先日、ダイハツから新たに登場した軽自動車が「ムーヴ・コンテ」である。
ムーヴ・ラテの時期車種と思われたが、ラテは継続販売される。
上の写真はコンテ・カスタム。 ノーマルのコンテも存在する、
ダイハツお約束の販売方式。 ムーヴやタントと同様である。
☆データ
ムーヴ・コンテ 全高約1650㎜ 室内高1350㎜ 室内長2000㎜
ムーヴ 全高約1615㎜ 室内高1310㎜ 室内長2110㎜
タント 全高約1750㎜ 室内高1355㎜ 室内長2160㎜
となっている。
軽自動車は、外見の全長や幅は規定が決まっているので、私はいつも上の数字
をよく見る。
コンテの全高は、上の3車中2番目に高い。 これは室内高にも表れている。
大きさは、3車中
2番目に大きく見えるのがコンテということになる。
コンテもムーヴと同様、立体駐車場には入れない。
ま、今はハイルーフ用の立体駐車場もあるから問題ないであろう。
この立体に入れない事に文句をいう方もいるが、そのおかげで室内が広々
しているのだから、短所にするなと言いたい時がある。
しかし、室内高は2番目のコンテでも、室内長はビリである。
重量は2駆で820~880キロ。 カスタムはRSで880キロ。
ムーヴとほぼ一緒の重量。 タントは約950平均のため、重い。
エンジン・ミッションもムーヴやタントと全く同じなので、
燃費はムーブと共通と思われる。
☆エクステリア
軽自動車の「日産・キューブ」というべきか、スズキの「ラパン」似という
べきか。 これは、市場がどう判断するかだが、個人的には良いと思う。
特に、女性ユーザーにはお勧めだ。
コマーシャルの四角をアピールしてるとおり、「角の見切り」が抜群によい。
これは、同じくダイハツの旧型ミラ・ジーノ以来だろう。
ドアは、運転席・助手席共に90度開くタイプ
カスタムとノーマルの外見は、フロントライト周りを中心にガラッと違う。
特に、オプションパーツが豊富にあり、自分好みの仕様にする事が可能。
付け方によってはコンテに見えなくなるオプションもある。
キューブのような形が好きな人は、打って付けではないか。
リア周りも、スッキリしていて良い。 バランスを含めて、いいデザイナーが
付いたんだなと思わせる。
このコンテは、本来男の子はカスタムがかっこいいと思うが、
ノーマルでもかっこいいと感じるデザインではないかと思う。
☆ インテリア
正直、「これが軽自動車か??」という出来映えである。
個人的に乗った大半の軽自動車のトップレベルと断言できる。
個々のパーツは、ムーヴやタントと共通パーツを用いているのが分かるが、
ダイハツらしい品質は維持している。 この辺りをみると、
スズキは抜かれているなと感じる事が個人的に多い。
カスタムなどには、お約束のモモ・ステアリングが標準で付いている。
一番驚いたのが、カタログにもアピールされている「プレミアムシート」だ。
全グレードに採用されているこのシートの座り心地は抜群。
軽自動車のトップと断言していい気がする。 この辺りは日産キューブを
意識した気もするが、悪い言い方をすれば、この辺りもキューブをパクッたと
も言えるが・・。 それでも、このシートの作りには感心した。
形状はベンチシートである。
カスタムはブラック、ノーマルは赤ラインの付いた薄いグレー調の
シートカラー。 シートの色は選べない。
後部座席に至っても、乗り込むシート・サイドの座面横のクッションは
柔らかくしており、乗りやすい構造にしてある考慮もポイントが高い。
乗り込んで分かるのは、あまり腰をかがめる必要がなく、スッと座れるのが
分かる。 天井の圧迫感も全くなく、タントほど天井が遠い感覚もないので、
個人的には心地よい天井の高さである。
結構シート高が高いと感じるかも知れないが、おかげでボンネットの角が
ハッキリ見えるので、気持ちがよい。 下方向の圧迫感も感じられない。
遠出をしても疲れない気がする。
メーターパネルは、ムーヴやタントのセンターメーターと違い、
通常の運転席のメーター。 見やすい感じである。
欲を言えば、カスタムなどはもっと派手にしても良い気がした。
