
校了したら読もうと思って、買っておいた「娯楽系」の2冊。
あっちゅうまに読んでしまった。
まず、日本史パロディのほう。これは、面白いといえば面白いのだけど、
すんごく面白いわけでもないな。
普通。
戦国武将たちが、現代のITツールやビジネス慣用文書を使っていたなら、、的なパロディなので、
彼らのメール内容を見ても、普通にビジネスチックで真面目。それ自体に個性が浮き出ているわけでもないし、飛び抜けた面白さもないかな。
でも、ニヤニヤとはした。
個人的に好きだったのは、
「日本一やばい遅刻」で有名な、
秀忠の関ヶ原遅参にまつわる、家康と秀忠の一連メール。
淡々とビジネスメールで綴られているのだけど、
途中から、秀忠の「やっぺぇ・・」感がにじみ出してきて笑えた。
同じく、家康のメール対応も淡々とビジネスチックなんだけど、「早く西進しろと言っていただろ。真田なんかに構っておって、このバカヤロウが!」というヤキモキ感がにじんでいて笑えた。
あと、秀吉が墨俣城を築く時の
プロジェクトチームに向けての一斉メールも個人的には好き。
「一夜城」ということしたいのは大前提ですが、
多少のバッファは設けてありますのでご安心ください、、のくだりでウケた。
あと、幕府イベントの時の、大名パス。
親藩 譜代 外様 で色分けされているってやつ。外様のパスが真っ黒。w
これもウケた。
でも全体的に、物足りなさを感じたのは事実で。
この物足りなさは、内容の平坦さに加え、ページ数不足もあるかもしれない。
一応平綴じではあるけど、やたら紙が厚いから体裁が整って見えるだけで、
内容的には腹八分目、、、いや、六分目くらいだな。
それとも、こんなパロディは山盛りで読ませるより、大きめキレイな器に少量ずつ盛って、5~6品コースくらいのほうが美味しさの印象が残る、ってことか?
あと、信長のライン。いわゆる、未読スルー。
もうちょい捻って欲しいかなぁ。
新撰組の求人広告は、このくらい真面目でも「いいけど。
その一方で、
「【だんだら羽織】就職した先が超ブラックだったわけだが【生きて退職不可】」というスレが立ち、隊員からのちくり告発がすごくて荒れる流れにしても良かったと思う。
でもこれなあ。
「炎上」が扱われていないのはどうなんだろう。
私が編集者なら絶対「炎上」ネタを入れるな。
炎上って、燃えやすいものがツイートされて、即火がつくその瞬間が面白いでしょ。
で、さらに本人から燃料が投下され、ますます炎が大きくなっていく過程がエキサイティングなんだと思う。
何でもいいけど。
例えば、
信長がツイッターに
“姉川の戦い勝ったどー”とつぶやく。
↓
お祝いのコメント多数入る。
信長、調子に乗って、
“首級を金箔髑髏にして祝杯あげるか~”と、浅井長政・久政親子と朝倉義景の首級の写真をアップする。
↓
さすがにそれはいかがなものか!
と苦言コメント続々
↓
炎上
しまいには、お市様も降臨。
“兄上、万福丸の件は絶対に許しません”
↓
さらに炎上
「炎上ネタ」だけで3つはできるな。
続いて、「バカはサイレンで泣く」
これは「週間SPA!」で1993年から続いてきた投稿欄作品を選りすぐって再編集したもの。
これは、たびたび吹き出した。
ウエブが席巻する以前は、投稿といえば雑誌とラジオ。
しかも巧くないと取り上げられたり紹介されたりしないから、投稿マニアも日々鍛錬されて巧いし熱意が違う。
ネットさえ繋がっていれば誰でもどこにでも投稿できる今とは重さが違っていた、と思う。
「バカサイ」の中でも、私が気に入ったものは、、。
① 修学旅行はツッパリの国体。
これは吹いた。インターハイ、じゃなくて「国体」ってとこがいいね。
で、長男に見せたら、はてな?な顔をして「ツッパリ、ってなに?」と。
ああ、今どきの高校生はツッパリを知らないのか。というか、今の世「ツッパリ高校生」は消滅したのか。
とりあえず息子に、「ツッパリとは昔の不良のこと。主に、リーゼントヘア、改造制服等の装いと、精神に表現される」と教えてあげた。
あと、このあたりが私のお気に入り♪
② 朝礼で倒れる女生徒に胸がときめく。
③ まずいゼリーも給食に出てくれれば貴重品。
④ ブスのひざまくらより美人のヒザ蹴り。
⑤ 夜逃げは冬至に。
⑥ 探検家、それは活発な無職。
世代が変わると、おもしろいと感じるポイントも異なるというのは本当だな。
息子たちが大笑いしているYouTubeなんかは、たしかに面白いとは思うけど、
大笑いするほどでもない、、と思うことしばしば。
逆に、息子は、私のツボにヒットしたものでも、鼻で笑う程度。
先日。元同僚と電話で話していて、共通の取引先様の話題になり、私がそこの社長さんから聞いて面白かった話をしたのね。
「このあいだ●●社長が、・・・・で・・・・・・と・・・・・になって・・・・・だったんだって」と。
そうしたら元同僚も電話口で大笑い。私以上にウケていたのよ。
で、元同僚が私との電話を切ったあと、社員さんたちに、
「大笑いしてましたけど、どんなオモシロイ話だったんですか?」と聞かれたので、
私との電話内容を説明したら、
「はあ、、、状況は分かりましたけど、、、それがそんなに面白いんですか?」みたいな反応だったって。
そのエピソードしかり。世代によって腹筋が震えるポイントも違うのかもなあ。
さて、本といえば。
今年は、私の好きな作家さんが亡くなられた。
船戸与一さんの訃報は効いた。偶然、亡くなった日は私の長男の誕生日。
闘病しながら、「満州国演義」全9巻を書き終えて、それを見届けるようにして亡くなったという。最後に選んだ地が満州か。全9巻とは、船戸作品の中で一番の長編だと思う。まさにオデッセイ。
マイベスト3は 「蝦夷地別件」 「山猫の夏」 「新 雨月」
そして先日は、宇江佐真理さん。
もう新しい作品を読めないのかと思うと寂しい。
マイベスト3は 「余寒の雪」 「たば風」 「雷桜」
Posted at 2015/11/22 21:44:22 | |
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