陸運局で名義変更を済ませ、新しいライセンスプレートを得たMPV
■ 突如里親に
仕事でもプライベートにしても、日常の足として三菱アイでも十分、事足りるのだが、確かに人と荷物をストレスなく輸送する余裕がほしい、と思っていた。もう1台経済的なワゴンを、と思っていた矢先に、MPVを知人から譲り受けれる機会が巡ってきたため、クルマを吟味する事無くキーを受け取ってきたわけだ。
これで暫くの間相棒となるマツダMPVは、一世代前の2001年式。ZOOM~ZOOM♪とマツダが謳いまくる直前のモデルである。正直、MPVの事は興味の対象ではなかったが、いざ自分の相棒となって気がついたのが、街を走るMPVの多いこと多いこと。一日に何回どころか2桁を超えるくらい、2代目MPVに出会うことに気がつく。同じ駐車場に3台くらいは平気で遭遇し、いかに人気のあったクルマだったかと思うと同時に、その人気の秘訣を探るという意味でも、興味深く付き合えることになりそうだ。
何しろ事前情報がなく、年式もグレードも分からない。分かっているのは白色ということと、中古車でいくらで買ってきたのかだけがMPVの事前情報。価格から察するに、モデル末期だけではなさそうだ。中古車サイトで同じような物を検索すると、前期型と後期型でエンジンの刷新があり、ランプやグリルの形も変わって、ビッグマイナーチェンジとなっていたようだった。
そしてご対面の日、グレードは前期型の2.5リッターV6モデルであることが分かった。前期型の直4モデルだとこの大柄なボディを引っ張れるのかと心配していただけに、一安心。一目見てホイールは交換されているのが分かり、フィンタイプの17インチにタイヤはダンロップのルマンが装着されていた。車高も下がっているのでスプリングが交換されている模様。それに伴って可変ロッドが交換されていると思う。
内装については前任者の好みで装着されたであろう後席モニターが前席ヘッドレスト装着されており、ケーブル類はシートの中を蔦ってドライバーシートの足元のプレイヤーと繋がっている。カーナビ・オーディオ類は純正装着品らしく、当時としては最新であろうパナソニックのDVDナビにTVチューナー、CDチェンジャーがセットになっているアーキテクチャーだ。
さて、筆者にとっては初めてのミニバン。これからどんな印象をもったかレポートしよう。
■ まずはホイールを元に戻す
走り始めて最初にハンドルを切ったところで、直ぐにタイヤを交換したいと思った。17インチホイールのおかげでバネ下重量が重く、ごく低速では鈍重なのである。
もともとインチアップしたミニバンの乗り心地はプアだと思っていたし、格好良くもない。何よりバランスが悪ければ運動性能の悪化にも繋がり、見た目を追求するだけのモデファイは好かない。ただ、ダンロップの特殊吸音スポンジを履いたルマンLM703というタイヤについては褒められたもので、50扁平ながら確かにカーペット一枚ひいたようにロードノイズが「吸音」されている。このタイヤが終わるまで使っても良かったが、「マジメ派」の筆者だけに、ホイールを純正に戻すことを決意。
ホイールはインターネットを使えば簡単に純正の中古品が見つかった。全国からパーツを探せる「UPガレージ」で、自宅から2キロほど離れたところに、しかもMPVの最終型でタイヤ付で一番安い、4本セットで29800円でゲット。アルファ145の時もそうだったが、後期型のホイールに因縁があるようだ。UPガレージにダウンサイジングのマッチングを確認してもらい、3mm程のホイールスペーサーも残してもOKとのことで、作業に入る。中古パーツ屋とはいえ、知識の奥深さや丁寧な対応に関心。
外した17インチホイールとタイヤについては、廃棄料がかかると思っていたら、ホイールとタイヤ2本は下取りができるのとこと。ホイールは業者に引き渡してリサイクルし、タイヤは後ろ2輪が商品になるとの事で、8,000円で下取りとなった。
おかげで安くついた。リフトから降ろされたMPV、走りの印象はやはり純正で正解、バネ下が軽くなったおかげでステアリングは軽くなり、OEMのブリジストン・レグノは60扁平のおかげで乗り心地は明らかに向上した。サスペンションについてはバネは交換されていて、ダンパーは純正がついていた、とUPガレージのスタッフは言っていたが、そう信じることとして、バネが短くなればダンピングレートがメーカーの意図した設定と狂ってしまう。まぁ既に4万キロを過ぎてタイヤのコンディションも劣化しているから、断じてココが足りない、とかはいえないのだけれども、重心が低いことがイイ、ということくらいは直感で感じ取れる。
■ 観察は楽し
オドメーターを見ると、2001年型で43000kmと、かなり少なめだった。書類を物色すると初代オーナーは鈴鹿に御住いだったようで、MPVは主に三重県に生息していたと思われる。実際どんな使われ方をしていたのだろう。車内を観察する。カーペットには煙草焦げがが見つかり、ステアリングホイールは革巻だが9時15分の位置が剥げ気味。それ以外は手を施した様子はなく、入念に掃除をしたら内装に目立つ傷もなく、MPV、マルチパーパスビークルとしての役割を課せられずに生きてきたのではないか?それとも土地柄、2世帯揃ってのショッピングなどに使われていたのか・・交換前のタイヤの状態やホイール選びののセンス、積算距離や内装の状態から、前オーナーとこの白のMPVがどんな生活をしてきたのか、どんなドラマがあったのか・・そんな想像をすると楽しくなる。
そして里親として私が引き取り、またドラマが展開される・・中古車との付き合いを久々に体感したのである。
(2007年10月20日)
Posted at 2015/05/12 01:09:19 | |
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