2008年01月09日
とある映像会社の代表をやっている身と致しまして、
さらに学校で教えている身でもありますわたくし。
春に入ってくる新入生が、聞いてくる質問の中に出てくる言葉があります。
「モザイクを取る機械は、実際取れるんですか?」 と。
この道を目指すのなら、モザイクの原理は?と聞いてもらいたいところ・・。
わたしは装置を見たことはないですが。
現在のハイテク機器を駆使しても、見えやすくなることはあっても、
「除去」「取る」ということは出来ないはずです。
ですから除去装置と名乗るのはどうかとは昔から思っていました。
原理的に反転処理とかいろいろあるのですが、難しくなるので違う例で少し。
細かく言えば原理は違うんですが・・まぁ例えで言うとです・・。
皆さんの一般家庭で、見たい番組をVHSに録画して、見終わったら
「重ね撮り」をしますね。 最初に録画していた番組をAとすると、
重ね撮りしてBという映像が録画されると、Aの番組は2度と見ることが
出来ませんね?
重ね撮りしたら、もとの映像は見ることが出来ないんです。
これ、ポイントです。
モザイクの原理も極端ですけどこれと同じなんです。
業務用の編集機は、A、B、C、D・・と、一つの画面に
同時に重ねて編集することが出来ます。
どういう事かというと、 Aという映像の画面の下に
テロップと呼ばれる文字などが、最近は当たり前のように何個も出ますね。
このテロップは、Aの映像の上に「録画」されているんです。
ですから上のBの重ね撮りした映像と、原理は一緒です。
テレビ中継で、テレビ画面の右下に、小さい子画面が出る時ありますね?
あれも、大きい画面Aに、小画面のBが重ね撮りされている事になります。
あの小画面に隠れている後ろのAの画面や、テロップの後ろの画面を見る事が
出来るでしょうか? 結論は無理でっす。
絶対にはがせない画用紙が何枚も重なって出来ているのが映像の画面と
言えば、分かりやすいでしょうか。
一番下がAの画面で、上がZの画面。
これを真上から見ると、Zは見えますが、一番下のAは見えません。
あれを見ることが出来たら、家庭用のVHSで重ね撮りする前の映像も、
技術的に見ることが出来てしまいます。
そんな機械が出来ていたら、大騒ぎ、電気屋さんにもジャンジャン並ぶで
しょうし、映像業界が大変なことになってしまいます。。
モザイクも、テロップや小画面、重ね撮りしたBの映像と「一緒」なんですね。
一度、テロップやモザイクを録画してしまったら、消せないんです。
消せないというのは、モザイクがかかる前の状態に戻せないと言う意味です。
モザイクがかかっていないテープは、「撮影したテープ」のみです。
ま、コピーされれば何本も出来ますけど。。
しかし、現在のハイテク機器を駆使すれば、
若干でも「 みえてる? みえてない? 」までは出来るかも知れないです。
ただ反転の原理がモザイクなんですが、たとえば赤の色を青にするという
原理が除去装置だとすると、モザイクがかかっていない場所もおかしく
見えてしまうと思います。
基本的にモザイクは画面の中で動き回りますからねぇ、
スティックで動かしてモザイク場所だけを反転させる装置もあるようですが、
一人でお楽しみ中に、スティックをいじるのも・・・。
ま、男のロマンですなぁ(>_<)
Posted at 2008/01/09 06:00:05 |
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