
私が試乗させてもらったのは、XDハイブリッドでexclusive sportsでロジウムホワイトです。担当同席でしたが、試乗はワインディング込みの1時間半もさせて頂けました。感謝です。
CX-60の第一印象ですが、乗り心地は従来マツダ基準と比較にならないレベルで素晴らしかったです!中でも外乱に対するシャシーとボディの振動吸収性が素晴らしいです(^^) 乗り心地は好みもあると思うので、もしかしたら若干硬質に感じる方もいるかもしれません。乗り心地の概念が従来マツダ車とは違って、すごく重厚です。
また、逆にいうと動き始め初期がクルマを重く感じます。シャシーはフロア剛性が高く、NVHも完全にCX-8よりもワンランク上です。(←バッテリーを床下に積む予定があるクルマはこの傾向が強い気がします)
車体全体の緩さがほぼなく大きな塊を動かしているような印象です。20インチですがバタつきは気になりませんでした。
気になるトルコンレス湿式多板クラッチの8速ATは、特に発進スタートは上手な人が運転するMT車のような感じです(先に回転が上がる)。2速以上のシフトショックはないことはなく、カツンカツンと変速していきます。DCTとも違った軽い変速感です。それとギヤ比がかなりクロス気味で、35キロくらいで4速に入ってたと思います。トルコンレス8速AT、これは人を選ぶかも…と思ったのが正直な感想です。
ハンドリングはとても素直かつスムーズで、交差点でもFF車のようにエンジンの横揺れもなくFR車らしく高級なメカニズムを採用していることが実感できます。フロント、リヤのがっしり感はアルミのショックタワーがいい仕事してそうです。ロールが出る前に車線変更ができてしてしまうので、まるで平行移動しているような身のこなしを体感できます。車体全体的にマスの集中化が図られている印象で、荒れた街中の路面やワインディングの上り下りでもどんな路面でも終始車体姿勢が安定しています。直6ディーゼルでも操縦性に前後左右の重量バランスが良く感じられ、強めのブレーキングで車体が前のめりしないのも好印象でした。日々の運転でもいいクルマ感を感じながら過ごせるファミリーカーとして使えそうです。
直6エンジンはやはり振動は少なめで(元々FR化で振動吸収性が高い)、滑らかな印象でした。めちゃくちゃ回転レスポンスがいいという印象ではなく、実直な反応するなというエンジンでした。モーターは結構な頻度でアシストしてくれ、8速ATを助けている印象です。エンジン音(燃焼音?)やモーター音は結構頻繁に聴こえてきました。もしかしたらあえて聴かせているのかもしれません。また、2トン弱にも関わらず結構速いです。0〜100km/hは確実にNDよりも速いです。
ブレーキフィールは従来マツダ通りブレーキの抜き方向コントロールが素晴らしいままです(反面初期の制動の立ち上がりが弱い)が、ハイブリッドだった為か停止直前の回生ブレーキ制御が少し気になります。ブレーキが電気(回生)→油圧と切り替わり少しスナッチが出てます。ブレーキペダルの剛性感は上がっており、効き自体も頼もしくなっている印象です。(ここはCX-8で気になっていたところ)
走行時のノイズ処理レベルも高く、タイヤノイズは聞こえなかったです。また風切り音も小さく、従来より空力レベルが確実に上がったことは実感できました。
車内の質感は個人的に文句なし(あまりこだわりがないのかも)です。フロントシートは最初板っぽく感じましたが、レザーシートだった為か徐々に体に馴染んできました。試乗後半では体に負担がかからない座り心地のいいシートだと思ってました。また、後席はCX-5同等で床が高くシートに沈む姿勢なので、少し狭く感じるかもしれないです。私の家族的にはこの程度の広さでもOKです。
総じて、新開発の機構ばかりのCX-60ですが、考えていたよりも完成度は高く感じました。もちろん、まだまだ完成度の上げしろはあります。個人的に気になったブレーキフィールもソフトウェアなどで改善されるかもしれません。トルコンレス8速ATは、少し奇抜な印象でこういった量産車でよく採用したな、と言うのが正直な感想です。ですが、今更の直6しかり、ダブルウィッシュボーン、5リンクマルチリンク、アルミダイキャストのショックタワー(前後とも)など大衆車としては非常に贅沢な設計であり、それら個々の採用意図すら伝わる非常に興味深い、運転を考えさせられるクルマです。私は日本車の走りの世界観を変えてくれるクルマだと感じました。やはりマツダさんは、変態だなぁ(褒め言葉)と思いました。
今回の試乗を斡旋して頂いたディーラー担当、関係者に感謝致します。
Posted at 2022/09/01 22:53:07 | |
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