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2020年02月23日

MT 車のドライバビリティ2「極低速余裕度指数」と「1 / 2 速低速能力」

MT 車のドライバビリティ2「極低速余裕度指数」と「1 / 2 速低速能力」  前回、MT 車の発進のしやすさの指標として(1)「極低速余裕度指数」を挙げた。今回はそれに(2)の低速走行性を示す値として 1 速 / 2 速における 1000 rpm 時の速度のデータを併せて、実際のサンプルを示してみよう。


車種、極低速余裕度指数、1 速 / 2 速 [km / h] @ 1000 rpm の順

<各種MT、一部比較のためにDCT>
アルファ147 1.6、3.33、7.3 / 12.7
アルファ147 2.0、3.29、8.7 / 13.8
インテグラタイプR、3.28、9.4 / 14.4
MGF、3.67、8.3 / 14.3
ゴルフ3 GLi、3.95、8.6 / 15.3
ゴルフ3 CLi、3.68、8.6 / 15.3
ゴルフ4 GTI、2.68、9.8 / 16.6
フォーカスST170、3.28、9.2 / 15.1
ゴルフ7 1.4、2.80、7.1 / 11.9【DCT】
ゴルフ7 1.2、2.54、7.2 / 11.9【DCT】
ポロ4 GTI、3.00、9.3 / 15.7
ポロ5 1.2、2.71、7.4 / 11.7【DCT】
ポロ5 1.4、3.24、6.8 / 11.4【DCT】
318ti、3.35、8.3 / 14.0
トゥインゴ ゼン、2.40、8.2 / 14.9
トゥインゴ S、2.64、7.5 / 13.7
カリブラ ターボ、3.10、8.7 / 14.3
アストラ2.0ターボスポーツ、3.64、7.8 / 13.9
307フェリーヌ1.6、3.15、7.7 / 14.2
307フェリーヌ2.0、3.45、8.6 / 15.9
NCロードスターS、3.79、9.0 / 14.9
NCロードスターRS、4.53、7.4 / 12.5
NDロードスター、3.67、7.8 / 13.2

<その他、様々なトランスミッション形式>
スマート453ターボ、2.29、7.5 / 12.0(DCT)
C4ピカソ、2.30、8.2 / 15.1(6AMT)
A4カブリオレ、3.25、8.0 / XXX(CVT)
パサートV5、2.92、9.9 / 18.1(トルコンAT)
ローバー220クーペ、3.01、10.3 / 17.2(5MT)
メリーバ、2.95、7.7 / 14.7(5AMT)

 古今東西雑多に挙げたが、国産車が少ないのはご勘弁。ここに挙げた車種の中で、ハンドリングや取り回しなども含めて私の中で基準となっている車種(単に好きともいう)が2つあって、それは、BMW 318ti(E46)とVW ポロ4 GTI、ともに 5MT である。ただ、基準と言っておきながらどちらも所有したことはない。運転したことがあるだけ。
 318ti は 極低速余裕度指数 3.35、ポロが 3.00。ともに発進は楽な記憶があるので、やはり極低速余裕度指数は「3」くらいから良好な領域だと言えるのかも。318ti は数字のとおりのまさに「元気いっぱい」というフィーリングである。
 2速の低速性は残念ながら記憶にない。この2台にはじめて乗ったのは 15 年近く昔、当時の私は「踏んでばかり」の野郎であって、普段使いのドライバビリティなどには意識が向かなかった。まったくケツが青かったのである。だから実際のところはわからないが、ポロの 2 速 15.7 km / h は左折時などはつらいのではないだろうか。
 では、2 速 1000 回転で、何 km / h 以下なら問題ないのか。
 所有している C4 ピカソをベースにして考えてみる。前もって断っておくが、C4 ピカソは MT ではない。シトロエンの言うところの 6 EGS、いわゆる「AMT」である。アルファのセレスピードやフィアットのデュアロジック、スマートのソフタッチなどと同じシステムである。
https://minkara.carview.co.jp/userid/260627/blog/40941067/
メカ的に仕方ないのだが、1 - 2 速の変速が、アップもダウンも空走時間があって、左折時に意図せず 1 速へのシフトダウンが起きると、曲がり終わって再加速するところでアクセル操作に対する「スカッ」感の後に 1 速の強力な加速が襲ってくることになる。自動シフトダウンを避けようとすると、15 - 16 km / h を保たなければならないが、これは、左折時には速すぎると私は感じる。
 そんな EGS だが裏技がある。レバー操作でギアを固定することができるのだが、これで 2 速に固定すると、かなりの低回転まで 1 速へのシフトダウンを我慢して、2 速のまま耐えてくれるのだ。実験すると、左折時、12 km / h では耐える。このくらいの低速になるとデジタル表示のスピードメーターがリニアでなくなるので正確な速度はわからないが、9 km / h くらいでシフトダウンが起きるようだ。そして 12 km / h であれば、「もっと減速したい」と思わずに左折できるので、交差点左折時の減速具合としてはこの 12 km / h がひとつの目安のようだ。眺めるとこれを満たすものは少ないが、実際は 1000 rpm をちょっとでも下回るとエンストするって訳でもないので、14 以下なら良しといったところだろうか。

