(※本文の前に※
本日の『まさあべが斬る』の記事ですが、昨今の報道からスバル社の将来を深く案じるものであり、非常に真面目かつデリケートな話題となりますので、文字のみにての記事となります事をお許し下さい。)
スバル社から発売された複数車種のエンジン内のバルブスプリングが基準強度に満たず、近日大規模なリコールを実施する予定であるとの報道を受け、小生の日常生活にも激震が走っておることは皆様もうご存知の事かと察する。
いわゆる完成検査における不正問題に端を発し、ブレーキ類の不正検査、そして今回のバルブスプリングのリコール問題。
芋づる式にミスが明るみに出た形であろう。
小生はここ最近、一連の報道による極度の緊張と不安から、給料日を迎えたにも関わらず相変わらず飲み物以外一切喉を通らぬ状況が続いており、もはや心身共に日常生活に支障を来すのは時間の問題となっていることをここに告白させて頂きたい。
ここぞとばかりに叩かれまくるスバル。
世間の空気を柔軟に読み、臭い物には蓋、面倒な記事書きから解放されるとばかりにブログ更新において沈黙を守ってきた小生まさあべであるが、流石にここまで事が大きくなってしまったからにはそのような悠長な事も言っておられず、この辺りで蘊蓄スバリストの代表者としての見解を明らかにせねばなるまい。
ネットサーフィンを行い世の民草の声に耳を傾けてみれば、整備性の良くない水平対向にこだわった結果だ自業自得だろうとか、不正隠蔽は三菱より古い昔からの体質だろうとか、果てはスバルなんて潰れてしまえとの声すらも上がっている始末である。
小生は悲しい。完全否定出来ないのがもどかしいが、ちょっと言い過ぎだろう。
ただ確かに、何やってんだよ、いい加減にしろよと、いい加減仏のまさあべも多少立腹しておる次第。
報道の通り、バルブスプリングのリコールはスバルの経営を揺るがすほど一連の問題の中でも群を抜いて重大な事案であり、小生もいちユーザーとして大きな不安を禁じ得ないことは事実である。
この部品の強度が基準に満たないということは、例えば開いたバルブが戻りきる前にピストンと干渉し、破損することも充分考え得る。
これが走行中であれば当然命に関わる大問題だ。
バルブスプリングという部品自体は、言ってしまえばバネである。部品価格も当然安価なものである。
しかし、バルブの開閉を制御する部品ゆえ、精密な寸法と強度が求められる重要部品のひとつでもあるのだ。
シリンダーが天地方向に配置されている直列エンジンやV型エンジン等であれば、ヘッドカバーを開ければ比較的容易にバルブ回りにアクセス出来るため、この交換もまだやりやすいわけである。
しかし、水平対向エンジンにおいてはタイトル画像をご覧頂くとお判りの通り、ピストン回りの一連の部品群が水平方向を向いているため、メンテナンス作業ないし交換作業の際に非常にアクセスしづらく、一旦エンジンを降ろして開けなければ実質的には交換が出来ない構造となっている。
部品自体は安価なものであるにも関わらず、作業時間、作業工賃、工数ともにその交換には多大な負担を必要とし、かなり厄介な部類のリコールであると言わざるを得まい。
リコールに至った過程と、問題のリコール対象車がどこまで広がるのかという重要点が未だはっきりしない現状では、調査結果と詳細発表を待つ他なしといったところか。
なお、BRZの兄弟車であるトヨタの86までもが対象車種となるようであるが、そうなるとボクサーエンジンでメシを食っているスバルディーラーはまだしも、トヨタディーラーにてボクサーエンジンを降ろし、開けるという作業が必要となるわけである。
慣れないボクサーエンジンを降ろす事に加え、バラしてエンジン内パーツを交換するという作業までがそこに加わることへのディーラーメカニックの負担はスバル以上に計り知れない。
これは憶測の域を出ない推論ではあるが、次期86はボクサーエンジンをやめるとの噂もあることから考えると、親会社のトヨタ側としては何か情報を掴んでいたのかも知れないとこの度の報道を目の当たりにして感じた次第である。
