言いましたら、当然、「実家、どちら?」となるわけで。
実家の名前を申し上げましたら。。。
「あらぁ、そうだったの? お父さん、定年前まで、よーく職場の宴会で来てくれていたわよぉ。あ、、お父さんにも似てる、、けど、、お母さん似だね」とママさん。
「あっ。。。父に似ていると言われても嫌じゃないですが、母に似ていると言われるとちょっとブルーになります」
「なんでよぉ~。お母さん、太ってるから?」と、ママさんニヤニヤ。
「ええ。。まぁ、、」
などと言いつつ、次の取材先へと向かいました。
ここしばらく、あまり気分が晴れていなかったんですが、なんというか。。
初心に戻れたような気がしました。
この半月、こういう飲食店さんの取材シリーズで、それに心の中で文句を言ってたんですよね。
タイトル20字に本文100字、みたいな。
そんな小さなカセット記事シリーズのために、往復の移動時間を5時間とかかけて出動するなんて。。
義理があるから受けたけど、本当はこんな仕事、したくない。
2年に1回のこの仕事を入れるために、他社の毎月のレギュラーを断ってるんですから。
このほかにも、なにかっていうとすぐに、「ちょっと相談なんですが」という電話が入って、それだけで1日に1~2時間は束縛される。
1~2時間あったらその分、少しでも睡眠取りたいわ。
そのほか、
「最初の打ち合わせから参加してもらいたいんですが」とかいう、取材や執筆以前の出動要請も多すぎる。
もう、こんな程度のフリーライターにそこまで依存しなくちゃならない事態を、もう少し深刻に考えた方がいいと思う。
と、本当に、すべてにおいて寛容になれていなかったんですが。。。
今日、私が忌み嫌う小さなカセット記事仕事で、
こんなに優しくしてもらって。
2度目の原点に立った時のことを思い出しました。
次男が1歳半を過ぎ、断乳(リアルなお話で失敬w)した後…。
この仕事に復帰したわけですが。。
仕事に関しては、ほとんど縁故もない地域で、フリーライターとしての再出発をしました。
まぁ、ライターとして実績のある人材がきわめて少ない地域ですので、仕事をやろうと思えば、いくらでも仕事はありました。
ただし、やっぱり最初は、カセット記事からなんですよね。
飲食店とかの。
会社員時代から、そんな小さいのは外注に出して、自分は広告のキャッチコピーか、編集物なら長文系を。。。
と、そういうセレクトをしてきたので、いざ、カセット記事をやるとなると、あの妙に短いスペースに最低限必要な要素を入れて、しかも魅力的に思ってもらえるパフォーマンスをしようというのは、実に面倒なことでした。
だから最初は難儀しました。w
すぐに慣れましたけどね。
でも、楽しかったです。
何年ぶりかの取材は面白くて、原稿には関係ないことまで聞いて、それに感動して、2度目の原点に立てたことに感謝したものです。
会社員の時はバカにしてた、こういう小さな仕事も、真剣に真摯にできるようじゃないと、ダメなんだな。それがプロってもんなんだろうな。
どんな職業でも、それは同じなんだろうな。。。
と、しみじみ思ったはずでした。
でも、再び仕事に慣れてしまうと、また小さな仕事をうっとうしく思うようになってきちゃうんですね。
そういうのって、誰でもできるじゃん。
なんで、私にそれやらせるの? って。
そういう傲慢さが出てきちゃう。
でも、、今日、あの故郷のママさんに優しくしてもらって、
仕事人の基本というか、大事なことを再び気付かせてもらった気がしました。
人をもてなして、喜んでもらえる事が好きだから、、、だから、小さな町の小さな居酒屋でも30年以上親しまれている。
今日、初めて会った人にも、30年来の常連さんと同じように優しくできる。
そういうのが、天性とか、プロフェッショナルなんだろうな。
うんざりしていた、100字仕事で、すごくうれしい気持ちになれて、忘れていた大事な事を思い出させてもらえて、とても良かったです。
やっぱり、人生の巡り合わせに無駄はないなぁ。。。
あ、写真のコゴミの天ぷら。
今日、帰宅してから揚げたんですが、うちの大酒飲みに好評でした。
子どもたちも、ホタテカレーとチジミに大喜び。
そして帰り道。
眠くて、国道沿いのPに車を止めて寝ていて。。
起きたら、横でパトカーが測定やってました。ww
あぶねーあぶねー。
もっと前とか半端な場所で寝てたら、
「そこにいると邪魔です。移動してください」と起こされるとこでした。
私が一番怖い顔になるのは、
仕事で時間待ちとか無駄足踏まされた時のようですが、、。
寝ているのを起こされるのは、2番目に不機嫌になります。