平成11年3月に、軽自動車の新規格、一発目のミラをベースに発売された
「ミラジーノ」。 L700系と呼ばれる初代は、平成16年11月まで
販売され、本家のミラの7割を占める売り上げを誇った初代ジーノである。
全車3気筒モデルのジーノは、4駆などで3速オートマが存在したが、
マイナーチェンジ後はすべて4速オートマとなっている。
特筆すべきは、マニュアルギアが存在しており、ターボで4駆/2駆を選べ、
ホットなグレードがしっかり存在していた。
ほとんどのグレードが5ドアなのだが、一時期、3ドアも存在しており、
この3ドアとターボ、そしてマニュアルギアというモデルが希少ではあるが
存在し、プレミアとはいかないまでも高値を推移している。
この初代はファンがいるためか、良いタマだと100万前後のモデルが
現在でも存在している。
「和製 ミニ・クーパー」と言うべきか、パクリと言うべきか、
ネット上などでも賛否両論だが、「欲しい」と思ったら、関係ないと思う。
可愛いモノは可愛いでいいのだ。
ディーラーオプションも多数あり、盗まれやすいパーツもあるので注意だが。
さて、走りから♪
エンジンは、全3気筒。 ターボがDOHCで64馬力。 NAが58馬力。
ノーマルは7600回転で馬力を出すセッティング。 3気筒という事も
あってか、高回転まで回るようになっている。 ターボは6000回転。
特筆すべき点で「軽さ」である。 今の軽自動車が800キロ台後半が
主流なのに対して、 このジーノは780キロ前後。 軽いのだ。
この軽さは、タイヤ、ブレーキなどの消耗品が減りにくいことも勿論だが、
燃費にもいい影響を出す。 ターボなしだと15以上はいくようだ。
ターボ付きでも、おとなしく走れば15はいくみたいである。
NAのモデルが一番市場に流れているが、軽いとはいっても、
リッタークラス以上に乗ったことがある人なら「 遅い 」と感じてしまう
のは間違いない。
しかし、ムーブ等の高さがあるタイプの軽自動車が主流の中で、昔ながらの
ハッチバックタイプは、コーナーなどを曲がる場合、軽快に曲がれる。
ハンドルを切って楽しいという感覚が、しっかり残されている。
ストレス無く、速くて楽しいのを望むなら、燃費を犠牲にしてもターボモデル
にしたほうが良い。 フツーに乗れれば良いという方は、ノンターボがいい。
特に、買い物の等の近距離使用なら、燃費の良い方が良いだろうと思う。
デザイン重視で、ミニライトスペシャルが良いのでは♪
ミニライトとは、名門のアルミホイールの名前だ。
この車に乗りたい方は、この点は「味がある」と思っていただきたいのは、
3気筒エンジンから来る「振動」だ。
低走行のジーノはさほどしか感じられないが、
多走行のジーノは、少なからずエンジンマウントがヘタっているはずなので、
さらに振動は大きく感じるはず。 ハンドルやギアに少なからず振動が
来るはずなので、これは「味」と思っていただきたい。
これを短所と思うのなら、新型を選んだ方が良いと思う。
一点、女性の目から見て残念なのは、マーチなどの女性を意識して作られた
車より、ハンドルが重いということだ。
男ではそんなに感じないかも知れないが、少なくともスバルの軽自動車より、
特に停止状態からハンドルを切る場合、2倍近く重い気がする。
次にインテリア。
今現在発売されているスバルのR2と比べてみたいが、
座った感じで違和感が少ないのは、完全にジーノである。
座った感じにクセが無く、天井の高さも手頃。 後部座席も同じで、
客が座ってもクレームが飛ぶことはないだろう。
さらに、前席シートの頭部分、ピローを外してもらうと見晴らしが良くなる
点も好ましい。 ジーノなら似合うかも知れない。
一方スバルR2は、包まれ感が強い。
見方を変えれば、事故を意識した時に安全かもという感覚があるかも
知れないが、特に後部座席は閉鎖感が強めだ。
R2の後部座席が閉鎖感を強く感じてしまうのは、窓の面積と、前席のシート
が大きめに出来ているせいで、前方の見晴らしが悪いせいである。
助手席・運転席に座る場合は、大きめのシートのせいで軽自動車にしては
