
今日は午後から映画「ハナミズキ」を観てきました。
8月公開の映画なので、今さら、、、ではあるのですが、これはぜひ劇場で観たくて、行ってきました。
ここでも書いているのですが、この「ハナミズキ」は釧路エリアでロケを行っており、今年3月の釧路ロケクランクアップ時は、私も地元メディアの取材で行ってきました。
その時、思ったり感じたりしたことは多々ありましたが、その中で印象的だったのが、業界の大ベテランの方々が多く関わっている映画だなぁ、と、いうこと。
監督の土井裕泰さんは今46歳かな。TBSプロデューサーのN田さんもたぶん、40代半ばだと思う。ほか、女性プロデューサーさんで30歳代ぽい方が1人いらっしゃいましたが、撮影、助監督さんは、監督よりもかなり、、、もしかしたら15歳とか20歳くらい年上じゃないか?
と思ったくらい。
人生のほとんどを映画界で生きて来た人たちの雰囲気といったら…。
ものすごい存在感と威風でした。
あと、照明や録音の方々も、監督よりももしかしたら年上かも。。。
ある男女の、18歳から28歳までを描く映画を、大ベテランの方々が創っている。そう思って、現場に立ち会いながら、妙に興奮しました。(笑)
そして、私が釘付けになったのがヘアメイクさん。
女性の方だったのですが、年齢はたぶん、、、若く見えたけど、やはり60歳を越しているのかも。。。
おおらかで揺るぎない雰囲気でした。出演者たちも信頼しているな、と。そう思えました。
私はここ近年、
自分はいったいいつまで仕事ができるのだろう?
いや、言い換えたら、
「いつまで必要としてもらえるだろう?」
ということを、ふと思ったりしていました。
やっぱり、無理が利かなくなったし。(笑)
疲れるし、目は辛いし。
睡眠不足の時はダメダメです。
それは認めますが、それでも、
発注がある限りは続けていきたい。
でも、自分でも知らないうちに仕事の質が落ちてしまった場合は、自分に自分で引導を渡さなければならないだろうな、などと思っておりました。
でも、実際、そんなに潔い行動は取れないのでしょうね。
這いずりながらも、できることを、、、やらせてもらえることを探して、細々とやっていくのかもしれません。
で、本当に、受注がゼロになって何ヶ月も経った時、
「専業主婦になったなぁ」って、そう、実感するのだと。
なんとなく想像していました。
それはいつ来るのか?
2年後かも知れないし、1年後かも知れない。
5年後かもしれない。
だけど、、、10年後、、、という遠さは現実味がありませんでした。
いくらなんでも、そこまでは自信がありませんでした。
でも、「ハナミズキ」のメイクさんを見た時、「年齢という限界はないのかもしれない」と思えたんですよね。
同じ女性というだけで、自分に都合良く重ねて勇気づけてもらいました。(笑)
だからこそ。
映画「ハナミズキ」をちゃんと劇場で見てみたかったのです。
あの往年の映画人たちが作り上げた作品を観たかった。
そして、実際に見てみたら、、、。
とても美しい映像でした。
釧路圏らしい美しさや厳しさが、映像にいっぱいあふれていて、それに対比させるように、東京やカナダ、ニューヨークと、、、それぞれのリアリティがいっぱいでした。
それだけロケ地が分散していて、ちゃんとブレないでまとめ上げられるのだろうか? と、素人が変な心配をしたりしましたが、そんなのはまったく心配無用で、ちゃんとしっかりとした筋の通った映画でした。
ヘアメイクさんの仕事も素晴らしかったです。
同じ女性の、釧路の高校生から東京の女子大生、そしてニューヨークで働き始めたばかりの頃、さらには28歳まで。
それぞれの年齢とシーンに合わせて、しっかりと顔と髪型を作り分けていました。
それらを見て、私も、「無理がきかない」とか、「すでに下り坂・・・」とか思わないで、前を向いて行こうと、と思いました。
それで限界が来たら、その時に卒業したらいいのだしね。
やっぱり、伸長する意識と、そのための行動をしないと、人間ダメですよね。
大きなことはできないけれど、目の前にある仕事を真面目に、より良いものにしようという努力を惜しまなければ、きっと多少の延命は叶うかと。(笑)
最近、、、。
同じ業界の大御所の、いたたまれない仕事ぶりを垣間見る機会がたびたびありまして…。
たとえば、それこそ還暦を迎えて勇退されたアートディレクターさん。
昔ながらの職人で、手描きでカンプは描くし、レタリングやイラストレーションの筆致もさすがベテラン、という感じです。
ですが、今の時代、その特技を発揮する場がなかなかない。
だけど、長年で養われたデッサン力とか、デジタル処理に甘えない本来のデザイン力はすごい。
だから今でも、嘱託社員としてデスクは置かれているし、頼る人もいる。
なのに、どうやら、この期に及んでもデザインソフトを完全に使いこなせていないっぽい。信じられない話しですが。
先日も、私が必死にテキスト校正まで仕上げて、「これで完璧! このまま流して組んでもらえたらOK」という原稿を送ったのに、それが無駄になるような、信じられない初校になってしまっている。
担当営業も半ギレで、
「どうしてライターのテキストをそのまま流してくれないんですか? テキスト校正した意味ないでしょう」と言うと、
「ああ? それはこっちの都合だ」と実に横柄な態度。
かつては腕っこきのデザイナーだっただろうに。
今のデザイナーが持っていない、良いものも持っているのに、
時代の流れを拒否し続け、意識だけは尊大だから、その熟練の良い部分にも日が当たらない。
年を取るということは、こういうことなのか?
自分もそうなりつつあるんじゃないのだろうか?
誰にも指摘されないまま、ゆるやかに置き去りにされていくのって、嫌だよなぁ、と。
近い未来の自分を見るようで恐怖だったのですが、
「いや、違う。年齢の問題じゃなく、意識と行動の違いだ」と、
今日観た、映画「ハナミズキ」に教えられました。
業界にいる年数じゃなく、その時その時の努力ですよね。
大事なことは。
ところで、話しは変わりますが、ワーナーマイカルの売店にあった
「ゴディヴァのショコリキサー」。
「道東で味わえるのはココだけ」とまで書かれていて、これ、すっごく気になった。だけどここ数日、甘い物食べ過ぎ。
少し節制しないとマジで病気になりそうなので、今日のところは我慢しました。
でも、気になって仕方がない。
今でも。(笑)