1992年1月24日、日産から発売された名車。
それがK11型 2代目マーチである。
日産を苦境の時も支え、コンスタントに売れたドル箱カー。
この2代目が発表された時、「10年は作り続ける」という日産側の
公言がしっかり守られ、10年後に現行のマーチへバトンタッチされた。
初代K10のマーチも、9年3ヶ月生産された名車。
「マッチのマーチ」というキャッチコピーで大ヒットしたが、
K11のバトンタッチは、プラットフォームは勿論、エンジン、ミッション、
すべて一新されたモノだった。 CVTだけはスバルからのOEMだったが、
大きな話題になった。
日本車の場合、モデル中期のマイナーチェンジの後はほったらかしという
構図の多い中、K11マーチは欧州車のようにほぼ毎年改良か追加モデルを
出し、特に発表から7年後の99年秋に、異例とも言える大幅な改良を
施した。 これが初期型・中期型・後期型と区分される後期型へのスイッチ
時期で、外装・内装のリファインだけでなく、エンジン、ブレーキ等の足回り、
ハイパーCVTに変更になるなど、大幅な改良が施された。
後期型は、1リッターが58馬力→60馬力へ、1.3リッターが85馬力に
なり、6馬力アップした。 もちろんトルクも同様にアップしている。
外装では、ヘッドランプがマルチリフレクター化され、リアランプも奥行き感
のあるタイプに変更された。 しかしこれは、簡単に交換できるため、
中期型のモノを後期型のランプに変更している車体も結構多く存在している。
ある意味マーチの凄さをを感じるのは、デビューしてからこの時期に
月産台数の新記録を出した事である。
当時トヨタからスターレットに変わりヴィッツが登場し、コンパクトカーが
激戦区になり始めた時だった。
少なからず、ヴィッツと比べれば機能面等で劣っていたが、
個人的には、エンジンと足回りは、マーチの方が上だったと感じる。
この後期型、強いて言うなら、重量だけ数10キロアップしているため、
軽さで言えば初期型・中期型の方が軽量に出来ている。
そのため、エンジンも数馬力アップというリファインを受けたのかも知れない。
個人的な好みは、中期型のデザインが好きであるが、インテリア等の使いやすさ
は、後期型がやはり上。
特にカップホルダーはドア側へ移動され(*後期型・00年改良時に変更)、
使いやすさが増している。
K11マーチはグレードバリエーションが、期間限定車も含めると豊富で、
コレット、A#、G、G#、アウトストラーダ、Mia、
ボレロ、ルンバ、ポルカ、タンゴ(通称・マーチ舞踏曲シリーズ)、
ムジカー1000(無印と提携)、カブリオレ、マーチBOX、光岡ビュート
など、まだもう少しある。
ある意味、初代キューブもマーチからの派生車種と言っても良いくらいである。
ウチのマーチはGというグレード、いわゆる1リッター3ドアの
スポーツタイプだったが、1.3リッターのスポーツタイプは
5ドアのアウトストラーダと、3ドアのG#である。
この2グレードのマニュアル車だけは、現在でも高値で推移しており、
少なくとも普通のマーチより20万以上高値、40万から50万で推移して
いる。 見方を変えれば、この値段でも売れるためである。
マーチで走りを楽しみたいなら、1.3リッターの方がいい。
1リッターモデルと「かなり速さが違う」のである。
これは私も驚いたことだったが、乗り比べなければ感じることが出来ない
けれども、すべてにおいて1.3の方が余裕がある。
1.3リッターモデルはスタビライザーも装備されている。
1リッターもだが、マーチのエンジン・C G型は、
上までスカッと回る。足回りもピターッと付いてくる。
しかも構造が単純なので、いじれば簡単に速くなる要素を持ち合わせており、
楽しさは無限大に広がるのも、K11マーチの最大の長所であるかも知れない。
ちなみにオープンモデルのカブリオレだが、乗ったことがある。
気軽にオープンを楽しめる現在の安価モデル。
幌が高いのが難点だが、ほぼ2人乗りの現行マイクラより良いと思う。
それは後部座席も普通に乗れるため、4人が快適なオープンクルーズが可能
と言うこと。 ドライバーも良い開放感が得られ、幌の開閉も電動である。
私の会社に少し余裕が出てきたら、嫁には内緒だが、マニュアルの
アウトストラーダの良いタマが出たら購入しようかとも思っている。
そんなことを考えているのが日本中にいるようで、中古車市場に
アウトストラーダかG#の中期型・後期型が出回ると、すぐ売れてしまう。
デザイン的もそうだが、タコメーターが付いていることも大きいのである。
コレットやMiaには付いていないのだ。
K11マーチ、弱点もある。
とりあえず、オートマのCVTギアのトラブルは、それなりに多いと聞く。
スバルからの電磁クラッチ摩耗等によるものだが、後期型のハイパーCVT
でもトラブルが多少あると聞く。
ウチのマーチはトラブルは無かったが、不安なら通常の4速オートマの方が
無難である。 こちらの方を、特に女の子には勧めたい。
あとは、ドアヒンジの弱さがある。 ドアが下がりやすく、ヒンジが弱っている
マーチは、閉める時にバホンとなるはずだ。 これは、事故車とかではなく、
K11マーチの持病と思って頂きたい。
ドアの重い3ドアの方がドアが下がりやすいのは、ご想像通り。
その他、リアハッチは今の巷に溢れるハッチバックと違い、
室内のレバーか、キーでしかリアハッチは開けられない。 今となっては
不便なのだが、このハッチのダンパーがヘタってくると、
リアハッチを室内から開け、運転席のドアを閉めると、その室内圧でハッチが
一瞬持ち上がり「ハッチが閉まって開けられなくなる」という現象が起こる。
この時ほどガッカリすることはない・・。
その時は肩を落とし、また運転席下のレバーを上げに戻るのである・・。
このリアハッチが、軽いことが、良くも悪くもこの現象を起こす。
色々書いたが、昨日K11マーチと別れて綴りたくなった、それだけである。
名車だったなと感じることが、やはり街中を見ると、
当時のトヨタ・スターレットより、マーチの方が圧倒的に現在も走っている
ということ。
今も乗ると感じると思う。
「 車はこれで十分だな 」 と。