座り心地が良いのだが、そのしわ寄せは後部座席の乗員にきている。
ジーノに座って感じるのは、ボンネットの見切りが素晴らしいこと。
これは女性が乗るにしては最高のポイントだと思う。
ボディーが小さいので、運転慣れしていない女性でも、狭い道は怖くないと
思えるはずである。
R2は逆。 ボンネットの先は見えない。
個人的には慣れるもんだと思っているのだが、買おうと思っている人は
不安材料の一つになるだろう。
積載は、あまり出来ない。 そりゃそうさ、あの形で積載を望むのは・・。
安全面は、軽自動車としては良いが、軽自動車で安全面を語るつもりは
あまりない。 真っ正面からミニバンが突っ込んできてはひとかたまりもない。
軽自動車の安い経費で維持できるメリットがある変わりに、
事故にはあっという間だ。
普通車でも、正面からぶつかってしまえば死に至る確率は高い。
さらに100%の死に近づく確率が高いのが軽自動車ということになる。
軽い事故でも自爆でも、フレームが近いためにすぐ事故歴になってしまい、
修理費も事故ってしまえば、買い替える方が安くなるのが軽自動車の特徴。
「強めの当たり」にはいろいろな面でめっぽう弱いのを憶えて頂きたい。
購入前の注意点は、マイナーチェンジ後と前では、インテリアの変更点が
特にある。 メーター回りとシート。
後期のライトスペシャルなどは、レザー調のシートになっていたり、
ハンドル含めたウッド調のインテリアの仕様があったりと様々。
マイナー前は、レザー調のシートはないので比べていただきたい。
ただ、レザー調は通気性がイマイチの材質をしているので、
背中に汗をかきやすい。 熱い夏はきついはずだ。 冬は逆に冷たい。
見た目は良いけど♪
それと、マイナー前の4駆のオートマは、3速が存在するので注意。
できれば4速オートマの方が良い・・と言いたいが、ギアの変速ポイントが
どうも納得出来ないところもある。
「 おい、ここで4速にあがるか? 」という点が多々ある。
まぁ、個人的にCVTより、普通のATの方が楽しく走れるから好きなんで
すけどね♪
ちなみにこのジーノ、1000ccモデルも存在する。
平成14年から2年間、約1200台ほどしか売れなかったモデルだ。
白ナンバーのジーノを見たら驚かないで欲しい。 ラインナップに存在する。
外側はちょっとモールなどを足して伸びているが、サイズは軽のジーノと
一緒。 インテリアも同一である。
この1000ccは、当時のストーリア、トヨタ・デュエットの1リッターと
同じモノ。 ターボと同じ64馬力を発生する。
ターボだと燃費が悪くなるので、1000ccを出したと聞くが、実際は
ターボより悪いみたいで、矛盾さが全開である。
13キロ以上いかないという噂である。
実際乗ってみると、トルクが厚くなったから乗りやすいとは聞くが、
正直慣れてしまえばターボでも乗りやすい。 「慣れれば同じ」である。
実際問題、保険も税金も高速道路も、1000ccはすべて高くつく。
正直、高速道路も外側が一緒なのに軽自動車割引が出来ないのはどうだ?と
感じる。 いっそ、サイズや重量で決めればいいんでないか??と思う。
これでは1200台しか売れなかったのも分かる。
たぶん、ダイハツやスズキは、海外に軽自動車を輸出する時に1000ccクラス
エンジンに載せ変えて輸出するので、これを日本で売ってみようという試み
だったのではと思うが、法律が変わらない限りヒットしないだろう・・。
しかし、私はあえて1000ccを狙うと思う。
希少価値もあるが、1000ccで780キロの重量、速くはないが64馬力
は魅力だ。
軽自動車でミラジーノが存在しているから不満も出るが、
ダイハツはミラジーノを軽自動車で販売せず、ストーリアも出さずに
ミラジーノを1000ccと1300ccで新発売していたら、
ストーリアより売れたのではないかと思う。
軽自動車でミラジーノがあったから売れなかったのだと思う。
だって、マーチのK11の1リッターより軽いし、馬力もある。
室内は確かにマーチの方が広いが、リッタークラスを出した後に、
軽自動車版でミラジーノを出した方が良かったのかも知れない。