【2017年10月〜2019年1月】
魁 CONCEPT(マツダ カイ コンセプト)に一目惚れ
2017年の東京モーターショーでマツダ 魁 CONCEPT(マツダ カイ コンセプト)を見た時はアルファロメオもひっくり返るだろうとおもったし、ヴィジョンクーペは、アストン・マーティンも一目置かれるんじゃないか、というくらいにマツダのコンセプトカーは魅了されるものがあった。
魁 CONCEPTが次期アクセラになるだろうということは公然の秘密で、その後にHCCIならぬガソリンエンジンなのにディーゼルと同じ圧縮着火のSPCCIエンジンが発表されれば、アクセラに積んだテストカーがジャーナリスト向けに公開され、次期アクセラの目玉がこのSPCCIエンジン、のちのスカイアクティブXの呼称で展開されるとなれば、そりゃあ気にならないわけがない。
この時はCX-3に乗っていて、車検の機会でアクセラに買い換えたのだけれども、この時既にモデル末期で、次期アクセラ曰くマツダ3を睨んでの乗り換えだった。
その訳はCX-3の車検とアクセラの新車を比べるとアクセラの方が条件がよかったこと、やっぱりクルマはワイド&ロウのフォルムの方がいい、という趣向の変化によるところだ。
それだけにマツダ3の市販車バージョンが発表されれば、魁 CONCEPTのイメージどおりに再現されていて、食指が働いたのはいうまでもない。
【2019年5月】
国内発売!いざディーラーで試乗
そして、マツダ3が発売されたのが令和の発表まもない5月上旬。発売日から二週間経ったところでディーラーに赴く。それまでにディーラーの近所でひっきりなしに試乗中のお客さんに出くわしたので、ちょっと逸る気持ちだ。
先ずは試乗。ジャーナリストによる前評判がすこぶる良かったので、これまでにない期待感がある。ディーラーに用意されていたのは今乗っているアクセラと同じエンジンの15Sツーリング。マツダ3を動かした瞬間、思い出したことがあった。自動車評論化の故・徳大寺有恒さんが「いいクルマはタイヤ3回転でわかる」という文言。ディーラーの敷地から路上に出るまでに感動すら覚えたのだ。しっとり、滑らか。まるでパステルのなめらかプリンを口に含んで喉を通っていくようなという比喩だとお分かりいただけるだろうか。
ジャーナリストによる試乗動画や試乗記を根こそぎ閲覧していたので、どんな乗り物かは想像していたが、内容と一致。ウインカーのクリック音、静粛性、滑らかな走り、各スイッチ類の節度感・・全てが上質。アクセラと同じサイズ、エンジン、ミッションでこうも違うのか!
至極ご機嫌な一方で、気づくことが。おやおやパドルシフトがない。外に出てエクステリアを眺めてみると、ポジションランプが電球!。え!これだけで台無し。せっかくウインカーまでLEDになったというのに、なぜわざわざ電球にしなければいけないの、とガッカリ。
私は光りものにはこだわる方で、LEDは大好き。かと言ってDIYはしない。フィラメント電球が嫌なら市販のT17規格のLEDに交換すれば解決するじゃないか、と思うが、貧乏臭さを露呈することになるのでみっともない。
カタログを見ると、1.5リッターエンジン搭載車は装備の関係をみるとボトムレンジ扱いになっているようだ。
新型車発売なのに全グレード揃っていない
せっかく予算内にも丁度良いと思っていたが、このボトム扱いに解せないので仕方なくアップグレードすることに。ところがここからが問題で発売と同時に全グレードが展開されていないのだ。
2.0ガソリンモデルは7月中、注目のSPCCIエンジンのXグレードは10月中旬。(5月時点)エンジンバリエーションの話で言えば、1.5リッターと1.8リッターディーゼルのみの展開。広島の人によれば、「いち早くマツダ3をお届けしたかった」という常套句が出たけれども、新車効果で客単価が一番高い時。つまり勢い任せでトップグレードが売れてオプションがポコポコ付くのは流通業界にいる人ならお分かりなハズ。この展開、販売店には困ったことなのだ。
【2019年7月】