 同じ車種のエンジン違いを比べてみるのも面白い。

 アルファ 147 は「2リッターより1.6リッターの方が良い」という意見をよく聞くが、なるほど数字を見ると頷ける。極低速余裕度指数はほぼ同等。また、ギアリングのおかげで1.6リッターのほうが 2 速でゆっくりが得意、言い換えると、例えば左折後に同じ12 km / h で立ち上がるとき、1.6リッターの方が回転数が高いわけで、力感有利、ギクシャク少ない、となる可能性がある。

 名車の誉れ高いゴルフ3は GLi / CLi が 3.95 / 3.68、当時強く感じた「頼もしさ」のようなものはここからきているのかもしれない。それがゴルフ4になると一気に 2.68 に下がってしまう。2 速も 16.6 km / h ということで、ハイギアードすぎるわ重いわで、ゴルフ3よりドライバビリティは明らかに悪化してしまっている。そんなゴルフ4が出現してゴルフ3向けの「4ルック」なるヘッドライトキットが流行っていた時期、強力なライバルとして登場したフォードフォーカスは 3.28、9.2 / 15.1 km / h と、ゴルフ4に比べれば良い数値であり、一部で言われる「フォーカスの勝ち」も納得かも。フォードの日本市場撤退は改めて悔やまれるし、世の中はマーケ屋が作っているのだなと、ちょっと悲しくなったりする。

 クルマが小さく感じたオペルカリブラは 3.10、8.7 / 14.3 km / h、あの頃のオペル(GM)エンジンは低速トルクがすごく分厚く感じたものだが、極低速余裕度指数に助けられていた面があるかもしれない。一般的な傾向として、時代が下ると衝突安全基準の要求や装備品の増加によってクルマは重くなり、これは極低速余裕度指数にとっては下押し圧力となる。そんな中にあって、カリブラの直系子孫のアストラ2.0ターボスポーツは 3.64、7.8 / 13.9 km / h とデータが向上している。オペルはすばらしく良かったのだ。そう、故障さえなければ。

 現代小型 MT はどうかというと、前述の重量化とダウンサイジングエンジンの流行がダブルパンチで効いてきており、まっことつらい。
 ルノートゥインゴ ゼンが 2.40、8.2 / 14.9 km / h、これでは発進がつらいだろう。流石にルノーも対策しようとしたのか、つい先日マイナーチェンジして、
トゥインゴ S、2.64、7.5 / 13.7 km / h と若干改善した。果たしてこの改善幅はいかほどのものか、試乗してみたいところだ。トゥインゴは(スマート453も)アイドリング回転数が 900 rpmであり、この改善により、ぎりぎり 2 速 12 km / h がいけるようになったかもしれない。

