
軽井沢ミーティングにおけるトークショー、毎回何かニューモデルに関する情報が出ないかとかぶりつきで聞きに行くのだが、今回、30周年とは言えいわゆる次期ロードスターNEについてはまだまだ先の話だから、NDのビッグマイナー関連で何か出れば儲けもの程度に構えていたのだが、そうでもなかった。
まずは主査の交代を告げられてビックリ。
中山氏に代わり、斎藤氏が任に就くとのこと。事前の情報収拾をしていないわけではなかったのだが、さすがに人事情報までは入ってこない。
中山氏、今やマツダを代表するプレゼンターといっても過言ではないが、これからはロードスターだけでなくマツダ全体のブランドを売り込みに駆け回ることになるのだろうか。
さて、新主査となった斎藤氏が、次期NEについて、「個人的な希望」と断りつつこんなことを口にした。
「1リッターのSkyactiv-Xを積んで****(この部分は聞き取れなかったが、多分安全基準や環境基準の話)をクリアして1tを切る」
「小排気量ターボはやらない。やるならモーターアシストを付ける」
斎藤氏はかなり具体的で明快な思考をお持ちのようで、端的に表現してくれているように思う。
Skyactiv-Xエンジンは言わずと知れたマツダの新技術、ガソリンエンジンで圧縮着火を世界で初めて実用化した注目のエンジンである。
しかしこのエンジン、今までガソリンエンジンの弱点であった過渡域燃費を劇的に改善するものではあるが、パワーやトルクを劇的にアップさせるものではない。新技術のアピールという面はさておき、これをあえてロードスターに積むメリットというと正直あまり思いつかない。
まあ、マツダの製品ラインナップ全体での燃費改善の必要からこれを積むのだろうと理解している。
Skyactiv-Xではルーツ式ブロワーを使用しているがこれは掃気のためで、排気量1リッターとなるとこのままではトルク不足に陥るので、モーターアシストを使うというのだろう。
まあアクセルに対する応答性はやはり電動モーターの方が優れているので、ロードスターとの相性も悪くはないはず。そしてモーターが苦手な高速域の伸び感は新型エンジンの出番なのでこちらも申し分ないはず。気になるのはモーターとエンジンの境目のつなぎ込みだが、確かマツダのハイブリットは元はトヨタの技術だから、この辺のノウハウを独自に構築するのは時間がかかるかも知れない。
また、現行2リッター4気筒のみのSkyactiv-Xについても今後はバリエーションを増やすのだろうが、1リッターエンジンの開発はボア&ストロークを縮小して4気筒で行くのか、それともシリンダー数を減らして(2気筒?!)実現するのか。
前者なら燃焼室が大幅に小さくなるので燃焼の設計も新規で必要になるし、後者ならマツダには4気筒エンジン以外の振動のノウハウに乏しいので新規開発は手間となる。
このあたり興味は尽きない。
また斎藤氏からもう一つ気になるフレーズが。
「効かないブレーキ」
これ、國政久郎 著「営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由」を読んだ時に同じことが書かれていたが、最近の車のブレーキはON-OFFスイッチのように、ペダルを少しでも踏むと制動力がほぼ最大まで立ち上がってしまい、うっかり踏めない。そのため皆、腫れ物に触るようにブレーキを踏むしかない。最近では急ブレーキが踏めない人が増えているとも聞く。
それに対し、そっと踏めばそっと効き、ガツンと踏めばガツンと効く。そのためにぺダルに足を乗せただけでは効かないようなブレーキがいい、というお話。
自分もシトロエン2CVに乗っている経験からこれは大賛成。
2CVのブレーキは効かないと一部で評判だが、思い切り踏めばきちんと効く。一見力が必要なようだが、ブレーキを踏むと慣性で体が前に移動して自然に足に体重がかかるので踏力が足りなくなることはない。
そして、踏み始めてから効きを調節できるので、踏むのに躊躇がないのがいい。こういうブレーキは気が楽でいい。
しかし世間からは、単にブレーキの効かない危険な車と叩かれるかも知れないので、今から綿密な洗脳啓蒙が必要かも知れない。
まあ色々書いたが、NDを8〜10年生産するとして、NEの登場は2023〜2025年頃となる。気の長い話だから、あれこれ妄想しながら待つのがこれからの楽しみ。
Posted at 2019/05/30 22:37:53 | |
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