しかし、タントなどのセンターメーターと違い、遠すぎて見えにくい
みたいな部分がないので、良いと思う。
ムーヴと同様の、足が邪魔にならないインパネシフト。
前席のみ、わずかにセンタートンネルの張り出しが存在する。
しかし、わずかの高さのため邪魔に思う事はないが、運転席から助手席に移動
する時に、ちょっと足がぶつかる程度だろう。
後部座席には存在しない。 完全なフラットフロアになっている。
コンテで新採用になっているのが、運転席のパワーシート。
ついに軽自動車もここまで来たかと思ったが、果たしてここまで必要かどうかは
疑問も残る。
その他、インパネイルミネーションというブルーLEDでムード的に光る
装備もある。 これはムーブにはなかった場所のイルミネーションで、
結構きれいだった。
その他、バックギアにするとサイドミラーが下がるリバース電動ミラー、
チルトステア、シートリフター、ライト付きバイザーミラー、
セキュリティーアラーム、UVカットミラー、ウインカー付きサイドミラー、
HIDライト、オートライト、キーフリーシステム等がオプションも含め
装備可能。 真新しい装備はパワーシートくらいである。
軽自動車のため、横方向の余裕はないが、これは仕方がない。
横方向に不満が出るなら、キューブをどうぞと言いたい。
ただ、感心したのが助手席に座ると、足がちゃんと伸ばせるのだ。
グローブボックスの下に色々押し込まれていない証拠だ。
その点、タントはデザインの関係上もあり、足を伸ばそうとすると、
足がぶつかって窮屈感を感じる。
☆ 走り
試乗していないため不明だが、ムーヴと共通と思って良いと思う。
なにせ「ムーヴ・コンテ」という名前ですから。
☆ 短所
良いところばかり書いたが、走り以外で短所はあるのだろうか。
正直、個人の好みだが、スズキやホンダより上の位置にいる気がするダイハツ。
トヨタがバックについて明らかに加速している。
今年、ワゴンRやライフなどがモデルチェンジを控えている。
軽自動車のモデルチェンジ・イヤーのため、このコンテを購入する際、
ライフやワゴンRが出てから購入しても良いかもしない。
雑誌にはもう外見がスクープされていた。
さて、同じダイハツのタント、ムーヴとも比べた短所を言えば、
後部座席のシートスライドは、コンテだけ出来ない。
しかし、十分の広さを持っているため、短所にして良いか微妙だが、
そのため、後部座席の広さ、特に足下は、コンテが3車中で一番狭い事になる。
これは、室内長の長さを見ても分かる。
あの座り心地を得るか、足下の広さを取るかという事だ。
ちなみに後席リクライニングは左右独立で可能だ。
リアのリクライニングは、そんなに傾斜角度がない。
よって完全なフルフラットには出来ない。
荷室は、シートスライドが出来ないコンテが一番狭い。
シートアレンジがあまり得意ではないようだ。
軽自動車は、荷室の広さは期待できない乗り物だから仕方がない。
バモスやサンバーなどの箱形は別だが・・。
後部座席の見晴らしも、3車中一番低いかも知れない。
わずかの差だが、前席のシートが大きいためか、後部座席から前が2車より
見にくい気がした。 あくまで、ムーヴ/タントと比べればだが。
後部座席の広さの快適さだけをみると、やはり天井高や室内長の関係で
タントが一番快適だと思う。 ただ、その変わりにタントはあの全高がある
ために、横風に一番弱く、高速でフラ付きやすく、怖い思いをする事が
多い。 しかし、サンバーやバモスなどと比べればフラれ方は弱いため、
サンバーに乗る私からすれば、そんなに気になるくらいではなかった。
あとは値段の高さか・・。 トップのカスタムRSで170万を超えている。
ノーマルの平均で130万程だ。
これを高いと思うか安いと思うかは、欲しい人の価値観によるが、
タントカスタムRSで162万、ムーヴカスタムRSで167万だから、
オプションのナビなどを付けると200万を超えると思うので、
これは度胸がいる価格だ・・。
この軽自動車・コンテは、女性の方に特にお勧めしたい。
あの維持費の安い軽自動車で、このタイプの車が買えるようになってきたのが
恐ろしいと感じた。