写真は、愛車紹介のCD90フォトギャラリーにあります。
ホンダ・ベンリィCD90は、80年から2001年まで販売されていた
ベストセラー・ビジネスバイクです。 排ガス規制で生産終了しました。
CD50は、それからしばらく排ガス規制に対応させて生産されました。
87年式から6Vから12Vに変更されていますので、
購入の際は、維持費の面や、普通に乗る事を考えると12Vの方が
良いでしょう。
タンク横のラインが、レッド・ゴールド系であれば92年以降のCD90です
ので、狙うならその辺りだと思います。
私のCD90は、94年~98年までの年式のCD90です。
HA03E・空冷・4サイクル・OHC・単気筒 のエンジン。
馬力 7.1/7,500 トルク 0.75/6,000 車両重量85キロ。
一方、排ガス規制後(キャブ)のスーパーカブ90は、
HA02E・空冷・4サイクル・OHC・単気筒 のエンジン。
馬力 7.0/7,000 トルク 0.79/5,500 車両重量86キロ。
さらに、エイプ100、規制前(旧キャブ)のモデルは、
HC07E・空冷 4サイクル・OHC・単気筒 のエンジン。
馬力 7.0/8,000 トルク 0.71/6,500 車両重量87キロ。
カブ90は、3段リターン式。
走行中は、3速の上のニュートラルは入らない。
自動遠心式クラッチのため、クラッチレバーはない。
CD90は、4段ロータリー式。走行中は、4速以降、
幻の5速(ニュートラル)に入ってしまうので、注意が必要。
カブと違い、クラッチレバーあり。
エイプ100は、5段リターン式。 クラッチレバーはある。
上記で見ると、カブよりCD90の方が高回転で馬力を発生させている。
馬力は、CDの方が0.1馬力ほど上、一方トルクは、カブ90の方が厚い。
この3車では、エイプが高回転で馬力を発生させるエンジンのようだ。
トルクが多少劣るので、3車の中では、登坂などはきつい感じか。
乗り比べてみると、その差はわずかに感じられるが、比べてみないと
分からない程度と記載しておく。
CDは、エイプ同様、左ハンドル集中スイッチ。
ウインカー、ライトHiLO、クラクションが並ぶ。
チョークは、エンジン左側に付いている。 カブみたいに、ワイヤで引っ張って
左ハンドルの所にチョークレバーが来てもらえれば楽なのに・・。
★ 走り ★
この3台、エンジン形式が違うのが見て分かる。
CD90は、極論の言い方かも知れないが、「モンキー・エイプ系」と
エンジンを回したフィーリングは、ほぼ同じと言っていい。
マフラーが違うので、音質は違うが・・。
これまで、私が長年いろいろなバイク屋さんから言われていたのが
「カブと一緒」という言葉。それを先入観として持っていた。
それを、思い切り良い意味ではあるが、裏切られた。
何が一緒なのか、よく分からないが、全然違うのだ。
カブ90とCD90を同時に所有しても、ハッキリ言って楽しめる。
カブ90と比べながら、初めに走りの面でインプレッションしてみる。
CD90は、クラッチ付き4速ロータリー式。
カブ同様、踏み込み式で、革靴などを痛める心配がない。
つま先でシフトアップ、かかとでシフトダウンする。
カブは走行中、トップギアより上、つまりニュートラルに入らないように
なっているが、CD50・90系はトップギア4速の上、ニュートラルに
入ってしまう。
有名な「幻の5速」と言われるもので、ニュートラルに入ってしまったら、
速やかにかかとで4速に戻す事。
ここで、つま先でギアを入れてしまうと1速に入ってしまうので、
エンジンが逝くほどのエンジンブレーキがかかって
転倒する危険性もあるので注意して頂きたい。
思いのほか「やってしまう」ミスなので注意です。
特に、サクッと軽くギアが入る。
カブのようにガッチャンと入る感じではない。
エンジンをかける際は、ニュートラル状態で、「クラッチレバーを操作せず」
キックを蹴る方法。 クラッチレバーを握ってしまうとエンジンはかからない。
セルはない。
ここで注意、CDにはセンタースタンドとサイドスタンドが装備されているが、
サイドスタンドにセンサーが付いているために、スタンドをかけたまま1速に
入れてしまうとエンジンが止まってしまう。 ニュートラルはOK。
サイドスタンドランプも装備されている。
今のバイクには当然の装備だが、実はスーパーカブには装備されていないだ。
新聞・郵便屋に対応させたためだろうが、
ギアが入ってもエンジンストップしないカブに慣れてしまうと、
急にエンジンが止まってとまどう。。
走り出してみると、モンキー・エイプ系と同じフィーリングというのが
すぐ感じられると思う。
振動も、カブより少なめに感じられる。
カブのワイドギア比の3速と比べると、CDは4速のためにクロスしている。
1速は33キロまで、2速は53キロまで、3速73キロまで、
4速73キロ以降という守備範囲。 グロスではありますが・・。
この範囲を守らなくても、50キロ付近で4速に叩き込んでも余裕で加速する。
ちなみにカブ90は、1速が25キロまで・2速が50キロまで・以降3速
なので、特に1速がCD90の方が引っ張れる。
この5キロちょっとの引っ張れる効果は、意外な程大きい。
スタートからの出だしが、カブよりも非常に楽なのだ。
カブ90は、1速のギアバンドが狭すぎるのが理由の一つだ。
最高速は、80キロまで確認したが、たぶん85キロ程ではないかと思う。
中古とはいえ、整備されているエンジンのため、回り方がカブより軽く感じる。
車体はカブより1キロ軽いだけだが、もっと軽く感じた。
ギア比の関係が出るのは、スタート付近から50キロまでが躊躇に感じられる。