悩ましいグレード設定に価格。Xがなければ尚更決められない
1.5が候補から外れたので2.0ガソリンと1.8ディーゼルで比較検討することにした。2.0ガソリンの発売まで約1ヶ月ちょっとも待ち、ディーゼルにするか2択だった。20Sの発売日に試乗車の登録が終わってディーラーに入れば一番乗りで乗り込む。第一印象は確かにプラス500CC分、足された感覚は、なるほど!これはバランスいいと感じ、ディーゼルと悩みに悩む。軽油は安くていいのだが、ガソリンとの差分は埋められない・・ディーゼルはエンジンが重く、前後重量配分が悪い、低速で力を持て余し、駆動系への負担が心配。ガソリンは確かにアクセラ1.5リッターをストレッチしたものだが、ここ一発のパンチには欠ける・・。スカイアクティブXは技術を買ってあげたいが、2.0モデルと70万円も跳ね上がるのに解せないものがあった。従ってXは20000%無いと思っていたが、まだひっくり返る可能性もある。そんな夜な夜な悩む日々が続いたのだった。
これまでの候補を羅列すると
15S ツーリング ¥2,315,989〜
20Sプロアクティブ ツーリングセレクション ¥2,636,741~
XDプロアクティブ ツーリングセレクション ¥2,911,741〜
X プロアクティブ ツーリングセレクション ¥3,319,148〜
ここまでで判断できたのはディーゼルエンジンは軽油代では元はとれない、市街地中心の乗り方では強靭なトルクは逆にネガティブ要素もあることから、20Sプロアクティブ ツーリングセレクションが価格的にもバランスがとれているな、と思うようになり、ほぼほぼ決まりディーラーに赴こうと決意した晩の翌日には・・。
どうせならXまでいきましょう!
とXは20000%無いのをひっくり返したのだ。今も忘れない、真夏の暑い7月中旬、コメダ珈琲店でアイスコーヒーを啜っていた瞬間だった。その理由とは・・。マツダと同じ船に乗りましょう、じゃないけれども20SやXDにしたところでどちらも悔いが残るようなら、両者のいいとこ取りをしたXで着地点を見いだすことにした。懸念があるとすれば、「乗って確かめていない」ものに70万円ものエクストラコストを払うことに。いやいや当初は15S ツーリングでいくはずだったから、100マン円も跳ね上がったしまったのだから、どうやって払うのか、これから捻出しなければいけない。こんな買い物、結婚してたら奥さまは絶対許してくれない。見た目はアクセラとなんら変わってないように見えるだろうし、アクセラも1年ちょっとしか経過していないから。このグレード展開にプライスの差分は、500万円以上の輸入車を買っているような御方なら、そうは厭わないのかもしれないが、3ヶ月近くも商談を重ねて、結果100万円もの単価アップをさせたマツダの術中にハマったといえる。そんなことはないだろうけど。
こぼれ話
見事マツダ3Xプロアクティブ ツーリングセレクションを注文した3日後、寝耳に水のお知らせが。
ディーラーの営業Sからのメールを開くと、Xの発売が10月中旬から12月中旬へ。使用燃料はハイオクへとの内容。(公式には推奨)価格には影響なし。その背景は詳しくは分からないようだったが、同時に出たメーカー発表によると、ヨーロッパの試乗会でスカイアクティブX(特にマニュアル)の反響が良かったとのことでそれに日本仕様も合わせるようだ。使用燃料の違いから、国交省への認可なんちゃらで2ヶ月は遅れるとのことだ。燃料代を節約したいとXを検討していたなら、残念だけれど、その分イイものを期待するしかない。
でも、誓約前にこの発表を受けていたら、瞬間に冷めてやめたかもしれない。今まで沢山の新車を買ってきたが、これだけグレード選びに期間を費やしたことは無い。なかなかエキサイティングな買い物だった。買い物というのは、選んでいる時間が一番楽しかったりするものだから、これはこれで良かった。
次回からはもう既に納車3週間を経過したマツダ3のレポート。覚えていたら見にきていただければと思う。