真夏も辛いが真冬のクルマもヒーターが効き始めるまではツラい。実家のUP!に乗るとシートヒーターがあるのでその暖かさ、気持ちよさは格別。スイフトXSで2回目を迎える冬のレポートは昨シーズンも悩まされた原因不明のトラブル、荷室の使い勝手、スノードライビングについてレポートする。
冬支度はお早めに…
前回のレポートから4ヶ月が経ち、2015年の冬も厳しい寒さだった。冬といえば先ずはスタッドレスタイヤへの履き替えから始まるのだが、毎年12月の二週目には交換しようと意を決してはいるものの、今回もタイミングを逃してしまい、12月18日には2005年以来となる積雪23センチを記録したという当日に、慌てて倉庫からスタッドレスを引っ張りだしてくる始末。午後近くには通行量の多い道路はべしゃ雪となっていたが、もうやらないわけにはいかなかったので、指先まで凍てつく中、一輪ずつジャッキアップをしながらスタッドレスに交換したのである。
回転が上下する症状が再び
一年前のレポートでも記した、コールドスタート時によく起こる、アクセルオフ、惰性運転時にエンジン回転が上下し、それが駆動を伝わるものだからクルマの動きがギクシャクするという一件は暖かくなった春先に症状は出なくなったため、低温時に於けるECUの学習がなんらかマッピングされれば、自然治癒されていくだろうと思っていたのだ。ところが1年を経て冬も本番となった12月、寒い朝にスイフトを走り出せば一年前に苛まれていた、アクセルオフ時にエンジン回転が上下する現象が再び現れ、またかよと正直ガッカリさせられた。釈然としないのは、同じ現象を抱えているユーザーが見当たらなく、ネットでユーザーレビューの類いを探しても該当する事案が見つからないということ。しかも今回のスイフトの場合、中古で買ってきたものなので、新車で正規ディーラーで買ったものならクビを突っこんで症状の改善を要望できるものの、中古車販売店では保証の内容に沿った塩対応で、しかも一年前に一週間検査入院させたにも関わらず、そんなときに限って症状が現れないという事態だったのを思い出す。
メカには弱い筆者のシロート考えでも、CVTの潤滑油が寒さで固い状況だからなのか、吸気温度とのバランスなのか、ECUの制御がアンマッチなのか、原因がわからない。わかっているのは外気温が8度以下に顕著だということと、暖気が終わり暫く走行していたとしても、たまに症状が見え隠れするという事。走行に危険が伴うわけでもないので、街のモータースに駆け込む程でもなかったわけだが、これまで何百台とこのクラスのレンタカーに乗ってきたがこの手の症状に見舞われたのは我がスイフトだけだっただけに、なんとも悔しい思いである。
荷室はやはり困ったもの
2014年の秋から営業のアシとして指名させたスイフト。カタログ等の冊子をはじめ、販促物を積みっぱなしになる事になったのだが当然、休日も勤務日も同じスイフトを使うので荷物をプライベートな時間にも共有したくない。常時後席のシートを倒してミニワゴンにする芸当はなんだかだらしないようで筆者の好みではないのだ。たとえ後席に人が乗らなくともキャビンとトランクは別空間としたい私はスイフトのトランクは非常に厳しいサイズだった。大中小の段ボール箱をテトリスのようにあーでもないこーでもないと積み込みをするわけだが、トノカバーを超えた高さから傾斜したリアガラスが迫るためA4サイズの段ボール箱はもう積む事が出来ず、非常にストレスが溜まるのだ。まぁ宅配業者のように個数も利用する回数も多くはないので、一度積んだものは利用する機会が無い限りは積みっぱなし。しかしいざとなるとトランクの奥の方の荷物にアクセスするために全部降ろさないといけない場合は参ってしまう。
こうした使い方を想定しながらもスイフトを気に入って購入したのだから容認するが、ギュ・ギュッと押し込んだ結果、荷室や荷物に傷がついたり箱もぺしゃんこになってしまったりと、困ったなぁと思ったのは正直なところである。何度も言うがそれでもプロボックス要らずのフィットに目も向けなかったのはスイフトが気に入っていたからなのだ。
今年も雪を踏みに御岳へ
クルマの運転が好きな人にとっては雪道を走るのは好きなのか、得意なのか、嫌いなのか、苦手なのかどうか分からないが、少なくとも私は好きな部類に入る。今年もやってきたウインターシーズン。クルマで雪道を走破する目的とスノーボード、アフターの温泉と3つの楽しみのため、今年も開田高原マイアスキー場へ出掛けた。ご存知9月に御嶽山が噴火した事により、暫く御岳界隈の観光は絶望かと思われたが、近隣のおんたけ2240は警戒区域に被る為、2月も中旬になるまでは営業出来ず、開田高原のマイアはフツーに営業していた。私の住む名古屋市でも御岳登山はメジャーで、通うジムでも紅葉シーズンに御岳登山を予定していた方もみえて、あと一週間早かったら…と生々しい声もよく聞こえてきた。マイアスキー場からは御嶽山を一望出来、あの峰に未だ捜索を待ち救出されずに眠る被災者がいるかと思えば、今年は追悼の意を表して腕に喪章をつけて滑走する事にした。且つてこのスキー場で平日の誰もいない日に、視界5メートルはないかというブリザードに見舞われた中、ふかふかの魔法の絨毯かのようなパウダースノーにやられ、こりゃ最高とばかりにアドレナリン出っぱなしで滑走していたはいいが夢中になるあまりに安全に帰れるかとふと我に返ると思うと震えた覚えがあった。それだけに山に入れば安全に帰ろうと思ったのである。
肝心のスイフトの話だがブリヂストンのブリザックREVO3を履いた雪道の印象は当然、無理は出来ないものの誰もいない道で滑らせてカウンターを当ててみても、よくこんな路面状況でクルマを走らせられるなぁと感心させられるほどドライバーのコントロール下にある。
地元の人よりも速いペースでコーナーにさしかかり、コーナー中盤で滑り出しても一瞬はキモを冷やすがこのままいってしまう感じはなく、アンダー方向で収束しようとするので事なきを得る。メーターを見れば瞬間的にESPが介入しているのが確認出来、できればスイッチのオン・オフでこうした補助装置によりどれだけ恩恵を受けているのかを知っておくのも大切だと思う。当然、一般道では危険なので施設に迷惑のかからない範疇で駐車場で定常旋回、ダブルレーンチェンジを試している。そういえば10年前、同じ駐車場でアルファ145をスタックさせて、ランクル70に引っ張りだしてもらった事をここで告白しよう。あの時のランクルもまだ現役で働いている事を確認した。
スイフトと別れることに
さて突然の悲報?だがスイフトと別れる事になった。これまでの愛車遍歴からすると随分と速いが、特別な理由による。出し惜しみしてもしょうがないがマツダCX-3に乗り換える事にしたのがその理由。これを書いている時は既にCX-3を注文し納車を待っている状態。スイフトのドライバーズシートを降りるのは正直寂しい気持ちにかられているのは事実であり、残りの2週間、丁度桜吹雪から新緑が出る頃。カウントダウンが始まったスイフトとの残りの時間を大切にしなければ。そいうことで次回は最終回。曰く付きで乗ってきたスイフトの総括を認める事にする。
<2015年4月5日>
Posted at 2015/05/09 02:51:34 | |
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