カブが25キロまで引っ張れるが、CD90は33キロ付近までいけるため、
早めにシフトチェンジする必要があるカブ90の方が、遅れを取る。
運転していても、1速がワイドになっているCD90の方が走りやすい。
しかし、互いに50キロ付近でチェンジする3速以降の伸びは、
カブ90に軍配が上がる。
50キロを超えてからの伸びが、カブ90の方が明らかに速く、伸びが良い。
50キロから、MAX85キロ付近に達するスピードは、カブ90に軍配が
上がるだろう。 ノーマルのスプロケ比も関係している。
CD90は、基本的な道路は3速までで事が足りる。
4速はオーバードライブの役割に近い。 4速に入ると伸びも悪い。
回転数を下げるための、燃費走行に使うのが4速の役割という感じ。
競争したとすると、スタートから50キロまではCD90が有利で、
以降のMAX85キロまではカブ90に軍配が上がるため、ゴールのタイムは
同じくらいの気がする。
カブと比べての短所は、ハンドルの切れ角があまりないという事。
そのため、停止状態でクルッとUターンしようとすると、カブより最小半径が
大きいことになる。 走行中では全く問題はない。
ただこれらは、「慣れ」でなんとでもなる事。
カブと比べての、それだけの事である。
エイプ100と比べれば、わずかだが、エイプ100の方が速い感じ。
馬力はCD90方が上で、軽さもCD90の方が軽いのだが、
10ccの排気量の差が「わずかの差」を感じさせる。
あとは、カブ90の方が運転は楽である。
左手でクラッチレバーを操作する必要が無く、3速のカブの方が楽だった。
★ 乗り心地 ★
カブ、エイプと比べると、乗り心地は一番良い。
サスペンションと分厚いシートの恩恵が強い。
カブもエイプも、前傾姿勢で乗るという感じではなく、ほぼ全体重が
シートに乗っかるという形になる。
そのため、シートの柔らかさでケツへのダメージが左右される。
その中でも、CD90は100%直立した
形でまたがるというスタイルのため、シートを厚くする必要があったのだろう。
カブやエイプは、長時間乗るとケツにダメージが来る。
カブよりも、すごく自然なスタイルで乗る事が出来る。
CDシリーズの最大の長所ともいえる。
ハンドルの高さ、シート位置・クッションの柔らかさも含めて絶妙なのだ。
CD90Sというスポーツモデルもあるが、シートが薄いので、おしりが
痛くなる。 ただ、ビジネスタイプのCD90と比べると、前傾姿勢が多少
強いため、ケツの痛みは腕に分散されるため、軽減されている。
純正オプションの、タンデム用・ピリオンシートを装着した。
これは、非常に乗り心地がよい。 CD125と同じホンダ純正パーツに
なるが、ナイスな商品。 ヘタなダブルシートより座り心地が良い。
ただ、かゆくなる感じの微振動はくる・・。
これは、シートでなく、バイクが原因・・・。 90ccですから。
このCD90を購入すると思った時から、タンデムシートは装着するつもり
だった。
なにせ他2台は、タンデムが出来ないのだ・・。
カブはボックス付けているし、ライブディオZXは60cc登録にしているが、
シートが1人仕様なので法規に引っかかっている。
さらに、レッグシールドを追加した。
カブよりも、風防効果は薄い。
理由は、エンジンとレッグシールドの間にすき間があるためだ。
カブはすき間のないレッグシールドになっている。
こういう点から見ても、カブはよく考えられている。
しかし、そうだとしてもCD90のレッグシールドは、ないよりは全然マシ。
雨の日などは、下半身に対して、確実に濡れる具合を軽減してくれるし、
防寒効果もある。
これを付けた事により、警察風なバイクになった事は否めないが、
わたしは、このスタイルが「CD90」だと思っている。
ちなみにカブに付けている風防は装着しなかったが、やはり風防の効果は大きい。
さすがにこの時期、「寒い」。
でも、付けると少し格好悪い気もするので、装着しなかった。
★ 総評 ★
カブ90などに目が行きがちのユーザーは、CD90というバイクも視野に
入れて貰えればと思う事が多い。 忘れられがちのバイクなのだ。
同じCDシリーズの「ベンリィCD125」は、オークションでも
依然高値を推移している。
発売中止になった時から、クラシックなデザインが注目を浴びている。
空冷・4ストローク・OHC直列2気筒エンジン 360°クランク同爆点火の
2本出しマフラー。 HONDA創生期からの伝統である。
通称「パラレルツイン」の独特な排気音を「ホンダ・サウンド」と呼ぶ人も
いるほど。
ただ、個人的に思える弱点が、140キロという重量の「重さ」である。
馬力は12馬力。 「暖気時間」も長い。
レッグシールドを外して「SR風」に乗る人も多いが、
私は個人的にレッグシールドが好きなので外さないと思う・・。
CD90でわざわざ追加発注したくらいなので。
CD125に惹かれた時期もあったが、どうしてもあの重さが「う~ん」となり、
『50ccモデルと同じ車格で、90ccエンジンを積むCD90」という
コンセプトが自分に合っていると思った。
軽くてキビキビが、通勤などにはベストである。
ツーリングはCD125の方が楽でしょう♪
原付2種、小型というのでしょうか、今は。
このタイプのバイクは、今はほとんどスクーターしかない。
しかも、そんなにバリエーションがない。
ホンダ、ヤマハ、スズキの100~125スクーターは存在するが、
スロットルを回しているだけのスクーターで良いのか!? と、問いかけたい。
「ギア付き」は楽しいぞ♪ と。
再び言わせていただくと、カブ90もいい。エイプ100もいい。
ちょっと待って、CD90もあるよ と・・。