サンバーの追突事故により、「代車レンタカー」で手元にやってきた
スズキ パレット。
両側スライドドアを持つ、スズキの即戦力車。
代車で来たのは、前期型の「4AT」のオートマタイプ。
現在はすべてCVTになっている。
軽自動車の枠を超えるような「広大な室内」は、「すごいなぁ」の一言。
乗り心地も、普通に走っている分には全くケチを付けるところはない。
「走り」
K6A型の、スズキの伝統的エンジンを積むパレット。
ワゴンRなどの幅広いラインナップに積まれている。
直列3気筒、DOHC12バルブVVTで、54馬力。 最大トルクが6.4kg・m。
それに920キロを超える車重を持っている。
お馴染みのエンジンのため、ワゴンRなどに乗った事がある方は、
「新鮮味」はないと感じるはず。
エンジンをかけた瞬間から、「コレコレ」という感覚があり、
走り始めても「うーん、スズキ」という感じ。
パレットに乗っても、ワゴンRでもラパンでも、
「パレットに乗っている」という「ならでは」のフィーリングがないのは、
「スズキ」の特徴に近いモノがある。
結論から言うと、「パワー不足」は否めない。
特に「登坂」には、かなりの弱点を持つ。
山に住んでいる方には、正直向かない。
ストレスがかなりかかるし、エアコン・オンの時は「登坂」はかなり厳しい。
ファーストカーにするには、男性はもちろんの事、女性にも「ターボ仕様」を
オススメする。
しかし、平坦の道では「追い抜き」などをしない限りは、「普通」に走れる。
チョイノリでは、快適そのものだった。
乗り心地は、普通車に近いほどの完成度を持っている。
タイヤ幅の関係と、車高のバランスで、「フラフラ」する感覚は少しあるが、
これはよくセッティングしてある。
思い切りステアリングも切ってみたが、良い足回りだった。
ただどうしても「タイヤが細い」ので、限界値は低いけれども、
普通に走っている分は、本当に問題ない。
「インテリア」
よくバランスしてあるなぁ というのが第一印象。
質感も、リッターカー並と言っていいと思う。
ドア側の肘掛けにも、ファブリック調の生地を使用していて、
肘をかけても快適。
この部分に「プラスチック」を使用しているクルマが大半の中、
このドア部分にファブリックを使用するのは、好感が持てる。
ガラス面積も広大で、視界は良好。 三角窓?の部分も見やすい。
ワイパーの面積も広大で、雨の時でも拭き残しがないほどの
ワイパー長を持っている。
スライドドアも使いやすく、しかも両側。 開口幅は580mmあり、最大級。
後部座席は「どうだ!」というほどの広さ。
最大にスライドシートを下げると、足元は全然余裕に足を組める。
しかし、その分「荷室は最大級に狭くなる」のは、
パレットというより、軽自動車の「弱点」になる。
インテリアの欠点と言えば、後部座席のドリンクホルダーは、
「後ろすぎ」である。
後部シートを最大に下げても、後ろ過ぎていて、
少し前に移動してしまうと「ドリンクホルダー」は隠れてしまう。
そして、後部窓が「半分までしか下がらない」という欠点もあった。
タイヤハウス部に干渉しているからしかたがないが、
広大な面積を持っているため「余計に目に付いてしまう」部分でもあった。
あと、現在はCVTなので問題はないだろうが、
4ATの場合、「メーターのODスイッチが目立たなすぎる」という弱点もあった。
シフトポジションは大きく出るのだが、
オーパードライブのスイッチが、脇に「小さく」しか出ないため、
しかも同化している色を使用している事もあって、
どこに表示しているか分からなかった。
女性の場合「オーバードライブ」自体「意味が分からないで乗っている人」が
かなり多いため、こればかりは不親切。
スイッチを触ってしまって、ODをオフにして走ってしまう事は、
女性の場合は、かなり多い。
オーバードライブがオフになっていると、4速のオートマが「3速」までしか
上がらないため、キビキビ走れる事にはなるが、
燃費に影響してくるため、色を変えるなどの表示の気遣いが欲しい気がした。
あと、こればかりは「好み」になるが、
どうしても「ウインカーの音」には慣れる事が出来なかった。
最近はあの音質が多いが、好みとはいえ、私は慣れる事が出来なかった。
「総評」
全体的には「マル」である。
ただ、私が買うか? といえば、答えは「ノー」である。
「所有満足感」が、個人的に得られないのと、
「これといった特徴」がないためである。
たぶん、私は乗っていて飽きてくる。
この値段を出すなら、いくら維持費が安いと行っても、
1.5クラスまで手を伸ばす事になると思う。
軽自動車という枠なら、サンバーやバモスなどの箱形の方が
荷室も広いので「使い勝手」が優れている。
「軽自動車もここまで出来ます」というアピールは大変良いと思うのだが、
「安全面」も含めると、このタイプを買うならば、
リッターカーでも良いのではないかと思えた印象だった。