ずーっとお仕事していたので、月初めという感覚はありますが、年が明けた、という実感は一切ありません。気が付いたら日付が変わっていましたが、それがたまたま2018年の最後だった、といったところでしょうか。季節感ゼロの男です。「平成最後の」という冠詞がアホみたいに流行しているにしては、かなりドライな感じです。
さて、去年はチャーリー号にとって二度目の激動の時代の幕開けでした。一度目は、前オーナー様がフレーム切ったりタンク着けたり色々塗装したり、という全体的に面倒な作業を行っていた頃です。その時代が過ぎ、何故そうなってしまったのかは分かりませんが、熱が冷めて次第に整備されなくなり、チャーリー号は廃棄されることになりました。不要バイク無料回収の業者に引き渡されたのです。
しかしここで運命の一ひねり。「カスタムがやたらかっこいい」という事で、この車両はヤフーオークションに出品されることになりました。この回収業者は、あるいはパーツ取りとして、あるいは現役で使用するために、回収したバイクを状態にかかわらず海外に輸出しています。その中でも目を引くものは、オークションにかけて販売していたのです。
ここに、ミョーなモノが大好きで、貧乏のくせにエンスー気取りの男が登場します。彼はバイトでためたお金で約半世紀前の車を買ったのですが、悪い車屋さんに騙されて、致命的な故障を負った状態で車両が届きました。なんとか走れるまでに修理したものの、そこはあまり知識のない素人のやる事。初めての車検の際に専門店に修理を頼んだところ、とても長い期間預けることとなり、1年半が過ぎようとしている今をもって、まだ車は戻ってきません。
彼は、キャブレーターの整備もロクできないくせに旧車を買ったことを恥ずかしく思うと同時に、車が戻ってくるまでの間に車の整備方法について勉強しようと決意しました。知識を身に着けて、一回り成長した状態で車を迎えようと考えたのです。
一時期は自転車をモペット化するための50㏄エンジンのキットを購入しようとも考えましたが、ある日ネットオークションを見ると、そこに一見かなり古いように見えるバイクを見出しました。タイトルを見るにそれはスーパーカブなのですが、その面影はほとんどなく、フロントフォークの形状からそれと判断できるくらいでした。
以前からスーパーカブのカスタムがマニアの間で流行っている事は知っていました。しかし、彼の思い描いているカスタムカブの、どの事例にも似つかないそれに妙に惹かれました。彼は試しに25,000円まで入札し、様子を見ることにしました。
終了10分前まで、15,000円で停滞していましたが、終了間際に競りに参加する者が出てきて、結局価格が吊り上がりました。そして最終的に、25,000円で落札されました。彼は生まれて初めて二輪車を手にしたのです。
彼はこのカブに、自転車パーツを多数流用していることから「チャーリー号」なる名前を授け、前オーナーが止めてしまったカスタムを継続することに決めました。はじめのうちはエンジンのかかりも悪く、パーツ取り車のような状態でした。しかし彼はもとより勉強するつもりで買ったのです。車の時には替えのパーツが手に入るか判らなかったので手を出せなかった部分にも、カブであればダメもとで挑戦できます。彼はキャブレーターのオーバーホールに挑み、そして見事冬場でもキック一発でかかるまでに仕上げました。
走れるようになった、という事は、走りに関係のない部分にも堂々と手を出せる、という意味です。彼は自分の思い描く最高のバイクを再現することに腐心しました。
そして今、チャーリー号はほぼ完成に近づいております。細かい部分にこだわればキリがありませんが、大まかな形はこれが完成形でしょう。それでは、2018年のチャーリ号のチキりのおさらいをしましょう。
一番最初に取り付けたのは
リアウィンカーでした。左側が欠品だったので、公道を走るには必須の要素です。
取付用ステイの形状が、純正と交換するのを前提に作られていたので、