いずれにせよ、やってしまった感が否めない状況であるが、ユーザーとしてはいても立ってもいられない心境にも関わらずじっと推移を見守るしかないというのが、何度も申し上げているとおり実際のところであろう。
百戦錬磨のまさあべもこの事態に至っては、流石に他ユーザー同様、じっと耐えて見守ることしか出来ない状況である。
しかし、これだけはここに記しておきたい。
小生まさあべのように、今この瞬間も自らの愛車のことのみならず、他のスバルユーザーの方々の愛車のこと、また、スバルというどこまでも愚直に真面目に車を作り続けて来た会社のこれからの行く末を本気で心配しているスバルファンがいるということ。
これはスバルという会社にとってかけがえのない大きな財産ではなかろうか。
日々スバルの行く末を案じ続け、どこまでも全力でサポートしてゆく気概を持った熱きスバリストが全国におり、小生まさあべのみならずそういった人間が何千万人と存在するという事をスバルには忘れないで頂きたい。
さて、スバルを愛しスバルに愛され3年、スバルの将来を日夜誰よりも考え続けるスバル憂士を自負する小生である。
スバル叩き、ネガティブ一辺倒な世の意見とは少し角度を変え、常人とはひと味もふた味も違った考察を世に投じてみたいと存ずる。
これを機会として膿を出し切る―
以前、不正問題が明るみに出た際の会見にて社長自らがそう宣言した通り、このいつ終わるとも知れぬ負のトンネルは、一連の苦しみを経てスバルという会社が真に浄化されてゆく過程であると言えるのではないだろうか。
ここで少し思い出して頂きたい、CMでも述べていたフレーズがある。
「愛でつくるクルマが、ある。」
スバルが世界に誇る先進技術であるアイサイトのように、ユーザーの安全という本来当たり前の事を、世界のどの自動車会社よりも愚直に考え、これを全力で体現しようとする、そんなどこまでも真面目な会社がスバルという会社なのである。
加えて、最近は新型車のカーデザイン面や、ドラマ仕立てで見る者を感動させスバルワールドに惹き込むCM等、従来不足していると認めざるを得なかったセンスという点においても一流の風格を身につけてきたと感じられるスバル。
そんな数々の魅力に惚れ込み、自らの命を預け苦楽を共にする愛車にスバル車を選んだユーザーは、無論小生だけではなかろう。
ここで正直に誠実にならずにどうするのか。
今回リコールに至った会社上層部の苦渋の決断はそんな心境であったかと思われる。
怒られるかもしれない。
でも正直に言おう。
こんなことは子供でも判る単純なる理屈である。
しかし、しかしである。
いやはや、成熟した大人の読者である皆様なら良く良くお分かり頂けるかと存ずるが、長ずるにつれ、この単純な決断がかえって難しくなって来るのである。
心の汚れた大人だからこそ判る葛藤。
小生まさあべは心の汚れた大人の代弁者とも言える存在であることを自他ともに認めている故に、この葛藤が手に取るように判る。
隠蔽がばれて失う信頼と、非を認める事により失う信頼。
どちらを選択するべきか。
どっちを選ぶかなんて決まっているだろう。
そううそぶくだけなら容易い。
しかし、企業倫理と損益を天秤に掛けたとき、そのように即断出来る大人が世にどれだけいるのだろうか。
読者の皆様はご存知であろうことであるため今更詳しい企業名をあげつらうようなことはしないが、実際、隠蔽という悪手を選択した結果、信用を大きく失墜させた企業は国内外問わず複数あるではないか。
これほどの葛藤を生む重大かつ深刻な問題に直面し、あくまでも失敗は失敗と潔く認め正直に発表するスバルの企業姿勢への好感度は、小生まさあべの個人的な評価としては以前にも増してうなぎ上りなのである。
地獄の果てまでこの車と心中すると決めた小生まさあべ。
ここでスバルを見放しては漢まさあべが廃るというものであろう。
間違えても間違えても正解にすれば良い。
スバル、頑張れ。
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Posted at
2018/10/27 17:53:45