2009年02月15日
よく、私などの映像や写真関連の仕事をしている方が注意している一つに、
「肖像権」というものがありますが、そもそも肖像権ってなに?
実はですね、肖像権については、法律で決まっているものではないんです。
基本的人権や、裁判の判例で判断される権利と言えばいいでしょうか。
よく、日常会話で「肖像権で訴えてやるー♪」なんてのを聞く時がありますが、
そんな法律は存在しないんです。
ただ、
肖像権とは、本人の承諾なしに無断で写真やビデオカメラに撮られたり、
それらを無断で公表したり利用されたりすることのできないように、
主張できる権利です。
・「人格権」の一部としての肖像権
・「財産権」である「パブリシティ権」
の2種類が存在します。
「人格権」は、アーティスト、俳優、一般人、誰にでも認められている権利で、
一般人の写真が無断で雑誌・ホームページなどに掲載された場合でも、
「人格権侵害」や「名誉毀損」等で訴えることも可能です。
「財産権」である「パブリシティ権」としての肖像権は、
有名人の肖像や氏名を商品とともに、使用することにより、
経済的利益や価値をもたらすことにつながる権利になるため、
「財産権」として認められました。
芸能人の写真入りの何かを、勝手に販売してはダメということですね。
国内法で「肖像権」という権利が明文化されていない以上、
その侵害は直接には罪となりません。
よほど悪質で、撮影もしくは公開にあたって肖像権侵害以外に
何らかの法令違反を犯していない限り、刑事罰に問うことはできないのです。
しかし民法上の「不法行為」には該当するため、民事において法的な
救済措置(使用差し止めや損害賠償など)の請求は可能となります。
ですので、「肖像権」で訴えるわけではなく、警察でいえば別件逮捕というので
しょうか、違う法律でいくような感じです。
ですから、名誉毀損や、人格権侵害などで訴えることになります。
撮影する時など、一般人が映り込む時は、その映像や写真などの「使用方法」
によっては、やはり許可が必要です。
ホームページなど掲載などの、無差別に公表する場合なども必修です。
よく友人などに聞かれるのですが、
昔に放送した面白かった番組などは、DVD化すると売れると思うのに、
なぜやらないの? と聞かれます。
それには、肖像権を含めて著作権など様々な問題が絡んでいるからです。
著作権だけでも、番組で言えば映像や音楽、写真、テロップ、
そして番組そのものにも権利は関わっています。
そして一番お金がかかる部分としては、ゲスト等の2次使用料が高額になる
場合が多いんです。
基本的に、1回の放送に対して芸能人にギャラが支払われています。
勿論、DVDに対するギャラは含まれていないため、芸能人に対して
2次使用料が発生してしまうのです。
それが結構な額になってしまうため、DVD化しても利益が出ない
可能性もあって、DVD化しにくいという実情もあります。
さらにバラエティ番組など、一般人を使った企画だった場合、
その時の番組放映の出演に対しては許可を取っていますが、
DVD化に対しては許可を取っていないために、
その一般人に対して連絡を取って、許可を取る必要があるんです。
それが10年も20年も前の番組だった場合、その一般人と連絡が取れなかったり
する場合がほとんどで、DVD化することが出来ない現状もあります。
このパターンは、よくある「総集編」みたいな番組企画でも当てはまるため、
その度に連絡を取る必要があります。
一般人を使った「探偵ナイトスクープ」のような番組は、難しいでしょうね(^_^;)
ただ、公の場で明らかに「テレビに映り込む可能性がある場所」だった場合は、
許可は必要ない場合も多いです。
DVD化の可能性があるコンサートなどですね。
こういったものが多くて、DVD化できない現状も多いんです。
ですからバラエティ番組などは、のちのちDVDになるだろうと踏んでいると、
権利関係で難しいものも多いので、その時その時に、ブルーレイやDVDに
保存しておきましょう♪
Posted at 2009/02/16 03:40:45 |
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