
前回ブログ返信から続いたZIPPOコレネタ。
77年製(86年の後期以前は製造年のみで製造月の刻印はありません)の【SEIKOノベルティヴィンテージZIPPO】です。
レギュラーサイズではなくスリムサイズで、エッチングにはSEIKOのコーポレートカラーである青色。
CITIZENノベルティZIPPOはレギュラーサイズ、スリムでいくつかの柄(PROMASTERやTITANIUMやxC:共に90年代以降)がありますが、今のところ
僕が知ってる限りでは(情報をお持ちの方がいらっしゃいましたらご教示下頂けると嬉しいです)SEIKOノベルティZIPPOは70年代のこのスリムだけ。
※最近現行非売品ノベルティと称して企業ロゴをエッチングしただけの物(中にはオリジナルでそういう物もあるのでしょうが)や、巧妙に刻印をヴィンテージに見せ掛けたフェイクをオク等で見掛けますので、購入前に鑑定ポイントをしっかり見てご注意を。
まぁ特に他に書くこともないので今日はちょっとSEIKOのお話。
現在30代後半以上の年齢の方は昔のCMの影響か?『世界のSEIKO』というキャッチコピーを覚えていると思います。
実際長野県の諏訪湖周辺や岡谷辺りのセイコーエプソン関連の会社の道路脇にはまだこの手の看板が幾つも立っています。
このSEIKOっていうメーカーは世界の時計メーカーと比べるとちょっと変わった戦略を過去に打ち出していました。
その一つが【複数ブランド戦略】
普通はメーカー名=ブランドです。
SEIKOの場合は国内では
●CREDOR=高級&宝飾↓
●SEIKO=中級↓
●ALBA=低級
※以前はLASSALE(ラサール)という準高級品がクレドールとSEIKOの間にありました。近年ではこれにガランテが追加されてます。
作ってるのはSEIKOっていう一つのメーカーだけれど最上位がCREDOR→SEIKO→最下位がALBAブランドでSEIKO以外の【ブランド銘】を展開しています。
近年迷走する以前のCREDORの文字盤にSEIKOの文字が一切入らなかったり、
あってもCREDORの下に小さく入っていたのはこういう訳です。
つまりGSはあくまでもSEIKOブランドでは最上位ではあるが、ブランド格としてはCREDORが上位の位置づけで別のブランドなんです。【←結構これを勘違いしている方が多い】
で、この各ブランドの中に、クレドールフェニックス・クレドールパシフィーク・クレドールシグノや、GS・スポーツ(現PROSPEX)・ドルチェ(ドレッシー)・スピリット(スタンダード)といった大まかなシーン別の【シリーズカテゴリー】と【モデル分け】があります。【←これをゴッチャにしてる方も多い】
①ブランド位置付けを逆転する価格設定(GSでもCREDORより高額な物)
②SEIKOブランド内でもPROSPEXの最上級モデルはGSより高額設定(60年代からGS用機械を搭載した高額ダイバーモデルが存在しますが)
だったりするのが混同する原因でもありますが、多くは単なる勘違いで、メーカーとしてブランド格付を正式発表しており、以前はCREDORを扱える選別されたCREDORショップ(現在のGSマスターショップみたいな)なる時計店があり、誇らしげに看板を出していました。
※現在はプレミアムというくくりになったりモデル名も増え、格付けもあいまいになったり(CREDORの文字盤にSEIKOを入れたり、無くしたり、大きくしたり、小さくしたり、と迷いが見てとれます:笑)若干変わったりしています。
海外では他に
●JEAN LASSALE(高級)↓
●PALSAR(低級)↓
●LORUS(最低級)
といったブランド展開を以前はしていた様ですが、近年は以前は国内のみだったモデルも海外展開していたりします。
このメーカー、何が凄いかっていうと、1000円前後でホームセンターの壁面ネット什器にぶら下げられている物(いわゆる吊るし)から一千万円を超えるソヌリやミニッツリピーター、宝飾オーダー物まで一つのメーカー(現在は製造や販売などで別会社や関連会社の形をとっていますが元は一つの会社)が製造している事です。
他にも色々要因はありますが(モデル格が育つ前に自ら廃番にしたり、コンセプトを途中で変えちゃってダメにしちゃうとか、長い目で育てないとか)、これがSEIKOのブランド戦略の上手さの一つでもあり下手さの一つでもあります。
ここまで販売価格の広い時計メーカーって舶来メーカーではまずありませんでしょ?
さらには、補聴器や医療機器など時計とは別の工業製品を製造する時計メーカーは幾つかありますが、プリンター・複合機・PC・スキャナー・デジカメ・電気シェーバーなど一応別会社化してますが、ここまで多様に工業製品を製造しているというのも他にない様な。
このお陰で日本人にとって時計が身近な物になったといっても良いと思います。
時計製造メーカー(量産出来て世界的に通用する時計メーカーと呼べる会社)が当たり前の様に自国にある国って一体幾つあるんでしょうね?
このZIPPOがノベルティとして顧客に手渡された頃は『世界のSEIKO』感が今よりもバリバリでビシビシだった事でしょう。
Posted at 2011/09/26 01:18:02 | |
トラックバック(0) |
ノベルティZIPPO(時計関連) | 日記