 では、昔は良かったかといえば、必ずしもそうではない。

 クルマを要素技術から自分で積み上げて開発しないといえばイギリス車だが(乱暴でごめんなさい)、その結果の悲劇の所有例をひとつ。
 ローバー220クーペ、3.01、10.3 / 17.2 km / h。ホンダの流用パーツを集めて、独自エンジンを無理やりドッキングした結果がこれである。極低速余裕度指数は良い。実際エンストは一度もなかった。問題はギア比で、2 速 17.2 km / h では交差点を曲がれない。しかしこのホンダミッションは、完全停止しない限りは「絶対に」1 速には入らない。つまり交差点を曲がるたびにクラッチを踏み、2 速半クラッチで立ち上がるほかないのだ。そこへきて悪いことにクラッチは油圧でなくてワイヤー式。レトロフェラーリかよというくらいにクラッチペダルが重い。1 速の数字もあわせて見れば、如何に渋滞がつらいか、今なら机上で計算できてしまうが、当時は青ちゃんだったので、こんなのをド渋滞都市部で喜んで乗っていたのだ。思えば、左足が明らかに右足より太くなったものだ。今は亡きローバーの名誉のために付け加えるが、20 km / h 以上出ていれば、快適だったし、とてつもなく速かった。トルセンLSDが標準装備で、コーナリングも良かった。
 長くなったので、今日はここまで。次回はプジョーやマツダをやりますよ。たぶん明日アップするから、たとえ上ですごい数字が見えていても、そこにだけはまだ触れないでください(笑)。他のコメントは大歓迎です。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2020/02/23 22:56:32

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この記事へのコメント

2020年2月24日 9:10
待ってました!

2速12km/hの壁、私は10-12あたりどこに設定したらいいのか迷っていたところです。職場付近で10km/hあたりで左折する所がありまして、パンダMTツインエアは必ず半クラッチを使っていました。シエラはもちろんOK、ワゴンRはどうなるか興味津々です。

トゥインゴ はゼンからSになりだいぶ改善されたようですね。私が試乗したのは高松で、小さな交差点とかなかったと思いますので2速12キロは不明です。ただ妙にハイギアードだなとは感じました。そしてペダル配置が合わないとか(妙に左寄りと感じた)クラッチがとんでもなく手前でつながる感覚とか、全くいい印象なく終了してしまいました。

それと比べるとローバー220クーペ、すごいですね。今の我々だとスペックを見ただけで却下ですね。まあ大トルクのエンジンですと力技でなんとかなる可能性はあると思います。
コメントへの返答
2020年2月24日 21:55
こんばんは。

今日、スマート 453 (DCT) にロガー(Torque PRO)を仕掛けて、私の運転における左折時の減速具合を測ってみました。大通りから 8m 級の道路へ左折、というシチュエーションで、3回測った平均が 12.3 km / h でした。いずれも2速で楽にクリアーです。ということで、私の場合は 12 km / h で考えておけば良さそうです。

トゥインゴとスマート 453 は同じシャシーの兄弟車ですが、スマートのペダル配置、確かにもう少し頑張って欲しいですね。軽自動車で 20 cm 近く横幅の狭い三菱アイの方がよっぽど自然なレイアウトです。左右もそうですが、ブレーキが手前すぎて、それは自分で改造しました。
高松は昔、転勤で数年住んだことがありますが、確かに道路が広いですね。国道でもないのに片側3車線だったり、大平総理以来の「ザ・道路族」の県ですね。

ローバー220。良くも悪くもいろんな思い出がありますが、デジカメ普及前で写真がほとんどないです。完全に忘れる前に総括しておかなければ。思い出は美化される点に警戒し、困った点もしっかり思い出しておかないと、進歩がなくなってしまいます。
2020年2月25日 14:24
初めまして。ローバー220以外のMT車を所有したことがなく、今も乗っているため、こんなものかと思っていました。最近、別車種のクラッチを踏んでみて、いかに重いかわかりました。シビアですが1速は停止しなくても、回転数を合わせれば入ります(笑)。3→4→5は、クラッチレスシフトで乗るようになりました。
コメントへの返答
2020年2月25日 20:54
コメントありがとうございます。
私のはどんなに回転を合わせようがダブルクラッチを踏もうが1速はダメでしたね。今なら DIY でミッションオイルをとっかえひっかえするんでしょうが、当時は自分でいじる環境も知識もなかったです。
私にとってトムキャットは、まさに青春を共にした相棒でした。動いてさえいればザ・手足の延長。そうそう、3速以上はノークラッチ変速できますよね。
最近、不意にトムキャットのことを思い出します。なんでだろう、疲れてるのかな。
全然違うはずのスマート 453 に、ちょっと似た感触(生物感)を見出すからでしょうか。

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