「ステイ用のステイ」を作りました。
ホワイトウォールはアクリルガッシュで塗りました。思えばこれが「グッドフェラス」との出会いでした。
そうそう、自転車のチューブで
盗難防止用のチェーンロックも作りましたね。
サドルを低くしたい、との野望から購入した通称
「変態サドル」。短命でした。
レザーグローブは革手がベースでした。なんだかんだでこれが一番丈夫なんですよね。
変態サドルの乗り心地が素晴らしすぎて、恍惚の世界へまっしぐらだったので、
ハンモックサドルに交換しました。
もっとも印象が変わったチキり。
サイクルフェンダーへの交換は英断でした。これに変えるだけで見た目がかなり良くなりました。
リアフェンダーは様々なパーツを取り付けるベースになっていたので、交換が難しく、結局
塗装を剥離することにしました。これは辛い作業でした。
あると便利な
サイドバッグ。ヤフオクでは商品を1円で出品しておきながら、送料に商品の代金を上乗せして売る、という悪質な商法が蔓延っていますが、こちらのバッグは海外オークションで購入。送料込みで566円でした。どう考えてもお店は赤字です。
バッテリーカバーは仮設用に作りましたが、これで完成でいいんじゃないか、という仕上がりになりました。
そして2018年の最後は、
タイヤ交換でした。普通なら10分程度で終わるはずの作業でしたが、思わぬ大苦戦でした。
それでは、チャーリー号のチキりの感動のビュフォー・アフターをご覧ください。
~ビュフォー~
一番最初に見た時には、「何だこのバイクは!!」と思ったものでしたが、見慣れるうちにいろんな部分の隙間が気になりだし、何となく各パーツが外側に分散しているような印象でした。
~アフター~
何という事でしょう。フェンダーは低くなり、エンジン周辺部の隙間は上手い具合に隠され、垢ぬけた感じになりました。全体的にまとまってきたように思えます。
~ビュフォー~
シンプルです。これはこれでカッコイイのです。でも、なんだかカスタム途中みたいな感もぬぐい切れません。
~アフター~
フロントはさして変わりませんが、リアビューは大型化されたウィンカーとその上に重ねられたリフレクターにより、迫力が増しております。また、ハンモックサドルによって、乗り心地を保証しながらも座面を下げ、薄型なのでシャープな見た目に変わりました。
~ビュフォー~
チャーリー号はやっぱりこの角度が一番かっこいいよね~。
タイヤが太くなった分、もっとカッコよくなりました。別にローダウンもインチアップもしていませんが、ワイルドかつ好戦的な表情です。
それでは、今後の課題について思いつく限り羅列し、2019年の幕開けといたしましょう。
・スイッチ類の接触があまりよろしくなく、ヘッドライトのハイ/ロー切り替えがうまくいかない事がある。
・先日バッテリーの接触不良が起こり、電気の供給がストップ中。エンジンをかけてさえいれば問題ありませんが、光量が落ちたのと、キーを入れた際にニュートラルランプが点灯しないのが気になる。
・キャブのアイドルスクリューを、グローブ装着中でも回せるようにつまみのついたものに変えたい。
・ゼッケンプレートを付けてもいいかもしれない。
・今気づいたんだけど、フロントウィンカーの高さが左右で違う気がする。写真のせい?
・エンジンガードのバーを着けたらフロントの顔つきがたくましくなるかも。でもどうやって?
・ホイールの色が気に入らない。全剥離するか、それとも交換するか。フロントのリムが朽ちているから交換かな。
・とってもおカネが掛かるけど、フロントフォークを松葉型にしたい。
・黒とか赤とか、ソリッド系の色にオールペンしたい。
…とまあ、こんな感じでしょうか。電装系の修理は早いうちにできそうです。今度ヒマな時にでもやりましょう。それにしてもチキりの難易度がかなり上がってくることが予想されます。自作、代用といったイマジネーションが続く限りのズルをするつもりですが、今年は模索の年になりそうです。ヘイヘイホー。
…与作か。