スバルのアイサイトとBMWのACCについて比較考察しました。そもそもどちらも最新型ではありませんし、さらにそれぞれの年式も違うのでまともな比較はできると思いませんが、両方を乗っている私には「こう感じられる」程度のお気楽なお話だと思って読んでいただけるとうれしいです。
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・被験車輌A 2014年式 スバル レガシィワゴン2500cc アイサイト2.0
・被験車輌B 2016年式 BMW 4シリーズカブリオレ Mスポーツ ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)
まずはその仕様から。
スバルアイサイト
方式:ステレオカメラ単体
動作車速域:0km/h~114km/h
車間設定:3段階
ストップ&ゴー機能:あり、約3秒程度
警報鳴動条件:システムが追突の危険があると判断したときで、車間距離が明らかに不足するとpipipipipi! 5回程度断続鳴動。
1次ブレーキ作動条件:警報鳴動してもブレーキをかける、ハンドルをきるなどの回避操作がない場合。pipipipipi! 10回程度断続鳴動し、弱い自動ブレーキをかける。
2次ブレーキ作動条件:1次ブレーキをかけても回避操作がなければ、pi--!と連続鳴動し、強い自動ブレーキをかけ、被害軽減を行う。
BMW ACC
方式:単眼カメラ+ミリ波レーダー
動作車速域:0km/h~210km/h!
車間設定:4段階
ストップ&ゴー機能:あり、約3秒程度
警報鳴動条件:システムが追突の危険があると判断したときで、車間距離が明らかに不足するとメーターパネルに警告を表示
1次ブレーキ作動条件:警報表示してもブレーキをかける、ハンドルをきるなどの回避操作がない場合、音声で警報し、弱い自動ブレーキをかける。
2次ブレーキ作動条件:1次ブレーキをかけても回避操作がなければ、pi--!と連続鳴動し、強い自動ブレーキをかけ、被害軽減を行う。
ここまで見ていると同じに見えますが、乗り比べてみるとかなり違うと感じました。
まずは前車への追随性について、レガシィアイサイト2.0のほうがスムースだと思いました。馬力が倍ほど違うので、追随時の加速力はBMWのほうが優れているのは当然なのですが、混雑時や渋滞時のスムースさには明らかに差があります。
これはレガシィのデフォルト走行モードが3つあるうちの一番エコノミーな「インテリジェンスモード」であることに対し、BMWが4つのモードのうちの下から二つめであるCOMFORTモードなのも関係があるかも知れないので、また今度それぞれのモードを変えてテストしてみようと思います。
ただ、街中を走行するとき、都市間高速でも186馬力のレガシィは一つ上の「Sモード」にしようと思わないのに比べ、306馬力のBMWは一つ下の「ECO PROモード」にしたいと思わない、と言うことはあります。
とはいえ、BMWが不快かと言えば全くそうではなく、十分にスムースなんですが、レガシィのほうがよりきめ細かく条件を判断して制御している結果、こんなにスムースなんだろうなと感じさせてくれます。
前車との距離は、両車とも「適正車間距離」を保持してくれます。レガシィが3段階、BMWが4段階の距離を選択できます。
ただ、混雑時の一般道や都市間高速で「適正車間距離」を取ると、割り込みを誘発するためかえって危ないと感じることが多いのですが、BMWの方が若干短めの車間距離を保持するため、割り込みの可能性はかなり小さくなっています。
まぁ、これはBMWのエンジェルリングの輝きが一定の「割り込み抑止効果」を発揮している側面もあるかなと思いますが。
次に違和感について書いてみようと思います。そもそもこのブログを書こうと思い立ったのは両車それぞれに感じる違和感が、私のACCに対する認識を大きく変えてくれたからなんですね。
最初に1年以上乗ってるレガシィの違和感から。
実は、先に結論を書いてしまうと、BMWのACCを体験してからは評価がほぼ180°変わってしまうのですが、最初にアイサイトに感じたのは「なんだか諦めるの早すぎない?」でした。
ACCが解除される場面としてはこんな感じです。
1.交差点を曲がったとき
2.小さなRを曲がったとき
3.低速で近接走行時に前走車が急にいなくなったとき(先行車両が素早く車線変更や道路外のコンビニ駐車場に入ったときなど)
4.前を走るオートバイが信号で停止直前に前の車の間をすり抜けていなくなったとき
5.西日が進行方向から当たるとき
こういう条件下では、piii~と鳴って惰性走行になり、エンジンブレーキがかかります。
システムが前走車を見失って制御をドライバーに返したと言う事になりますが、1~4については「もう少しがんばってほしいなぁ」と思っていました。
また、カーブの途中などでハンドルを少しでも切った状態だと、前車に追いつくための加速がとても緩慢になるし、カーブに入ると設定速度から減速をします。
まぁ、安全走行としてはまちがった制御ではないのですが、コーナーが大好きな私としてはカーブの度に(私にとって)不要な減速をしないで欲しいのになぁと感じていました。
次にBMWに乗って感じた違和感についてですが、正直に言って違和感と言うよりも「恐怖感」になります^_^;
レガシィで感じた違和感の1~4までをすべてあきらめずに粘るんですね。
最初は「いいね!さすがBMW!」なんて思っていたのですが、しばらく乗っていると1~4の状態を諦めないと何が起きるのかが分かりました。
1の場合、前の車について交差点に入るとき、先に前車が曲がってこちらが曲がろうとしている状態では、レーダーとカメラが前車を補足できない状態が出現するため、システムが「前に車がいなくなったぞ!さぁ設定速度まで加速だ!」と306馬力のエンジンがグワァッ!と加速を始めるのです!
BMWはハンドルを切っていても減速してくれないので、思ってもいなかったスピードで横断歩道に突っ込もうとします。これは怖い!
2の小さなRでも同じことがおきます。3でも同様に前車がいなくなった途端に豪快に加速を始めます。また4の状態でもバイクがいなくなったらグォッ!と加速します。
一番怖いのが4の状態であることはいうまでもありません。バイクがすり抜けていなくなると、わずか数m先にいる停車中の車に突っ込んでいく勢いで加速するんです。
これは2回経験して、最初の時は相当にびっくりしました。
2回目の時は、おっ、また同じシチュエーションだなと思いながら挙動を観察する余裕がありましたが、レガシィに乗っているときのようにシステムを信頼しきっていたら(つまりだらけて運転していたら^_^;)かなりの確率で追突していたと思います。
ここで、早くも総括です。
1年間レガシィに乗っていて、一度も怖い思いをしたことはありませんでした。
どちらかというと「あきらめの良いやつだなぁ、もう少し自動運転らしく振る舞って欲しいけど、まだまだだなぁ」と少しだけアイサイトにストレスを感じていたのですが、BMWに乗ってそのストレスの原因がすべて当時の技術レベルにおける「予防安全」のためなんだとはっきりと分かりました。
レガシィに乗っているときは「自動運転楽ちん!アイサイトがあればちょっとくらいよそ見していても大丈夫だよね~♪」なんて思っていましたが、BMWに乗って「車の運転は真剣にやらないといけない!ACC使っていてもよそ見なんて絶対にしてはいけない!!!!」と考えるようになり、レガシィに乗っていてもシステムを過信することはしなくなりました。
これは2014年式レガシィと2016年式BMWなので、もしかしたら最新の両車はもっと優れた制御をするようになっているかも知れませんし、これからさらに制御レベルは上がっていくことはまちがいないと思いますが、完全にLevel4が実現するまで「ACCは自動走行ではない!!運転するときは真剣に!!」ということを教えてくれたBMWに感謝しています。
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Posted at
2019/07/08 21:08:06