ここ数ヶ月の間に小説を読み、そして書く趣味が出来ました。
その切欠を作った作品の中でも、特に強く感銘を受けたタイトルを、一つずつ紹介していこうと思います。まずは、こちら。メディアワークス文庫から発行されている、三秋 縋さんの「恋する寄生虫」です。
【恋する寄生虫】
メディアワークス文庫 著:三秋 縋
異才・三秋 縋が紡ぐ、遺る瀬無い恋の物語。
失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。一見何もかもが噛み合わない二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が、<虫>によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことを……。
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少年エースさんで漫画化もされているようでしたので、ちょっとだけ見ましたけど......原作の良い部分が大幅に死んでしまい、ストーリーも描写も薄くなっているように感じました。文章を楽しむ側面が強い作品なので、それを画だけで表現してしまうと、どうしても薄くなるんでしょうね。......悪くはないですが、ヤッパリ原作小説の方が良いですね。
他者のブログや小説のレビューで高評価を受けている作品でしたので、興味本位で手に取りましたが、その内容は想像以上でした。
全体的に文字数の多い作品なので、一見すると読みづらく見えますが、特徴的な登場人物。テンポの良い展開。緻密な描写と圧倒的な文章力に圧倒され、あっと言う間に読み終えてしまいました。
次第に恋に落ちていく二人ですが、「操り人形の恋」であった事実に翻弄され、運命の流れに飲み込まれていきます。
一応はハッピーエンドのような終わり方を見せますが、その結末は読み手の判断に委ねられており、恐らくは大多数の人がアンハッピーエンドと受け取るのではないでしょうか?
恋愛小説ではありますが、非常に読後感のよくない作品です。
結末には賛否両論あるようですが、私は非常に大好きです。ひじりちゃんには幸せになって欲しいんですけどね......
読んで後悔しない一冊として、オススメできます。ただし、文字は多いです(苦笑)重めの小説が苦手な人は、ちょっと気をつけたほうが良いかもしれません。
文章:☆☆☆☆☆
ストーリー:☆☆☆☆☆
読みやすさ:☆☆☆☆
総合評価:☆☆☆☆☆
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Posted at
2018/12/01 20:59:44