日本水準原点

好天の日曜午前、国会前庭（北地区）に行ってきました。
国会前庭は国会議事堂の東に隣接していて、警視庁や国交省のある東京メトロ有楽町線の桜田門駅から議事堂に向けて登る坂の途中にあります。

下の写真の左右が国会前庭です。


前庭は桜田門から議事堂に向かう通りを挟んで南北に分かれており、南地区には和式庭園、北地区には洋式庭園があります。
ここに行った理由（目的）は日本の水準原点があるからです。

場所柄、電車の方が便利ですが、感染症蔓延を考慮してデミオで行きました。
公園内の憲政記念館駐車場は一般利用不可なので、三宅坂から国会通り、日比谷通りを回って日比谷公園駐車場を利用しました。

何十年ぶりかで日比谷公園を歩いて通過し、法務省、警視庁、国交省の前を通って国会前庭に到達。
日曜は皇居周辺のランナーを除けば一般人よりも立番の方が多いくらいです。


駐車場に入れてから約30分かかって国会前庭（北地区）に到着。
朝は９時から開園しているようです。

最初に目についたのがこれ。

花崗岩に「一等水準点」と彫ってあります。

他の面を見ると

「基本」「No T」とありますがもちろんこれは水準原点ではありません。


さらに登ると白い塔が建っています。


これは電子基準点といって「みちびき」やGPSの電波の受信施設です。



電子基準点のすぐ東側に水準原点があります。
水準原点は「日本水準原点標庫」という石造りの建造物の中にあり通常は公開されていません。

年に１度だけ、測量の日（６月３日）近くに一般公開されるそうですが、昨年は感染症蔓延防止のために中止だったそうです。


標庫と解説の石碑



説明文、土木遺産認定標、重要文化財指定についての解説、標庫正面


石碑の解説文は白文字だったようですが、かなり色が落ちていて読みづらい。
Wikipwdia の写真にはきれいに写っているのでそこから読み取ると
「　日本水準原点は、わが国の土地の標高を測定する基準となる点である。明治２４年（１８９１年）５月にこの場所に設置した。
　日本水準原点の位置は、この建物の中にある台石に取り付けた水晶板の目盛りの零線の中心である。その標高は、明治６年から１２年までの東京湾の潮位観測による平均海面から測定したもので、当時２４．５００メートルと定めた。
　その後、大正１２年（１９２３年）の関東地震による地殻変動に伴いその標高を２４．４１４０メートルに改正したが、平成２３年（２０１１年）３月１１日の東北地方太平洋沖地震による地殻変動に伴い２４ミリメートル沈下したため、新たに２４．３９００メートルに改正した。

　平成２３年１０月２３日　」

と書いてあるようです。
精度が0.1ミリメートルであることに驚きました。


上部に「大日本帝国」、その下に「水準原点」、その下の菊の紋章がついた扉を手前に開けると中に甲州産水晶製の水準原点があるようです。
右下は背面。
建設当時、この場所は大日本帝国陸軍陸地測量部の敷地だったそうです。


さて、水準原点標庫の周囲には５つの「付属点」があるそうです。
Wikipwdia（2022年1月16日現在）には「・・・万一に原点が失われたときに原点を復元するための付属点が5箇所ある。（中略）それぞれ、甲号、乙号、丙号、丁号、戊号となっている。丁号のみ地上にあり、他は蓋で覆われた地中にある。」とあります。

最初に見つけた一等水準点で「No T」と読んだのは実は「T」ではなく「丁」でした。
残りの4つを探しましょう。

付近には、中央に「国土地理院」と書いてある丸いマンホールが２つありましたがこれではなさそうです。



ありました。

「乙号」と「丙号」には蓋を開ける金具を入れる部分がない。
どうやって開けるのかな。

「戊号」は憲政記念館近くの植え込みにありました。
憲政記念館まで見学する余裕はなく、またの機会とします。
なお、
憲政記念館は建て替えのためこの1/30をもって現施設での公開を終え、４月からは隣接する代替施設での公開となります。


国会前庭を出ると赤いオープンカーが目の前を通過。
うちのよりも少し大きい。

多くのコース・便数があり、12時間、2,800円で乗り降り自由らしい。


たくさんのランナーを横目で見ながら来た道を戻り


空いている日比谷公園を抜けて駐車場に戻ります。

約90分の散策でした。




[ハイタッチ！drive] 国会議事堂周辺　
2022年01月16日 07:56 - 12:32、
83.60 Km 4 時間 35 分、5ハイタッチ