
<このブログは走る保険屋「サトスケ」と走る軽貨物車「カピたん(プレオバン)」そしてサトスケ20年振りのリターンバイク「ヒバたん(CBR)」を取り巻く日常の物語である。物語はフィクションであり登場する人物や団体は実在する物とは関係ありません>
コリンと名乗る神様に再セットアップされたカピたんの足回り。
サトスケはその神様、コリンの正体に気付き、彼のドライビングスタイルを参考にカピたんを走らせ、見違える程のスピードアップに成功する。
サトスケ「多分、彼は・・・神様は・・・WRC(世界ラリー選手権)元チャンピオン」
カピたん「WRCのチャンピオン!?」
サトスケ「ああ。もう他界してるが・・・」
カピたん「他界・・・それで神様に?」
サトスケ「そりゃ分からんけど・・・」
サトスケはカピたんに彼のドライビングスタイルの概要を説明した。
グラベル(未舗装路)での豪快なドリフト走法を、そのままターマック(舗装路)に持ち込んだかの様なリスクを恐れない走り。
そのドライビングは豪快でアクセルでも何でもペダルは床までベタ踏み!が基本!
常に全開でクラッシュも厭わない命知らずなタイプ!!
まさに神憑りとしか言えないラリー運びの名勝負も数知れず!!!
サトスケ「コーナーリングでスローイン・ファーストアウトってのが有るだろ?」
カピたん「基本ッス。サトスケも普段それに忠実ッスね?」
サトスケ「だが彼の場合ファーストイン・ファーストアウトなのさ」
カピたん「そりゃ・・・無茶な走り方ッスね」
サトスケ「だよな?でも彼が施したセットアップで、彼の様に走ってみると・・・」
サトスケは次のコーナーにもの凄いスピードで突っ込んでいく。
サトスケ「意外と無茶でもない事が分かってきた」
従来より遥かに速い突っ込みからの高いコーナーリングスピードそのままに抜けて行く。
サトスケ「以前より速く突っ込んでも安定感は遥かに高い」
カピたん「確かにそうッスね」
サトスケ「これはつまり突っ込み重視!パワーのないクルマを活かすセットアップだ」
サトスケは峠の途中にある待避所にカピたんを停めた。
カピたんから降りると足回りを覗きこんだり、ボンネットを開けてチェックを始める。
サトスケ「やはりな・・・変わったのはホイールとタイヤだけじゃない」
カピたん「そうなんスか?」
サトスケ「ソコが変わっただけで、走りがこんなに変わるハズがない」
カピたん「言われてみれば・・・それもそうッスね」
サトスケ「バネも変わってる。長さも違うし線径の太さから見るとレートも上がってる」
カピたん「レートが上がったのに乗り心地が良くなってるッスね?」
サトスケはタイヤを見てみた。
サトスケ「ナルホド・・・コンフォート寄りと言うかエコタイヤの類か」
カピたん「それで乗り心地が?前のスポーツタイヤより太いけどグリップは落ちる?」
サトスケ「グリップ高きゃイイってモンでもないんだろうな・・・バランスか?」
更にボンネットを覗き込む。
以前は無かったパーツが追加されている。
サトスケ「キャンバー調整式のピロアッパー・・・」
よく見るとかなりネガティブキャンバーにセットアップされている。
サトスケ「コレもノーズを引っ張り込む様なコーナリングに大きく効いてるナ」
他にもスタビリンクが調整式のモノに変わっていたり、だいぶ手の入った様子が伺えた。
サトスケはタバコに火を付けた。
サトスケ「そうか・・・こう云う方向性も有ったと云う事なんだナ」
カピたん「さすが神様ッス。やっぱ前より速くなってたッスね」
サトスケ「前は何と云うか・・・・・」
サトスケは深々とタバコを吸いながら考えた。
サトスケ「乗り手であるオレの好みに合わせたセットアップ・・・」
カピたん「サトスケに合わせたセットアップ・・・」
サトスケ「だが神様のは・・・オマエに合わせたセットアップと言えるんじゃないかナ」
カピたん「オレに合わせた・・・スか?」
サトスケ「ああ。オマエの良さを引き出す様にセットアップされている」
カピたん「へぇ~・・・ナルホドっす」
サトスケは再びタバコを深々と吸う。
サトスケ「こりゃ神様に一本取られたナ・・・コレはオレじゃ思いつかない」
カピたん「そうッスか・・・でもおかげで・・・」
サトスケ「・・・何だ?」
カピたん「走るのが楽しくなって来たッス!」
サトスケ「おぉ!?」
カピたんが走る事を『楽しい』と言った事にサトスケは驚いた。
随分と付き合いも長くなったが、そんな事を言うのは初めてである・・・
サトスケは嬉しくなった。
それと同時に、前の相棒ヴィヴィたんと走り回った頃の、走りを本当に楽しんでいた頃の気持ちを思い出していた。
サトスケ「オマエと出会った時にオレは言った・・・『絶対デキるクルマだ』と」
カピたん「そんなコト言ったッスか?」
サトスケ「忘れちゃった?ま、別にイイけど(笑)」
カピたん「少しはデキるクルマになったッスかね?」
サトスケ「ああ!今度はオレがオマエに合わせて腕を上げる番だ!」
カピたん「コレからもヨロシクっす!」
サトスケ「頼むぜ相棒!」
神に与えられし足回りによって覚醒したカピたん!
果たしてサトスケは乗りこなす事が出来るか!?
飽くなき走りの追及はまだまだ続く・・・・・
覚醒!編 おわり